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未回答の質問
王道基礎講座短文事例問題集民法40賃貸借2の質問です。
問題文では、譲受人であるZが賃借人Yに対して賃貸人である地位を対抗できるかとなっています。
本問では、605条の3と同条が準用する605条の2第3項が適用されるのではないでしょうか。
つまり、Zは甲建物の登記を備えなければYに対抗することができない、との結論になると思います。この理解でよろしいでしょうか、回答よろしくお願いいたします。
#吉野勲
民法2−3−5問1前段に関連して質問です。
A=B→E、A=B→F→Dという二重譲渡(類似?)の関係が生じていますが、このような場合、EはFとDのそれぞれにつき、177条の「第三者」にあたるのかを検討していいのでしょうか?
Fが登記を備えた時点でBは確定的に所有者でなくなるのだから、DはFから完全な所有権を取得することになり、もはやBはFが「第三者」にあたるかを検討する意味がなくなるのでは?
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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本問では、一見すると背信的悪意者でないFが登記を先制しているので、Fが確定的に所有権取得→それをDが承継とも思えるのですが、ここは「背信的悪意者Dが「第三者」Fを藁人形として利用している」という特殊性があります。
まず、「第三者」に当たる者を介在させた背信的悪意者には、なお登記がなくても対抗できるとする有力な見解があります(『新ハイブリッド民法2 物権・担保物権法〔第2版〕』53頁)。すなわち、このような場合に「第三者」が確定的に権利取得して背信的悪意者が承継できるとすると、背信的悪意者は「第三者」を介在させれば権利取得できるとなり、背信的悪意者排除論を潜脱することができてしまいます。
そこで、本問のように、背信的悪意者Dが「第三者」Fを介在させた場合には、Dが「第三者」Fを藁人形のように利用していると捉え、「第三者」を藁人形として利用した背信的悪意者は「第三者」に当たらないから、なお登記なくして対抗できるとするのが有力な見解に基づく処理となります。
この有力な見解(「第三者」を藁人形にした背信的悪意者は「第三者」ではないので、登記なくして対抗可能)に依拠して処理していますので、F・Dそれぞれについて「第三者」該当性を検討します。 (さらに読む)
予備合格者です。
街弁志望の人は司法試験合格後修習までの間に就活するパターンが多いですか?
予備合格者が合格発表直後から動いて就活しております。私も一応説明会参加など就活生っぽいことをしていますが、街弁系の説明会は少ない気もします。
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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街弁であったとしても、今は売り手市場なので採用活動を始めている事務所も増えてきているように思います。
ただ、企業法務系や新興系事務所に比べると、昔ながらの採用スケジュール(合格者から採用者を選ぶ)という事務所が多いため、そもそも説明会を開いていない(説明会よりも出会うタイミングやご縁を重視する)事務所がほとんどだと思います。もし街弁志望なのであれば、企業法務系事務所以外のスプリングクラークや、学部やLS時代、予備校利用時にお世話になった先生方へご挨拶やご相談へ伺うなどされてみても良いかもしれません。 (さらに読む)
王道基礎講座短文事例民法問題9
XがYに50万円を貸し付けた際の返済期日について、問題文では、「YがP大学を卒業してから2年後までに返還することが約束」されている。
また、Yは令和6年3月31日にP大学を卒業している。
ここで、消滅時効の起算点は返還請求のできる令和6年4月1日ではないでしょうか。解答、動画解説共に令和8年3月31日としています。
#吉野勲
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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ご質問に関して、解答例にある「3月31日を経過している」は文字通り、「その日付を経過している」と言う意味です。つまり「4月1日以降であること」が大前提になります。
