論文式試験の答案がすいすい進む書き方を解説!初めてでも書ける!

 

司法試験や予備試験の天王山と言われる論文式試験では、答案の書き方も大きなポイントとなります。
法的三段論法を用いるなどの基本をもちろん踏まえた上で、制限時間内に膨大な文章を早く書き上げるテクニックなども重要です。
十分な結果を出すためにも、論文式試験を突破する答案の書き方を身につけましょう。 

1.論文式試験を突破する答案の書き方のポイント2つ 

予備試験および司法試験の肝である、論文式試験をパスする答案をつくるには、押さえるべきポイントが数点あります。
以下の点に留意して論文式試験の準備を進めれば、試験で評価される答案の書き方が身につくでしょう。 

 

1-1.問われていることを把握する 

何千にもわたる文字数の論文を答案として書く試験本番では、概要や要点を整理しておくことが重要です。
論文式試験では下記のように処理手順を踏まえた書き方を進めるため、まずは「問われていることが何なのか」を把握しておけば、要点や記述の流れがつかみやすくなります。 

 

・問題文を読む
 ↓
・設問を読んで「問われていること」を確認する
 ↓
・条文を探す
 ↓
・条文の要件に事実を当てはめてみる(仮当てはめ)
 ↓
・条文の要件にうまく当てはまらないもの=論点が出てくる
 ↓
・条文の趣旨から「規範」を導く
 ↓
・事実を法的に評価して「規範」に当てはめる
 ↓
・結論 

 

 

回答者が論証パターンなど答案を構成する要素をいくら理解していたとしても、最終的にはそれらを組み入れて論文という形で表現しなければ、採点者から評価されません。
設問で問われていることを最初に把握した上で、上記の流れを意識した文章を書けるように準備しましょう。 

 

1-2.答案構成を考える 

具体的に論じるテーマを大枠で示した章立てを考え、各章の内容を補強する小見出しも加えながら論文の流れを組み立てていきます。
答案を書く前に構成を練っておくと、「どこで何について論じるか、どのようにして論じるか」という点が頭で整理されるため、文章化がスムーズです。 
また、答案作成途中でも「どこまで書き終えたか」「次は何を書くか」といった点を把握しながら書き進めることが可能です。 
そのため、答案の進捗具合と残りの試験時間を照らし合わせ、余裕を持って作業を進めやすくなります。

 

2.制限時間内に合格答案を書くテクニック4つ

予備試験と司法試験での論文式試験を突破するには、制限時間内に何千字もの文章を書く作業に慣れることもポイントになります。
以下のテクニックを備えることで、さらに評価を得られる答案に近づけます。

 

2-1.読みやすい字で早く書く 

論文式試験の答案の文章量は膨大になるため、頭に浮かんだ文章を少しでも早く書き出す能力が必須です。
一方で、採点者が読みやすい字で答案を書かないと文章の意味が理解されにくくなり、評価を落としてしまうリスクも生じます。 
そこで筆力の高い文字を早く書けるように、練習しておくことをおすすめします。
読みやすい文字の書き方を習得するため、ペン習字などを習うのも有効です。

 

2-2.意味の通じるすっきりとした文章をつくる 

採点者に理解されやすい文章を書くには、一つの文に多くの情報を詰め込まないことも重要です。
あれもこれも書かれた文章は読みにくいうえに、情報が多すぎて重要なポイントが伝わりにくくなる可能性もあるためです。
一つの文で伝えることを一つにまとめる「ワンセンテンス・ワンテーマ」を心掛け、読みやすく理解されやすい書き方で答案をつくりましょう。
意味の通じやすい文章をつくる上では、助詞「てにをは」や接続詞を適切に使うこともポイントになります。
答案例を手本に、使い方をチェックしておきましょう。 

 

2-3.接続詞を使いこなす 

接続詞の使い方に慣れておくと、スムーズに答案を作成するのに有利です。
「どんな場面でどんな接続詞を使えばベストか」という点を心得ていれば、論述を適切に表現できるためです。
 また「ここでどの接続詞を使えば良いのだっけ?」と本番で迷う回数も激減し、時間のロスを防げます。

 

【接続詞の例】 

・たしかに→反対利益 
・しかし→否定する理由 
・そもそも(「思うに」でも可)→条文の趣旨 
・また、さらに、そして、加えて、のみならず→理由の補強(※ないときもある) 
・もっとも(※反対利益とも調整が必要、別の利益があるケース)→別の考慮事項 
・そうすると→論理を進める 
・したがって(※必然の論理でなければ「そこで」)→規範定立 
・具体的には→具体例をあげる、規範をより具体的に書く

