4s図以外の答案構成①は必要ないのでしょうか?
私はむしろ①のほうが、得点に結びつきやすいと思っていて、その部分を練習できていないことが不安です。
ここでいう①とは以下のようなもです。
(ナンバリングを振ったミニ答案を作る、
問われている論点の名前を書き出す、
問題文の拾いたい事実に番号を記してミニ答案に反映する)
ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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4S図以外の答案構成は、必要であれば作成・使用しても全く大丈夫です。その方が答案作成しやすいのであれば、むしろ使う方が得策と考えます
挙げていただいたように、ミニ答案を作成するやり方であっても、質問者様にとってマッチしているのであればそのやり方で大丈夫です。
答案構成のやり方は、唯一絶対のものがあるわけではなく、ご自身にマッチするやり方を採用いただければ問題ありません。4S合格者の私も、4S図自体は念頭に置いた上で、実際の答案構成自体は簡単な文章やメモ書きのような形で行うことの方が多かったです。
そのため、挙げていただいたミニ答案のような形がやりやすいのであれば、それを無理に変える必要はまったくございません。 (さらに読む)
[予備試験・司法試験]【2年受講プラン】中村充『4S基礎講座』を受講開始した者です。講義を聞いているといきなり4S(?)を開始したり、J所(多分裁判所のこと?)など、すでにある程度講義を聞いた者が対象者のように見えます。
質問は、
この講座の前に受けておく講義がなにかありますか?
です
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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4S基礎講座の前に受けておくべき講義は特にありません。そのため、いきなりこの講座を受けていただいて大丈夫です。
法律は全体がつながっている構造になっている面もありますので、はじめのうちは、4S基礎講座に限らず戸惑うこともあるかと思います。しかし、講義を受講していくうちに徐々に慣れていきますので、心配は不要です。
一応、講義前の準備体操ということであれば、伊藤塾の伊藤真塾長の『伊藤真ファーストトラックシリーズ』という市販の入門書がございます。そのため、このシリーズを読んでみると講義にスムーズに入れると考えられます。 (さらに読む)
刑法2-3-9
事後強盗罪の対等型共同正犯で正犯意思のあてはめで、甲の窃盗と乙の暴行(4s図)とありますが、甲に暴行の意思、また乙に窃盗の意思は考えなくていいのでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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ここは答案例63~64行目にありますように、最終的に甲乙に事後強盗自体の正犯意思を認定するという処理になります。
本問では、甲が通帳を摂取した後に乙が加勢して暴行を加えていますが、問題文の下から7行目に「総ての事情を了解し」とあるので、甲乙は最終的に現場共謀で事後強盗自体を行うことについてまで共謀ありと読めます。
そのため、最終的には甲乙に対して、事後強盗自体の正犯意思と共同実行の事実、故意を認定する処理になり、これを記述したのが答案例の63~65行目になります。 (さらに読む)
刑法2-3-12
乙の共犯からの離脱→中止犯の検討について。本問で丙丁に強盗既遂罪が成立しているので、乙に共犯からの離脱を認めたとしても、中止犯の前提となる43条本文の「犯罪の実行に着手しこれを遂げなかった者」に乙が当たるのでしょうか。
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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この場合には、未遂犯の更に前段階の予備罪にとどまると考えられるので、中止犯にもならないとの処理になると思われます。
共犯からの離脱が認められた場合には、離脱後の行為について責任を負わなくなります。
本問では、仮に乙に離脱が認められれば、強盗の実行行為着手前に離脱する形になるので、実行行為についても責任を負わず、予備罪の限度で責任を負います。そして、予備罪には未遂犯を観念する余地がないため、この場合は予備罪のみで処断され、予備罪について中止犯とはなりません(最大判昭和29年1月20日)。
挙げていただいたように、乙に中止犯が成立する場合とは、乙が実行行為を行ったが未遂に終わった場合ですので、実行行為着手後で結果発生前の離脱であれば、中止犯を検討する余地が出てきます。
しかし、本問のように実行行為着手前に離脱する場合は、実行行為の責任すら負わないため中止犯とはならず、あとは陰謀・予備罪を検討します。この陰謀・予備罪については中止犯は成立しないとするのが一般的です。 (さらに読む)
刑法の傷害罪で、問題文中に傷害罪の故意を否定するような特段の事情が書いてない場合、基本的に故意は認めてしまっても大丈夫でしょうか。
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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刑法の傷害罪で、問題文中に傷害罪の故意を否定するような特段の事情が書いていない場合には、その行為者の行為態様から故意が認められる旨を簡潔に記述すれば足ります。
