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ロープラ1民法第19問
答案例p34
109条1項の①②の要件の関係は「①又は②」「①かつ②」等、どのような関係にあるのでしょうか?
よろしくお願いします
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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要件ではなく場合分けの話です。
『かつ』『又は』でいえば、『又は』です。 (さらに読む)
商法論パタ2-1-6小問(2)で、新株発行の割当が例えば、EではなんくDになされた場合、828条の無効原因で取引安全を考慮する必要はない(Dは役員であり、会社内部事情を容易に知り得る)として、当然に無効原因は認めれるのでしょうか?また上記場合において、別の法律構成でBは、なにか別の主張・請求ができるのでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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これについては、当然に無効原因とまでは認められず有効にすべきと考えます。
まず、取締役会決議を欠く新株発行は無効原因とならないとするのが判例(最判昭和36年3月31日)の立場です。
この理由として、公開会社の募集株式の発行は会社の業務執行(一般の取引行為のような経営事項)に準ずるものとして取り扱われていることから、当該募集株式の取得者を保護し、取引の安全確保に重点を置いていると説明されます(髙橋美加先生の『会社法』(弘文堂、いわゆる紅白本)319頁)。
すると、内部事情を知る取締役Dに発行したのであれば、取引安全の要請が下がるので、無効原因といっても良さそうに思えます。
しかし、発行相手がD・Eのいずれであっても、本問は取締役会決議を欠く新株発行であり、公開会社の募集株式の発行は会社の業務執行(一般の取引行為のような経営事項)に準ずるという点は同じです。
また本問のA社は公開会社であるところ(問題文冒頭に(ただし、定款に株式の譲渡制限の定めはない)とあるため)、Dの下に新株がとどまらない可能性があることはEの場合とおそらく変わりません(答案例43~44行目)。そのため、Dから事情を知らない第三者に新株が譲渡される可能性があるので、第三者の取引安全という要請はDの場合にもあり得ます。
したがって、公開会社の募集株式の発行は会社の業務執行(一般の取引行為のような経営事項)に準ずることや、A社が公開会社でありDから第三者に新株の譲渡可能性あることを理由に、Dに発行した場合でも無効原因とはならないとする方が無難です。
また、事前の発行差止請求・事後の発行無効確認の訴え以外の手段としては、Bの気持ちになって考えると、対立するCを排除したいとして、Cを役員から解任するように株主総会で求める(339条1項)ことがあり得ます。しかし本問では、BがCの解任を求めているなどの事情がなく、新株の発行に関する問題ですので、解任は問われていないと処理します。 (さらに読む)
論パタの1問に対する復習時間の目安を教えて下さい。学生なので可処分時間は多いです。
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ご質問をいただきありがとうございます。
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目安としては、1問あたり45分とするのが一手です。
初学者段階では、スピード感を持ってその科目を周回することが大事です。そして、早めに1周することで知識や解法が濃縮されるので、1問あたり45分前後が良いかと考えます。
目安としては3周ほど論パタの全問題を周回できた後は、苦手な問題だけ丁寧に解き直したり、あるいは条解の講義を受講して知識をまとめてインプットするのが一手です。 (さらに読む)
Law Practice 民法Ⅱの第19問についての質問です。
参考答案及び解説において言及がなかったのですが、貸主側の賃料増額の要望によって双方で賃料について合意がなされていなかったことは、借地借家法23条1項本文及び2項との関係で問題とならないのでしょうか?
