ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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挙げていただいた仮の事例であれば、名義人が都道府県公安委員会となる筋もあり得ますので、「偽造」に当たると考えられます。
本問で、運転免許証に紙片を張り付けた行為自体が「偽造」に当たらない理由は、紙片を張り付けるという安直な動作では、その運転免許証を見た通常人は誤信しないので、紙片を張り付けたのも運転免許所の持ち主である甲だと分かる(甲が名義人となる)という点にあります。
そのうえで、スキャナーで読み取らせると紙片が張り付けられたとは見えなくなることから、このスキャナー読み取りまで含めれば、名義人が都道府県公安委員会になるという流れです。
そのため、仮に高度な技術で氏名欄を本物と同じレベルで改ざんできるのであれば、その運転免許証を見た人が名義人を都道府県公安委員会だと認識するので、「偽造」に当たるという筋もあり得ます。
すなわち、高度な技術によって運転免許証の氏名欄を本物そっくりに「甲」と改ざんできたのであれば、通常人はその免許証を見た際に「都道府県公安委員会が甲という人に免許を許した」と認識するため、名義人は都道府県公安委員会・実際に作成したのは甲となり、「偽造」になると考えられます。