消滅時効の起算点は、日付で確定できる場合は、その「日付の経過後」になるので、要件事実的には「○日を経過している」と言う記載の仕方になります。解答例はそういう趣旨で書かれています。
「31日を過ぎてから5年が経過しているので」等と言うべきところでしたが、誤解を招く言い方になっていましたら混乱を招いてしまい大変申し訳ございません。 (さらに読む)
商法(会社法)レジュメ第3 機関
第3-1 P.1について、
取締役会設置会社においては取締役を3人以上置くことが必要的ですが、
根拠規定が331条4項となっています。
正しくは331条5項ではないでしょうか。
誤植の可能性があると思い、投稿いたします。
参考リンク
ご連絡をいただきありがとうございます。
講師に確認をいたしましたところ、
ご指摘のとおり331条5項であるとのことでございます。
お詫びして、訂正いたします。
この度は、ご指摘をいただき感謝申し上げます。
引き続き、よろしくお願い申し上げます。 (さらに読む)
質問というかアウトプットなんですけど、訴訟物、請求原因、抗弁、再抗弁の流れでやるんですよね、基本的なことで申し訳ないですけど。
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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民事系科目(特に民法・民訴)のアウトプットは、仰るように要件事実を意識すると問題検討や事案整理がラクになります。
良い着眼点ですので、今の感覚を忘れずに学習を進めてください。 (さらに読む)
民法2−2−1の設問2(2)について質問です。
答案ではB=C(債務者)、D(受益者)と構成されていますが、B(債務者)、C(受益者)、D(転得者)と考えたうえ、424条の5を使って、答案と同様の結論を導く考え方はできませんか?
宜しくお願い致します。
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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設問2⑵で、詐害行為取消権の対象とできるのは、あくまで債務者・受益者間の行為です。
本問では、債務者B・受益者Cであることから、取消し対象とできるのは、あくまでBC間の行為であり、CD間を対象とすることはできません。そこで、債務者をCと見立てて、424条の詐害行為取消権を行使しています。
424条の5は、債務者・受益者間の行為を対象として無効にし、転得者へは債務者・受益者間の行為が無効であるがゆえに返還を求めるという条文です。
つまり、本問で424条の5を使うのであれば、債務者B・受益者CをターゲットにしてBC間の行為を詐害行為で取消し、転得者Dに対しては、BC間が無効なので甲土地を返せという構成になります。
しかし本問では、BC間ではなく、CD間を詐害行為取消しのターゲットにせよとの問題文の指示があるので、424条の5は使えません。同条が使えるのは、債務者B・受益者CをターゲットにしてBC間の行為を取消し、転得者Dに対して、BC間が無効だからDも権利取得が無いので返還せよという場面です。つまり、債務者でないCD間を直接のターゲットにはできず、同条は使えそうで使えないという流れになります。 (さらに読む)
民法2-4-11問2。民法の答案は基本的に原告の請求→被告の抗弁で論述する場合が多いかと思いますが、本問のように問が抗弁に当たる場合には論述も上記の基本にはのらず抗弁から書き始めても問題ないと考えてよろしいでしょうか。また本問のような問でなくても絶対に請求権→抗弁の形で書かなくてもいいのでしょうか。
参考リンク
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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本問のような問であれば、Bの解除の抗弁から書き始めても問題はありません。
問題文の書きぶりから、Cの代金請求権の行使が前提とされているからです。
また、Cが債権譲渡を受けて代金請求権を取得したという請求権の部分は問1で処理済みなので、この部分を問2で繰り返さなくてもよいとも読み取れます。
もっとも、問題文によっては請求権の内容から書いた方が望ましい場合もあり得ます。例えば、前提となる請求権に関する事情が多い場合であれば、書いた方が無難です。
このように、何をどのように・どれくらい書くかはあくまで問題文の書きぶりから相対的に決まってくるので、日頃の学習から問題文としっかり対話することが重要となってきます。