当方が第5版を使用中のため第4版の問題文にそのような事情がないだけかもしれないですが、仮に記載がある場合上述の点ご教授いただきたいです。
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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4版、5版で事情は異なりません。
問題にならないとの認識で大丈夫です。 (さらに読む)
民法2-4-4で、EのAに対する、乙不動産の登記と建物を所有権に基づく物権的請求権と構成するのは本問では、登記の所在が問題文では書かれていないこと、占有が誰にあるのか不明であることから結論がでないという認識で、物権的構成で書くのはやめておいてほうがいいでしょうか。
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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本問は物権的構成で書くのはやめておいた方がいい問題ですが、その理由は登記や占有絡みではなく、「当事者間に契約関係がある」からです。
まず、当事者間に契約関係がある場合には、その契約関係に基づいて物の引渡しや金銭の支払いを請求できないかを考えます。本問では売買契約という契約関係があるので、この契約関係に基づいて乙不動産の登記や引き渡しができないかを考えます。
これに対し、物権的請求権が出てくる場合は「当事者間に契約関係がない」場合です。当事者間に契約関係がない場合には基本的に何も請求できませんが、その場合でも誰に対しても主張できる物権的請求権は使用可能です。しかし本問は、当事者間に売買契約がありますので、契約関係に基づく請求を行います。
このように当事者間に契約関係があるかないかを見ることで、使うべき法律構成を正しく選びやすくなります。本問のように契約関係がある場合には、その契約に関する条文を債権法や総則から探して使います。
一方で契約関係がない場合には、物権的請求権・法定債権3つ(事務管理・不当利得・不法行為)・相続や時効・債権者代位権や詐害行為取消権あたりが候補になる場合が多いです。 (さらに読む)
4S工程での「言い分」と「法的構成」が一致した場合でも「言い分」をより具体的に言語化したほうでいいでしょうか。例えば、民法2-4-3小問(1)で先生が講義で解説された言い分が思いつかず、言い分として「解除したい」とほぼ法律構成と同じ言い分が思いついてしまいました。本問では先生も、契約555条→解除で結果としては同じだったのでよかったのですが、結果(法律構成)が違う場合もあり得るのかとおもいました。
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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この場合は、「言い分」をより具体的に言語化することは必須ではないと考えます。言い分は法律構成を正しく想起するためのトリガーですので、法律構成が正しく想起できるのであれば、言い分を具体的に言語化する必要はそれほど高くないからです。
挙げていただいた民法2-4-3小問(1)であれば、言い分が解除したいでも大丈夫です。解除したいの言い分としては、「もう嫌だ」というのがあり、要するに「契約をしたくない・縁を切りたい」というのが言い分です。そこで、契約を切るための法律構成として解除が想起できると良いというものです。
言い分と法律構成で違いが生じる場合の一例としては、「物よこせ!」という言い分に対して不当利得返還請求権(703条)という法律構成を使う場合です。「物よこせ!」という言い分は、基本的には物権的請求権や売買契約等に基づく引渡請求権に対応しますが、裏口入学・不倫や賭博といった不法原因給付が絡む事案であれば、法定債権である不当利得返還請求から論じた方が題意に答えやすくなるという問題もあります。 (さらに読む)
論パタ刑法2-3-10で2点質問があります。
・丙の罪責で答案では傷害罪の共同正犯を共同実行の事実がないとして切っていますが、詐欺罪と同様、共犯からの離脱で切るのはよくないのでしょうか。
・仮に乙に過失傷害の共同正犯が成立するとし、かつ丙で共犯からの離脱を認めなかった場合でも丙には共同の注意義務がないとして過失の共同正犯は成立しないと考えてよいでしょうか。
以上2点よろしくお願いします。
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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丙については、実践的には共犯からの離脱で切っても合格ラインに乗るだろうと考えられます。
丙の傷害罪の共同正犯の成否においては、傷害罪において丙が車を運転することが当初の共謀だったところ、丙が犯行前に抜けたことから、丙が運転するという当初の共謀内容から外れた形で傷害罪が実行された点がポイントです。
まず、当初の共謀では傷害罪の実行に当たって丙が車を運転するという内容でしたが、丙が実行前に抜けたことで当初の共謀通りにはいかなくなり、甲が丙の代わりに運転を行いました。すると、当初の共謀(丙が傷害罪の実行のために車を運転する)から事情が変わった結果、甲の現場判断で甲が丙の代わりに運転しており、当初の共謀とは異なる形で傷害罪が実行されています。