例えば、「甲の行為態様から、傷害の「罪を犯す意思」(38条1項本文)も問題なく認められる」という形で、基本的に故意が認められる旨を簡潔に記述するのが一手です。 (さらに読む)
民法2-4-9
危険負担536条→567条に至る経緯が理解できませんでした。536条だと何がまずいのでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
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本問で、536条ではなく567条2項・1項後段になる理由は、松茸の引渡債務の履行を提供したといえる点にあります。
本問では、21日の午後8時には松茸を乙倉庫で引き渡せるように準備完了しているので、「債務の履行を提供した」といえる段階になっています。
すると、567条2項は「債務の履行を提供した」場合の条文ですので、松茸を乙倉庫で引き渡せるように準備完了したという一連の事実が567条2項の適用場面に当てはまるとして、567条2項からの同条1項後段を使うという流れになります。
536条は債務の引渡し前・履行の提供前の条文なので、本問の松茸のように「債務の履行を提供した」といえる段階であれば、567条を使うこととなります。 (さらに読む)
刑法2-2-7
運転免許書に紙面を貼り付けた行為の、名義人(155条)のあてはめについて。本問で、甲が紙面を運転免許書に貼り付けていますが、仮にこれが高度な技術により直接同書を肉眼で見ても、紙面を貼り付けられたものとは通常、認識できない場合、名義人は、都道府県公安委員会になるのでしょうか。
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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挙げていただいた仮の事例であれば、名義人が都道府県公安委員会となる筋もあり得ますので、「偽造」に当たると考えられます。
本問で、運転免許証に紙片を張り付けた行為自体が「偽造」に当たらない理由は、紙片を張り付けるという安直な動作では、その運転免許証を見た通常人は誤信しないので、紙片を張り付けたのも運転免許所の持ち主である甲だと分かる(甲が名義人となる)という点にあります。
そのうえで、スキャナーで読み取らせると紙片が張り付けられたとは見えなくなることから、このスキャナー読み取りまで含めれば、名義人が都道府県公安委員会になるという流れです。
そのため、仮に高度な技術で氏名欄を本物と同じレベルで改ざんできるのであれば、その運転免許証を見た人が名義人を都道府県公安委員会だと認識するので、「偽造」に当たるという筋もあり得ます。
すなわち、高度な技術によって運転免許証の氏名欄を本物そっくりに「甲」と改ざんできたのであれば、通常人はその免許証を見た際に「都道府県公安委員会が甲という人に免許を許した」と認識するため、名義人は都道府県公安委員会・実際に作成したのは甲となり、「偽造」になると考えられます。 (さらに読む)
刑法2-2-4
講義内で、フラッシュメモリにコピーした行為に235条の「財物」性を否定して、データ売却行為では、同条の「財物」性を肯定した理屈が、よくわからなかったので、詳しく解説お願いいたします。
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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これについては、何について財物性を検討しているかを識別できれば大丈夫です。
まずデータをフラッシュメモリーに移した行為1については、移された「データ自体」について財物性を検討しています。
すると、財物とは有体物(固体・気体・液体)をいうところ、データ自体は電子の情報であるため固体・気体・液体のいずれにも当たらず、財物性は否定されます。
次に、データを移したフラッシュメモリーを売却した行為2については、売却された「フラッシュメモリー自体」の財物性を検討します。
すると、フラッシュメモリー自体は電子機器という固体なので財物性が肯定されます。
このように、行為1では「データ自体」、行為2ではデータを移された「フラッシュメモリー」がそれぞれ被害品といえるので、データ自体かフラッシュメモリーかという点で財物性の肯否が異なるという流れになります。 (さらに読む)
行政法2-4-4答案例51行目の反論は、どの要件に対する反論なのでしょうか?①指導に従う意思がない旨を表示した、②真摯かつ明確のどちらかでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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こちらについては、強いて言えば①への反論と考えられます。
51行目にある「金銭補償で付近住民との紛争を解決」という事実は、行政指導に従ったゆえの行為なので、①に関連して、行政指導に従う意思の表れと捉えることができるからです。 (さらに読む)
【行政法論パタ】第31回 2-4-1。手続上の違法を検討するにあたり、行手法12条に該当する処分基準なるものがないと講義でおっしゃられていましたが、参照条文の地方公務員法27条は、行手法12条にいう処分基準には該当しないのでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