そして、民法は思考過程を示すことが重要なので、本問のような問でない場合は、請求権(メインの検討事項でなければ簡潔に書く)→抗弁の順番で書く方が基本的には安全です。
つまり、絶対に請求権→抗弁の形で書かなければならないというものではなく、問題文の書きぶりから相対的に決まります。
論文式試験は臨機応変さも問われますので、固定的な何かを決め打ちせずに、問題文と対話して何をどのように・どれくらいの分量で書くべきかをその都度判断することが必要ですが、日頃の学習から問題文をしっかり検討していけば大丈夫です。 (さらに読む)
検討段階とそれを実際に答案で論述する/しないの判断基準などがあれば教えて頂きたいです。例えば民法2-4-11の問2の答案例でCの466条~467条までの一連の検討を論述せずにBの解除の論述から始まっているのは、Cが466~467について問題なく満たすため省力しているという認識で正しいでしょうか。
参考リンク
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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その認識で大丈夫です。
本問では466~467条の債権譲渡については、問1で466条の処理をしていることから、この処理を前提として問2では解除から検討します。すなわち、債権譲渡自体は問1で処理しているという発想です。
論述する/しないの判断基準としては、問題文の事実の量・設問ごとの相関関係から現場で柔軟に判断します。
本問であれば、問1の部分で債権譲渡を前提として軽く触れ、問2では問1を前提としているので債権譲渡の大展開は不要だと考えることができます。また、債権譲渡に関する事実は事案1の②くらいしか書かれていないので、事実の分量が少ないことからそれほど問題にならないと考え、簡潔に書くにとどめるとなります。 (さらに読む)
未回答の質問
表現の自由の保障対象外と判定する方法は具体的にはどう為されるのでしょうか。岐阜県青少年事件では表現の自由の内在的制約(調査官解説308頁)該当性としていますが、内在的制約に当たるとするならそれは如何なる場合なのでしょうか。犯罪扇動でもその害悪性の程度を考慮していますが、こういった害悪(低価値)表現の21条1項保障性を否定する基準なるものが分からないので御教授頂けますと幸いです
参考リンク
民法の短答対策が論文にもなるというのは具体的にどのような意味でしょうか。例えば論パタの物権的請求パターンにおける所有権に基づく土地の返還請求権で原告所有を基礎づける論パタで扱っていない所有権取得原因をおさえることで解法パターンを増やし結果論文に活きてくるというような意味でしょうか。
参考リンク
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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挙げていただいたように、知識や解法パターンを増やすという意味ももちろんありますが、より本質的な意味としては「条文単位の思考過程を身につける」という点にあります。
民法の論文では、論点単位の発想では解きにくい問題が出やすいです。このタイプの問題については、条文に定位して地道に考えていくことが求められるところ、短答対策を通じて条文知識を増やしたり、あるいは選択肢を条文単位で考えたりすることで、この「条文単位の思考過程」が身につきやすくなります。もちろん、その過程で知識や解法パターンも増やすことができます。
したがって、知識や解法パターンを増やすという点に加え、常に条文に定位して考える姿勢を身につけるという意味で、短答対策が論文にもなると言われたりします。 (さらに読む)
民法の基本書、『民法の基礎』佐久間毅 のソクラテスメソッドの講座は、ありますか?
無い様でしたら、是非お願いします。m(._.)m
ご質問をいただきありがとうございます。
大変申し訳ございませんが、
現在 当該講座の提供は行なっておりません。
いただきましたお声は担当部署とも共有し、
今後の参考とさせていただきます。
この度は、貴重なご意見をいただき感謝申し上げます。
引き続き、よろしくお願い申し上げます。 (さらに読む)
刑法2−3−13に関連して質問です。
「被利用者に規範的障害がなかったといえるか」という間接正犯の要素について、この規範的障害は構成要件ごと与えられていると考えなくて良いのですか?