そのため、当初の共謀から外れた上で、甲の現場判断に基づいて甲が急遽運転して傷害罪が実行されているので、丙は傷害罪との関係ではそもそも共同実行の事実がないという要件で切れるのです。
すなわち本問では、①共同実行の意思(丙が運転する予定で共謀した)→②共同実行の事実(共謀で予定した通りに丙が運転する)という計画のはずが、丙が拒んだことで甲が急遽運転しています。 そのため、②共同実行の事実が当初予定した丙が運転という共謀内容から外れ、現場判断で甲が急遽運転した形になるので、丙が運転するという当初の共謀に基づかず、甲の現場判断に基づいて甲が運転しているため、共同実行の事実で切れます。
もっとも共同実行の事実で切るという判断は、事前の共謀内容で丙が運転する予定だったが、予定が狂ったので、甲の現場判断に基づき甲が急遽運転したというストーリーを緻密に見なければ気づけないので、共犯からの離脱で切るのが試験現場では実践解だったといえます。
仮に乙に過失傷害の共同正犯が成立するとし、かつ丙で共犯からの離脱を認めなかった場合は、私見ですが、丙には過失の共同正犯が成立する余地があると考えます。
離脱が認められない以上は、一部行為全部責任の原則から、過失傷害についても責任を負うと考えられるからです。 (さらに読む)
民法2-3-5答案例35行目の記述で「原則である。」というのはどのような意味があるのでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
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これは、37行目の94条2項類推適用という例外的処理との関係で、「原則である。」と記述しています。
まず、所有権や共有持分権を持たない無権利者から権利の売却を受けた場合でも、その権利を得られないのが原則です。しかし例外的に、94条2項類推適用などの法律構成で権利を得られる場合があります。
このように、無権利者からの権利取得はできないのが原則→94条2項類推適用などで例外的に保護されるという原則・例外があります。そして37行目では、Fについて94条2項類推適用で例外的に保護される余地があるので、この37行目の例外との関係で、35行目では権利移転しないのが「原則である。」と記述しています。 (さらに読む)
刑訴の捜査パターンについて。任意捜査の「正当な目的」のあてはめで、問題文中に「〇〇の目的で」、「△△のため」等のヒントがない場合は自分で「正当な目的」を設定する必要があると思います。抽象的な質問になってしまうのですが、上記のような場合、どのような観点から自力で目的の設定を行えばよいでしょうか?また、この目的の設定が上手くできないとその後の要件検討にも影響がでるのでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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捜査目的については、捜査の制度上の目的から検討してみるのが一手です。
捜査の制度上の目的とは、一般には公訴の提起ないし維持の準備であり、その上で捜査の類型ごとの個別の目的として、被疑者の逃亡や証拠隠滅の防止(身体拘束系の捜査)、証拠収集によって犯人性や事件性を明らかにする(証拠収集系の捜査)というものがあります。
そのため、捜査の制度上の目的としては、公訴提起・公判維持の準備として、逃亡や証拠隠滅の防止、証拠収集により事案の真相を解明というものがあるので、これらの目的を念頭に置いて問題文の事情から考えるのが一手です。
また、捜査目的の認定で大きくミスをしてしまうと、捜査の必要性の当てはめが書きにくくなります。捜査の必要性においては、捜査目的を達成するためその捜査が欠かすことができないという不可欠性や、他の方法によっては捜査目的を達成できないという補充性を検討します。
これらの不可欠性・補充性は捜査目的との関係で問題となるので、捜査目的というゴールの認定で大きくミスをすると当てはめしにくくなります(以上につき『リーガルクエスト刑事訴訟法』35~37頁を参照) (さらに読む)
ローの講義で、アメリカ由来の違憲審査基準(厳格、中間、緩やか)の手段審査(例えば実質的関連性)においてドイツ由来の手段適合性、手段必要性、手段相当性を用いるのは危険(どの文献にも書いていない)だと習いました。
実際にはそのような観点から手段審査を行うとしても、「〜だから手段必要性は認められる」といったように用語は出さない方が無難なのでしょうか。
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好みの問題ですので、そこで加点減点ということは、そこまで考えなくてよいと思います。
こうした「手段必要性が認められる」という形で書くかどうかという部分よりも、内容として、なぜその手段でなければならないのか、より制限的でない手段ではなぜ達成できないのか、そのための立法事実は何か、といった中身の方が重要です。 (さらに読む)
4S論パタ刑法2-3-6で3点質問があります。
・前提として書類が会社を上位者、部長を下位者として下位者に占有が委ねられていると書くのはマズいでしょうか
・答案では共謀の射程を共謀に基づく実行行為で書いていますが、共謀のところで書かずにこちらで書いたのはなぜでしょうか
・意思に反した立ち入りは窃盗であれ横領目的であれ禁止していると考えられるため、侵入について乙の共謀ありとできないでしょうか