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処分基準とは行政規則の一種であり、この行政規則は行政機関内部のルールであって、外部的には効力を有しないものです。
すると、地方公務員法27条の規定は法律による規定であるところ、法律は国民に対し外部的効力を有するものであるため、行政規則・処分基準には当たりません。 (さらに読む)
【行政法論パタ】第33回 2-4-1の講義内終盤の復習で、先生が、手続き的違法で、適用除外されたら個別法を検討する手順は皆気づかないからオプションとありました。これはその後の処理として通常通り適用除外されないとして行手法から違法事由を調達すればいいのか、行手法違反には触れず実体的違法を検討すればよいのかどちらの趣旨でしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
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この場合は、①個別法の手続的違法事由、②個別法の実体的違法事由の2つを検討するのがおすすめです。
まず、行手法が適用除外となる場合に、行手法を適用除外されないとして検討すると論理矛盾のリスクがあります。そこで個別法の条文から手続規定を見つけて、その個別法の手続規定に照らして手続的違法事由がないかを検討します。この場合には、行手法で習った理由付記などを想起するのが一手です。そのうえで、個別法に則して、さらに実体的違法事由が無いかを検討します。
以上より、本問のような問題の処理の流れとしては、①行手法の適用除外である点を認定し、②個別法を読み解きながら実体的違法事由・手続的違法事由の2つを考えるとなります。 (さらに読む)
『刑法の法的因果関係の書き方』あてはめで行為の危険性を設定する際は、自分がもっていきたい結論(通常は因果関係を肯定する方向)に沿うように危険の内容を書けばいいのでしょうか?そして、その危険の内容は、問題文に書いてある事情(現実化した危険・結果)を使って逆算的に書くということでもいいのでしょうか?また、試験の相場として法的因果関係を検討させる場合、条件関係が否定されることはあまりないのでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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おおむねその理解で大丈夫です。
あてはめにおいては、自分が採りたい結論を自然かつ合理的に導けるように、事実の摘示・評価を常識的に行えれば大丈夫です。
危険の内容については、問題文の事情から逆算などして常識的な説明ができれば良いです。また試験の相場として法的因果関係を検討させる場合、条件関係が否定されることはあまりないと考えられます。
条件関係が否定されるとそもそも危険の現実化の話に行かないので、法的因果関係として危険の現実化の検討を出題意図とする場合は、その前提となる条件関係は認められるような事実関係になると考えられます。
因果関係に限らずあてはめにおいては、結論とそれに至る事実の摘示と評価に常識外れがないかを気をつけると説得的に書けます。 (さらに読む)
4S論文解法パターンテキスト民法2-2-7、2-4-9問2について。民法415条1項但書にそって履行補助者を論ずる際に報償責任の法理を用いるのは控えた方がいいでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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履行補助者の場合でも、報償責任の法理を指摘することは可能と考えます。
野澤正充先生の『債権総論 セカンドステージ債権法Ⅱ〔第4版〕』60頁によれば、履行補助者について「今日の判例(大判昭和4・3・30民集8巻363頁)及び学説では、債務者の責任が認められることに争いはない。というのも、今日の経済社会においては、企業が取引の主体の中心であり、債務者(企業)は、履行補助者を用いることによってその活動領域を広げて利益を得るものであるため、履行補助者の行為についても、債務者の責任を認める必要があるからである(平井・債権総論83頁)。このような理解は、被用者の不法行為について使用者が責任を負う(715条)根拠(報償責任・危険責任)と同様である。」とあります。
この記述によれば、履行補助者の行為について債務者の責任を認める根拠が被用者の不法行為について使用者が責任を負う根拠(報償責任・危険責任)と同様であると読めますので、同書の立場に依るならば報償責任の法理を履行補助者の場合でも指摘可能と考えます。 (さらに読む)
4S論文解法パターンテキスト民法 2-3-5問2について
答案ではFへのワインの引渡しがあったことを前提とする562条1項により法的構成されています。
本問ではワインの引渡し債務は取立債務にあたりますが、ワインの引渡し債務履行完了の時点は具体的にはどの時点になるのでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
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この場合は、Fの指示を受けた従業員が甲倉庫にワインを取りに行き、破損を免れた半数を持ち帰った時点で引渡しありと構成できると考えます。