乙には「傷害罪」の限度で規範的障害があるから、甲に殺人罪の間接正犯は成立しないとされていますが、乙には「殺人罪」の規範的障害がないので、甲に殺人罪の間接正犯が成立すると考えられないのでしょうか。
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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本問のように、軽い犯罪の故意しかない者を利用した場合には、重い犯罪について間接正犯を認めることは可能です(『基本刑法Ⅰ』313~314頁)。この場合には、重い罪について一方的に支配・利用されているので、重い罪との関係では間接正犯といえるからです。したがって、構成要件ごとに規範的障害を見るという理解になると考えられます。
そのため、本問においても、殺人については認識のない乙を道具として、殺人罪の間接正犯と見る余地ももちろん可能です。このことは、答案作成上のアドバイス②にも書いてありますので、殺人罪の間接正犯として処理するルートもあり得ます。
しかし、本問の特殊性として、乙は積極的にあれこれ動いています。この乙の果たした役割の重要性を考慮するならば、殺人罪について一方的に支配・利用されたというよりも、殺人罪と重なり合う傷害致死罪の限度で甲とは積極的な相互利用補充関係にあるといえるので、重なり合う限度での共同正犯と見る方がおそらく完全解だろうといえます。
したがって、本問では乙が積極的に動いているという特殊性を踏まえ、一方的に支配・利用されて殺人罪の間接正犯になるというよりも、殺人罪と重なり合う傷害致死罪の限度では相互利用補充関係あるので共同正犯だろうと見立てて処理しています。 (さらに読む)
未回答の質問
経済法速習講義第2版のp58(2)の2文目で、「指名業者を意のままに操る」という部分がピンときません。非指名業者がどういう意味で指名業者を意のままに操っているといえるのでしょうか?個別調整の前提として基本合意の存在が不可欠なものとなっていることから、何となくは理解できる気もするのですが、言語化ができません。回答よろしくお願いします。
4S基礎講座論パタ民法
2-5-1設問2のZのYに対する返還請求と、2-3-2のCのBに対する同請求について。前者はZの所有権取得原因であるXZ売買につき177条を反論として処理し、後者はCの所有権取得原因であるAC売買につきBの取得時効を反論としその再反論で177条を処理しています。
共に相手方が所有権を原始取得する場合で、請求側が背悪であるのに処理が異なる理由がわからず、教えて頂きたいです。
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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両者は背信的悪意者は保護されないという点では同じでおり、その説明方法として、①177条の「第三者」の解釈論と背信的悪意者排除論という物権法からの説明(2-3-2)と、②背信的悪意者からの請求は権利濫用とする法定債権&民法総則からの説明(2-5-1)という違いになります。
まず、①の2-3-2は明らかに物権法だけの問題ですので、物権法からのアプローチをしています。ここでは、二重譲渡類似の関係となるので177条の問題と捉え、同条の「第三者」の定義を起点にして背信的悪意者排除論を使います。ここでは、物権法のアプローチで解いています。
次に、②2-5-1では、不法原因給付という事情がありますので、不当利得という法定債権を設問1で使っています。そして、設問2では不当利得という法定債権&所有権に基づく物権請求を考えています。すると、ここでは所有権に基づく物権請求に加え、法定債権としての不当利得返還請求権も合わせて想起されています。
そこで、物権請求&不当利得請求を共に封じるロジックとして、総則の規定である権利濫用を使っています。すなわち、背信的悪意者排除論はあくまで物権法の規定ですので、不当利得という法定債権にも直ちに妥当するわけではありません。
そのため、不当利得請求も合わせて封じるために、物権法・債権法両方に及ぶ総則の規定である権利濫用を使ったという違いが生じます。 (さらに読む)
相互利用補充関係と因果的共犯論の違いがわかりません。特に承継的共同正犯を相互利用補充関係で書いた方が安定すると仰っていたのですがそれとの関係でどのような違いがあるのかを教えて下さい。
参考リンク
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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両者は、共犯が一部実行全部責任で処罰される根拠に関する説です。