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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1.前提として書類が会社を上位者、部長を下位者として下位者に占有が委ねられていると書くのはマズいでしょうか
挙げていただいた前提部分(上位者・下位者の占有)は出題趣旨には直接の言及がなく、法人それ自体は占有を認められないと一般的には考えられることから、記述しない方が安全と考えます。
まず、本問の採点実感には「占有の主体をA社とするなど,占有についての理解が不足しているのではないかと思われる答案もあった」とあることから、占有主体は会社ではなく新薬開発部の部長職にある者だと想定されています。
本問の問題文1・2にある、各部が独立した部屋で業務を行っていること・新薬開発部の部長が書類を管理するなどの業務に従事していたこと・書類は部長席後方にある暗証番号式の金庫で保管されていたことといった事実群から、「新薬開発部の部長職にある者の直接支配領域内に書類が存在している」と評価できるので、端的に新薬開発部の部長について占有を肯定できます。
そして、この部分で会社を占有の上位者としてしまうと、会社自体に占有を認めることを前提とする形になりますが、会社のような法人については占有を認めないのが一般的と考えられています。
すなわち占有は、財物に対する事実的支配を意味する「事実的・現実的」な概念であるところ、法人という生身の肉体を持たない存在による「観念的」な支配では事実的・現実的な支配があるとはいえません。
そのため、窃盗罪における占有は、法人という観念的存在ではなく、法人内部の代表者・管理者のような生身の肉体を持つ個々の人間が行うものといえます。
そうすると、法人である会社はそもそも占有が認められない存在なので、ここで上位者・下位者の占有を論じてしまうと、上位者たる会社に占有を認めることになり、おかしな感じになります。そのため、会社を上位者とする上位者・下位者の占有は論じない方が安全です。
2.答案では共謀の射程を共謀に基づく実行行為で書いていますが、共謀のところで書かずにこちらで書いたのはなぜでしょうか
次に共謀の射程とは、実行行為が当初の共謀に基づいて行われたのか、それとも、当初の共謀とは無関係に行われたのかという問題であり(『基本刑法Ⅰ』383頁)、当初の共謀と異なる内容の実行行為が思いがけずなされた場合に本当に②を満たすのかという問題です。
つまり、共同正犯の成立要件を①共謀・②共謀に基づく実行行為と整理する場合、共謀の射程とは、当初の共謀とは異なる実行行為がなされた場合でも、②共謀に基づく実行行為といえるかどうかを検討する議論です。
共謀の射程については、『基本刑法Ⅰ』をお持ちであれば、同書の382~384頁をご確認いただけると理解が深まります。
3.意思に反した立ち入りは窃盗であれ横領目的であれ禁止していると考えられるため、侵入について乙の共謀ありとできないでしょうか
最後に建造物侵入罪については、共謀ありと書いても試験現場では許容されると考えます。書類を持ち出す前提として、会社に立ち入ることが想定されるからです。もっとも本問では、乙は厳密には書類を持ち出すことのみを甲にお願いしている(問題文3の4~5行目)ので、この部分を重視して建造物侵入罪を除外しています。 (さらに読む)
民訴2-3-6答案例8行目で、221条1項の要件を満たさなければ「本問申立てを却下すべきである」と書いてあります。この効果の根拠規定は221条1項から導かれたのでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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却下の根拠規定については、223条7項とするのが考えられます。
『基礎からわかる民事訴訟法』の366頁には、「文書提出命令の申立てを却下する場合も認容して発令する場合も、裁判形式は「命令」ではなく「決定」であることが注目される(223条1項前段、7項)」と説明があり、却下の根拠条文として223条7項が示されています。
そのため、223条7項の「決定」という文言に位置付けるのがおすすめといえます。 (さらに読む)
民訴法の訴訟要件穴埋め表の暗記事項で「職権調査事項」かつ「弁論主義」の範囲に属する訴訟要件は当事者が証拠収集可能とのことですが、これは裁判所側からの当事者側に対する強制力はあるのでしょうか?例えば、裁判所が上記訴訟要件を確認したいが、当事者側が証拠収集に協力的でない場合にどうなるのか気になります。
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ご質問をいただきありがとうございます。
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この場合は、当事者への強制力までは認められないだろうと考えられます。
まず『新民事訴訟法』(成文堂)の237~238頁には、「職権調査というのは当事者の申立てがなくとも、職権によって顧慮するというだけであって、顧慮してその点を取り上げた後で、それに関する資料の収集をどうするかは職権調査とは別の領域の問題である」とし、その上で職権調査事項かつ弁論主義の範囲に属する訴訟要件である「任意管轄、訴えの利益、当事者適格(対世効のないもの)に関する資料収集は弁論主義による」との説明があります。
この説明からすると、裁判所は職権調査によって上記訴訟要件を顧慮することはできるものの、実際の資料収集については弁論主義によって当事者に任されていると読めます。