問2の問題文2行目において「とりあえず残りの半数だけ持ち帰った」とあるので、この記述から残り半数のワインの引渡しがあったと捉えることができます。
ちなみに本問ではワインの約半数が地震で破損しているので、引渡し債務履行完了ではなく、一部履行不能と考えた方が安全です。
引渡債務履行完了とは、債務の本旨に従った弁済を行った場合をいいますが、本問ではワインの約半数が破損したことで追完もできず引き渡せないため、履行完了ではなく一部履行不能となります。 (さらに読む)
刑法2-3-5の答案例74行目~で、Bに対する傷害罪の共同正犯の検討において、共同実行の事実と構成要件的故意の認定をして、共同実行の意思や正犯意思を書いていないのはAに対する共同正犯で書いているから省略したという認識で正しいでしょうか?また、本問で仮に甲が積極的加害意思を有するとの事情がなく、かつ制限従属性説に立たない場合、甲の正当防衛は成立か不成立どちらで結論づけるべきでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
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挙げていただいたご認識に加え、答案を88行以内に収めるという判断でそのような記述になっています。
また、挙げていただいた仮の事情に立つ場合には私見になりますが、Aに対しては正当防衛が成立する余地もあり得ると考えます。制限従属性説に立つかどうかというよりも、積極的加害意思がなければ、甲は正当防衛の要件を満たし得るからです。Bに対しては、積極的加害意思がなければ、乙と同様に責任故意阻却→過失傷害罪になると思われます。 (さらに読む)
刑法2-3-6甲の罪責で、窃盗罪ではなく業務上横領罪を成立させるのは厳しいでしょうか?
本問で、甲が占有する他人A株式会社(後任部長)所有の書類としても、委託信任関係で切れるのでしょうか?また、乙の建造物侵入の共犯ついて、管理権者をA株式会社として、A株式会社の推定的意思に反する侵入とするのは間違いでしょうか?法人に管理権や意思が認められるのかが疑問です。
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ご質問をいただきありがとうございます。
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本問における業務上横領の成立は、やや厳しいですがあり得なくないと考えます。
まず出題趣旨には「仮に,新薬の書類に対する甲の占有が失われていないとしても,後任部長にも新薬の書類に対する管理権が存在するとすれば,新薬の書類を持ち去る甲の行為は,共同占有者の占有を侵害することとなる点に注意が必要である。」とあり、仮にという形ですが、甲の占有を認定する余地があるように書かれています。
そのため、甲の占有を認定する余地が排斥されているとまでは言いにくいので、業務上横領罪の成立はあり得なくはないと考えられます。
そして、甲が占有する他人A株式会社所有の書類としても、甲がA社の社員であることから、委託信任関係はA社との間では認められると思われます。
もっとも採点実感には「業務上横領罪とした答案は,新薬開発部部長が占有の主体であるとしつつも,甲が暗証番号を知っていることからその占有は失われないとするものが多数であったが,出題の趣旨でも述べたとおり,後任部長にも新薬の書類に対する占有があることは明らかであって,これを的確に把握できていなかったといえる。」とあります。
そのため、甲の占有があるとして業務上横領罪にしてしまうと、後任部長との共同占有という問題が出てきて処理が非常に複雑になるので、ここは甲が部署異動したこと等を踏まえて甲の占有を否定し、窃盗罪の成否を検討するのが簡潔明瞭です。
次に、乙の建造物侵入罪の共同正犯については、成立を認めても試験現場では許容されると考えます。書類を持ち出す前提として、会社に立ち入ることが想定されるからです。
本問で乙の建造物侵入罪の共同正犯に言及がないのは、乙は厳密には書類を持ち出すことのみを甲にお願いしている(問題文3の4~5行目)ことから、この部分を重視して建造物侵入罪を除外したという整理になります。
建造物侵入罪については、答案例5行目にあるように、各部長という人の看守する建造物とすれば問題ありません。 (さらに読む)
刑法2-3-8の115条について。本問で115条に試験対策的に気づくとしたら、あてはめで①正犯意思➁共同実行の意思③共同実行の事実④故意の、どの段階で気づくべきでしょうか?または、問題文で放火+保険の事情があったら、115条を使うかも、とホットラインで覚えてしまってもいいでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
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これについては、問題文で放火+保険の事情があったら115条を使うかも、とホットラインで気づけるようにした方が安全と考えます。
挙げていただいた①~④の当てはめは60条の共同正犯の成立要件ですが、これは検討罪名を正しく選択したうえで検討するものであるところ、115条は検討罪名に係る条文ですので、上記のホットラインで気づけるようにした方が処理は安定すると考えます。 (さらに読む)
刑法2-3-6住居侵入罪について
本問で、甲が新薬開発部の部屋に入った行為について住居侵入罪を検討されていますが、A社の本社ビルに入った時点では、住居侵入罪は成立しないのでしょうか?