相互利用補充関係説は、行為者どうしで犯罪の一体的実現をするにあたり、各関与者が他の関与者と協力して自分たちの犯罪を遂行しようという意識の連絡のもと、実際にも重大な寄与をして構成要件を実現するという相互利用補充関係を処罰根拠とします。
他方で、因果的共犯論は、共犯者が間接的に法益侵害またはその危険を惹起した点を処罰根拠とします。
平たく言えば、共犯者間で互いに利用し合う関係性を重視するのが相互利用補充関係説、法益侵害やその危険という結果面を重視するのが因果的共犯論と考えられます。
さて、因果的共犯論の場合は、承継的共同正犯の否定説につながります。
この理由として、後行行為の因果性は遡及しないため、先行行為により構成要件該当事実の一部が惹起されたのであれば、後行行為が構成要件該当事実全体に因果性を及ぼすことはできないといえるからです。
この場合に因果的共犯論の立場から共同正犯を認めるためには、処罰の必要性という政策的理由から因果性を拡張し、承継的共同正犯の場面においては、後行行為の結果に対する因果性があれば足りると解釈するのがあり得ます。
一方で相互利用補充関係説であれば、互いに利用し合う関係があればよいので、先行行為を後行者が積極的に利用し合う関係が見いだせれば承継的共同正犯の限定肯定説につながります。
このように、承継的共同正犯の肯否に当たって、①因果性が遡及しない点を理由に否定説につながるのが因果的共犯論(この場合に承継的共同正犯を認めるためには、因果性を拡張して結果への因果性あればよいと論証する必要あり)、②相互利用補充関係が見いだせればよいので限定肯定説につなげられる相互利用補充関係説という違いが見出せます。 (さらに読む)
刑法2-3-11甲の罪責
致傷結果が丙の加功後に生じたものと断定できる場合、問題文一段落目の甲のいきなり手拳でAを殴打した行為には何罪が成立するのでしょうか。この場合でも、①一連の行為としてまとめて検討して240条を成立させるのか、②二段落目の行為は介在事情として因果関係の議論に流すのか等が思いついたのですがどれが正解なのでしょうか。
参考リンク
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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この場合は、①になると考えられます。
ここでは、殴打して財物を奪取しているものの致傷結果は生じていないので、まずは強盗罪となります(答案例12~15行目)。そのうえで、最終的に後半の行為が強盗致傷罪まで行くので、この強盗致傷罪に吸収されて強盗致傷罪一罪になると考えます。
殴打行為は強盗罪で完結しているので、因果関係の介在事情とするのはあまり一般的ではないと考えます。因果関係が問題となるのは、実行行為と結果との間に介在事情がある場合ですが、殴打行為は強盗罪として結果まで一旦は完結しているので、介在事情とは言いにくいです。 (さらに読む)
刑法2-3-9答案例67~69の記述が理解できません。
特に、事後強盗罪の本質は財産犯→窃盗という身分によって構成すべき犯罪になる流れが分かりません。どのような問題意識があるのでしょうか。
参考リンク
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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67~69行目は、事後強盗罪を「窃盗」という身分が必要な身分犯と考えた場合(身分犯説)、身分のない人が身分犯に加功した場合には、身分のないその人にも身分犯が成立するという65条1項の処理をしています。
まず、65条1項は、身分のない人が身分犯に加功した場合には、身分犯が成立するとしています。これを本問に当てはめると、窃盗の身分ない乙が、窃盗の身分ある甲に加功した場合には、甲と同じ身分犯である事後強盗罪になるという処理になります。
さて、事後強盗罪の本質は財産犯→窃盗という身分によって構成すべき犯罪になる流れは、事後強盗罪と共犯の処理について身分犯説・結合犯説の対立があるところ、身分犯説を採り65条1項でシンプルに処理するという点を述べています。
まず身分犯説は、事後強盗罪を真正身分犯と考えます(真正身分犯と考えない見解もありますが、試験対策では真正身分犯と考える説を採る方が処理が楽です)。この説は、事後強盗罪が「窃盗」でなければできない犯罪と捉え、真正身分犯だと捉えます。すると、窃盗でない者が事後強盗罪に加功した場合は、真正身分犯への加功として処理されます。この場合は、65条1項の述べる「身分のない人が身分犯に加功した場合は、身分犯と同じ刑で処理するよ」に当たるので、身分のない人も事後強盗罪で処断されます。