そのため、資料収集自体は当事者の責任かつ権能となり、当事者が上記訴訟要件について協力的でない場合には、裁判所が強制することもなく、資料が足りなければ訴訟要件を満たさないという扱いになると考えます。 (さらに読む)
解釈論は、条文の要件に形式的にあてはまらない場合や、あてはめた結果、妥当な結論ではない場合に主に出現するものと把握しております。
それを前提に民訴2-4-1の答案例「第1 当事者」の解釈論は具体的にどの条文との関係で問題となってくるのでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
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この当事者については、訴訟要件である当事者実在との関係で問題となります。条文としては、第1編3章の「当事者」というタイトルに位置付けるのがあり得ます。
本問では、訴訟要件である当事者実在との関係で、誰を当事者とすべきかが問題となります。これは、論パタの1頁に掲載されている訴訟要件のうち、③当事者実在に係る問題と捉えます。この③に記載されている第1編第3章のタイトルである「当事者」に位置付けて解釈するのが一手です。
もっとも、答案作成という観点からは、第1編第3章という点は指摘する必要はなく、答案例のように単に「当事者」と記載すれば伝わります。 (さらに読む)
条文の文言を引用をする時の「」の有無について
答案例で条文の文言を「」で引用する場合とそうでない場合があります。(例、民法2-2-1答案例6行目~7行目)これについて、使い分けをしてる意味等ありましたら、教えていただきたいです。
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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これについては、その問題における重要度や答案の読みやすさに応じて「」で括るかどうかを使い分けるという発想があり得ます。
まず前提としては、条文の文言は基本的にすべて「」で括るのが無難です。条文の文言を引用する際にすべて「」で括ることで、条文中心の思考を常に行えるようにするとともに、採点者に対して条文を適切に使用していることをアピールするためです。
しかし、常に条文の文言をフルスケールで引用する等のくどい引用をしてしまうと、ピンポイントで検討すべき条文の文言が分かっていないと採点者に誤解されたり、あるいは単純に読みにくい答案になったりするおそれがあります。
そこで、あまり重要でなさそうな文言や、形式面で読みにくくなる場合には、敢えて「」で括らずに地の文で書いてしまうことで、重要な文言だけにフォーカスして読みやすくするという書き方はあり得ます。
とはいうものの、条文の文言については『基本的にすべて「」で括る』という書き方の方が安全です。すべて「」で括ると割り切った方が試験本番で悩む時間を減らせますし、何より条文中心の思考をする上では条文の文言を「」で括るという方法が簡易かつ適切だからです。 (さらに読む)
論パタ刑訴2-3-1答案例で、321条1項2号の検討をする際、「公判準備若しくは公判期日において」をとばして、列挙事由+証拠としての必要性から「供述できないとき」にあたると論述されてますが、とばした文言は問題文に具体的事情がないためですか?それとも、特段検討する必要のない文言という認識でいいのでしょうか?
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
(一部差し替えをいたしました)
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321条1項2号の「公判準備若しくは公判期日において」という文言は、答案作成の相場観から言えば、特段検討する必要のない文言として論述しない場合が多いです。
供述不能事由(「供述できないとき」)については、死亡・精神又は身体の障害・国外にいるといった具体的な供述不能事由を問題文から拾って当てはめられればよいからです。 (さらに読む)
刑法論パタ講義2-3-13について質問です。
甲の殺人罪を成立させる手順について、回答では一部行為全部責任を前提に行っていますが、単独の間接正犯を成立させる流れは問題あるのでしょうか。
回答手順として、Aの業務上過失致死罪⇒甲乙の障害からの傷害致死⇒甲の殺人罪の間接正犯の流れです。甲がBへの協力依頼を通じてAを道具として殺人に及んだと捉えられないかと考えています。よろしくお願いします。
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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本問特有のひねりとして、「Aについて甲乙両名が利用行為をしている」という点があります。そのため、甲の単独の間接正犯としてしまうと、このひねりの部分に答えられないという問題点が生じます。
したがって、間接正犯については上記のひねりに答えるという形で、甲乙両名の行為2・3について先に共同正犯を認めた上で、Aを甲乙両名の間接正犯の被利用者として処理するのが答案例です。
もっとも本問は非常に難しい問題ですので、実践的には甲の単独で間接正犯を認めても合格ラインに乗ると考えられます。