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甲がA社の本社ビルに入った時点で建造物侵入罪(会社ビルなので住居侵入罪ではなく建造物侵入罪となります)が成立する余地も十分あると考えられます。しかし、甲は社員であり建物自体には自由には入れること・A社は各部が互いに独立した部屋で業務を行っていることから、新薬開発部の部屋に入った時点で建造物侵入罪(以下、本罪)の成立を認めるのが緻密な処理と思料します。
まず甲はA社の社員であることから、A社の建物自体は自由に入れます。そのため、本社ビルに入った時点での本罪成立は、成立時期がやや早すぎるきらいがあります。つまり、甲は本社ビルに入る権限はある以上、単に本社ビルの入り口に入った時点では、意思に反する立ち入りと確実に認定できるか若干疑義があると思われます。
他方、A社では各部が独立しており、新薬開発部も他の部から独立した部屋で業務を行っています。そのため、新薬開発部の部屋に立ち入った時点で、同部屋への新薬開発部後任部長の意思に反する立ち入りがあったと確実に認定できるので、この段階で本罪を成立させるのが確実といえます。
したがって、本社ビルに入った時点で本罪を成立させても間違いではないと思われますが、上記の事情を踏まえると、新薬開発部の部屋に入った時点での本罪成立の方が緻密な検討になると考えます。 (さらに読む)
商法論パタ2-1-6小問(2)で、新株発行の割当が例えば、EではなんくDになされた場合、828条の無効原因で取引安全を考慮する必要はない(Dは役員であり、会社内部事情を容易に知り得る)として、当然に無効原因は認めれるのでしょうか?また上記場合において、別の法律構成でBは、なにか別の主張・請求ができるのでしょうか?
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ご質問をいただきありがとうございます。
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これについては、当然に無効原因とまでは認められず有効にすべきと考えます。
まず、取締役会決議を欠く新株発行は無効原因とならないとするのが判例(最判昭和36年3月31日)の立場です。
この理由として、公開会社の募集株式の発行は会社の業務執行(一般の取引行為のような経営事項)に準ずるものとして取り扱われていることから、当該募集株式の取得者を保護し、取引の安全確保に重点を置いていると説明されます(髙橋美加先生の『会社法』(弘文堂、いわゆる紅白本)319頁)。
すると、内部事情を知る取締役Dに発行したのであれば、取引安全の要請が下がるので、無効原因といっても良さそうに思えます。
しかし、発行相手がD・Eのいずれであっても、本問は取締役会決議を欠く新株発行であり、公開会社の募集株式の発行は会社の業務執行(一般の取引行為のような経営事項)に準ずるという点は同じです。
また本問のA社は公開会社であるところ(問題文冒頭に(ただし、定款に株式の譲渡制限の定めはない)とあるため)、Dの下に新株がとどまらない可能性があることはEの場合とおそらく変わりません(答案例43~44行目)。そのため、Dから事情を知らない第三者に新株が譲渡される可能性があるので、第三者の取引安全という要請はDの場合にもあり得ます。
したがって、公開会社の募集株式の発行は会社の業務執行(一般の取引行為のような経営事項)に準ずることや、A社が公開会社でありDから第三者に新株の譲渡可能性あることを理由に、Dに発行した場合でも無効原因とはならないとする方が無難です。
また、事前の発行差止請求・事後の発行無効確認の訴え以外の手段としては、Bの気持ちになって考えると、対立するCを排除したいとして、Cを役員から解任するように株主総会で求める(339条1項)ことがあり得ます。しかし本問では、BがCの解任を求めているなどの事情がなく、新株の発行に関する問題ですので、解任は問われていないと処理します。 (さらに読む)
論パタの1問に対する復習時間の目安を教えて下さい。学生なので可処分時間は多いです。
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ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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目安としては、1問あたり45分とするのが一手です。
初学者段階では、スピード感を持ってその科目を周回することが大事です。そして、早めに1周することで知識や解法が濃縮されるので、1問あたり45分前後が良いかと考えます。
目安としては3周ほど論パタの全問題を周回できた後は、苦手な問題だけ丁寧に解き直したり、あるいは条解の講義を受講して知識をまとめてインプットするのが一手です。 (さらに読む)