この身分犯説の良いところは、65条1項でシンプルに処断できる点です。つまり、事後強盗罪を「窃盗」のみができる真正身分犯と捉えるならば、それに加功した身分のない人は65条1項の場面に当たるので、同条項でそのままシンプルに事後強盗罪成立とできます。
この身分犯説に対し、結合犯説という考えもあります。
これは、事後強盗罪を窃盗+暴行の2つの行為に分けることを重視します。すると、窃盗でない者が事後強盗罪に加功した場合には、暴行の部分に加功したと考え、前半の窃盗については承継的共同正犯として処理します。
つまり、結合犯説は、窃盗→暴行という2つの行為に区切って事後強盗罪を理解するので、窃盗でない者が後から加功した場合には、後半の暴行に加功したと捉え、前半の窃盗については後から加功したとして承継的共同正犯のロジックで処理します。
しかし、受験対策として考えるのであれば、承継的共同正犯という難しい解釈をする結合犯説よりも、真正身分犯からの65条1項で処理できる身分犯説の方が書きやすいとなります。
このように、事後強盗罪の性質に絡んで、①「窃盗」という身分(主体)に着目して真正身分犯として処理するのか、②窃盗→暴行という2つの行為が続いている点にならって結合犯として処理するのかという問題意識があります。
そしてここでは、事後強盗罪の本質は財産犯である→財産犯とは平たく言えば物盗りである→物盗りとは「窃盗」のことであるので事後強盗罪も「窃盗」という点に着目する→事後強盗罪とは「窃盗」という身分がある故に行える犯罪であるとイメージで、身分犯説を採用しています。 (さらに読む)
刑法2-2-5横領罪の検討
講義内で「横領」のあてはめで、委託の内容を特定してそれに背いているか検討し、本問でも委託の趣旨に背いているので横領を満たすと説明されていました。ここで質問ですが、横領の定義①委託の趣旨に背いて➁その物につき・・・・処分する意思は、①を満たせば➁も通常満たすという関係なのでしょうか?
講義内でも、①を主に検討している感じがしたのですが、これは本問特有の話でしょうか。
参考リンク
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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この場合は事案によりけりですが、①②は一応分けて検討した方がより緻密な分析になると考えます。①を満たせば通常②も満たす場合がほとんどと思われますが、念のため決め打ちせずに検討した方が無難です。
本問では、委託をしてきたのがウイスキーの所有者(本犯被害者)ではなく、その盗品のウイスキーを持ってきただけの乙です。
つまり、ウイスキーの所有者本人から委託を受けたのではなく、所有者ではない乙から委託を受けているので、本権の裏付けのない委託であっても「委託を受けて」といえるかという特殊性があります。そこで本問では、①が重点的に説明されており、ウイスキーを勝手に全部処分した点は争いなく②に当たるといえるので、さらっと流しています。 (さらに読む)
行政法2-4-6設問1について質問です。
講師答案はシンプルに「安全上支障がない」とは言えないから違法としています。解答として、「裁量権の範囲を超え」ているから本件認定は違法という筋はダメなのでしょうか。流れ下記します。
・条例4Ⅱ裁量認められる。狭い(消極目的、専門技術有)
・考慮不尽、他事考慮
・違法
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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本問は、裁量権ルートで解答しても、実戦的には合格ラインに乗ると考えられる問題です。相対評価の視点でいえば、受験生のほぼ全員が、本問を文言解釈ではなく裁量権の問題だと決め打ちするだろうといえるからです。
そのため、挙げていただいたような裁量権ルートの解答過程でも、実戦的には問題ありません。
本問が「安全上支障がない」という文言解釈で処理しているのは、受験対策として、裁量権ルートの一辺倒ではなく、裁量権以前の条文の文言解釈というルートも押さえておく方が理想的だからです。
そのため、頭の使い方としては、まずは条文の文言を素直に解釈してみる(文言解釈ルート)→裁量権がありそうな建付けになっていれば裁量権ルートを想起とするのがおすすめです。 (さらに読む)