そのため、甲が乙への協力依頼を通じてAを一方的に支配利用しているとして、甲・A間で単独の間接正犯→甲乙間で重なり合う傷害致死罪の限度で共同正犯とするのが、実践的にはあり得ます。
ちなみに、挙げていただいた甲乙の障害からの傷害致死⇒甲の殺人罪の間接正犯は、順番が逆の方がおそらく無難です。より重い行為から検討するのがセオリーなので、黒幕である甲の単独の間接正犯→協力した乙との関係で甲乙に傷害致死罪の共同正犯の方が流れがよいと考えます。 (さらに読む)
論パタ刑訴2-1-7で、職務質問からの所持品検査を違法としてその後の捜査機関の行為を違法性の承継を使って処理するだけだと合格ラインにのることは厳しいのでしょうか?講義内で、所持品検査を米子銀行の判例を使って適法方向に論述することはギリギリではあると仰っていったので試験対策としてはどちらの筋で論述すべきか教えていただきたいです。
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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挙げていただいた処理内容ですと、逮捕に伴う無令状の捜索差押えに言及できていないので、合格ラインを下回るリスクが高いです。
本問は、問題文8行目に「現行犯逮捕」という言葉があるので逮捕がなされようとしており、10行目以降では、逮捕の際に注射器等の捜索差押えをしているという事情がありますので、逮捕に伴う無令状の捜索差押えが問われていることが明らかです。
そのため、逮捕に伴う無令状の捜索差押えを論じていないと、問題文8行目以降の事情が適切に処理できていないとして、点数が伸びない可能性が高いです。
試験対策としては、問題文前半の所持品検査については、これを違法としてしまうと違法性の承継という解釈論が問題となり、後半の逮捕に伴う捜索差押えの処理がややこしくなると考えます。
そこで、前半の所持品検査についてはしれっと適法にして、後半の逮捕に伴う無令状の捜索差押えを別途検討するのが解答筋としては最も無難です。 (さらに読む)
論パタ刑訴法の捜査パターンで強制処分のあてはめで、制約されている権利が「重要」かどうかを憲法の条文(33条や35条)を使って説明していますが、これらの条文以外から「重要」かどうかを基礎付ける説明は可能なのでしょうか?または、上記条文から説明できない権利は一律「重要」ではないという理解なのでしょうか?
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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これについては、GPS大法廷判決との兼ね合いから「本件(GPS大法廷判決)で問題とされた被侵害利益が…憲法35条の保障するものであったことから、被侵害法益が重要なものであるということを簡明に説明できるため、このような表現を取ったものであって、強制処分として認められるためには非侵害法益がすべからく憲法の保障するものでなくてはならないことを意味するものではないと解される」という旨の調査官解説があります(『事例演習刑事訴訟法』20頁)。
そのため、上記解説から「非侵害法益がすべからく憲法の保障するものでなくてはならないということまでは意味しない」といえるところ、被侵害法益がそもそも憲法の保障するものであること自体が必須ではないと考えられるので、33条・35条以外の条文から「重要」かどうかを基礎付ける説明はあり得ると考えられます。
すなわち、被侵害法益の重要性について憲法による保障が常に必須ではないと考えられるので、33条・35条による保障だけが常に必須ということにならず、33条・35条以外の他の条文からも「重要」性を基礎づける余地はあると思料します。
また、上記解説の「被侵害利益が…憲法35条の保障するものであったことから、被侵害法益が重要なものであるということを簡明に説明できるため、このような表現を取った」という点から、33条・35条から説明できない権利は一律「重要」ではないということにはならないと考えます。
これは、本件で35条による説明が簡明だったために同条が引用されたという意味合いであり、33条・35条から説明できない権利だとしても「重要」性を否定することには直結しないと思料します。
したがって、他の条文から説明できる権利であっても「重要」性を基礎づける余地はあると考えられます。 (さらに読む)
4S条解テキスト刑訴法83頁イ(イ)捜索場所の居住者の携帯物への捜索差押え→可とありますが、捜索場所の居住者の『身体』の捜索の場合は可能なのでしょうか?
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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「場所」に対する捜索差押令状では、その「場所」にいる居住者や第三者の「身体」(例えば着衣のポケットなど。前提として、その人の着衣は「身体」に含まれます)を捜索することは、原則としてできません。
人の「身体」という生身の肉体は、「場所」という空間的範囲と一体化する(「身体」についての権利利益が「場所」についての権利利益と一体化する)と見ることはできないからです。
しかし例外的に、差押対象物を捜索場所にいる者が着衣のポケットに隠匿したと疑われる場合であれば、「必要な処分」(222条1項・111条1項)として、その居住者などの着衣のポケットを捜索することができます(以上につき『リーガルクエスト刑事訴訟法』132頁)。
(さらに読む)