といった例があります。

 

しかし同じ順接の接続詞でも「そうすると」は、理由と理由を結んで論理を進めるときに使い、理由と解釈をつなげるケースでは「そこで」が活用されるなど、答案に応用する際にはパターンが存在します。
試験本番で困惑しないためにも、このようなパターンを刷りこんで、日ごろから接続詞を使い慣れておくことが重要です。
いろいろな答案例の中から接続詞の部分に〇をつけ、各パターンをチェックしておくと身につけやすくなります。

 

2-4.時間内に書き上げられるようにペース配分する 

試験時間は限られているので、計画立てて答案を書き終えるように準備する必要があります。
実際の論文式試験では、最初に答案構成を考えるのに20分ぐらいの時間を要するようになります。
そこで残り時間を把握しつつ、「どの論点にどれぐらいの時間や文章量を割くか」といった事柄も答案構成の時点で決めておきましょう。
また、答案は構成の順番通りに作成するのがベターです。
読み進めるうちに事実関係が積み上がっていって、流れの把握しやすい文章に仕上がるためです。 

 

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予備試験・司法試験の論文で使いたいボールペン6選!【書き比べ付き】

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3.合格答案を書くためにおすすめのトレーニング4つ

論文式試験を突破する、答案の書き方を身につけるために効果的な訓練法をご紹介します。
予備試験や司法試験本番までコツコツと続ければ、着実に評価される答案の書き方が身につくでしょう。

 

3-1.論証パターンを理解する

論文式試験では、「どういう風に論述するか」といった論証パターンを応用する力も重要です。
そのため「どのような筋道を立てて問題を解決するための規範を導き出しているか」という論証のパターンを理解して覚えることが必須となります。

試験本番では、受験勉強で覚えた知識をいかに応用して書き出すか、といった点が重要です。
論述のし方については、各予備校などが出している論証集を読み込むことで身につきます。
覚えた論証パターンを各問題に当てはめて答案に活用できるようにするため、しっかりと各パターンの筋立てや規範提示に至るまでの経緯や手法を理解しておきましょう。

 

3-2.短文事例問題を解く

問題点を把握した上で適切な答案の書き方を身につける訓練法として、短文事例問題に取り掛かるのもおすすめです。
短文事例問題は論文問題に比べてコンパクトな分、各論点に応じた論証や事実関係の評価のし方などを、集中的に身につけるのに適しています。

 繰り返し短文事例問題をこなすことで、法律知識を問題点に沿って活用する思考が高まるため、論文問題にも役立ちます。

 

3-3.写経をする

合格答案が書けるようになるためのトレーニングとして、参考答案の内容を書き写す「写経」をするのもおすすめです。
参考答案の書き写しを繰り返すことで、書かれている内容が頭に入りやすくなります。
論理の組み立て方や規範の立て方、理由の書き方といった部分に関して理解が深まり、採点で評価されやすい言い回しを覚えやすくなるというメリットも期待できます。 
写経の対象としては、「辰巳法律研究所」の分析本に掲載されている答案や、講師の書いた上位合格答案などがおすすめです。
時間を区切って書き写す作業を繰り返すことで、実際の論文式試験で書く文章のボリュームや文字を書くスピードなどもつかみやすくなります。

 

3-4.過去問に挑戦する

写経や短文事例問題を通じ、合格答案に近づく書き方や思考を身につけたら、実践トレーニングとして過去問に挑戦しましょう。
予備試験や司法試験で行われる、実際の論文試験と同様の試験時間を設定して解くと、本番のリハーサルにもなります。
書き終えたら自身の答案と参考答案を比べて見落としや違っている点がないかどうか、しっかりチェックしましょう。

 

まとめ:受かる答案の書き方で論文式試験をものにする

予備試験や司法試験の論文式試験を突破する答案の書き方には、法律の知識を身につけるだけでなく、豊富な知識をもとに論証や処理手順を理解して応用する力がカギとなります。
加えて答案を読みやすい文章で時間内に作成しなければいけないという条件もあるため、試験までにさまざまな知識や技量の習得が求められます。
論文式試験合格に必要な法律の知識や法的な思考方法、さらにそれらを答案という形で表現する書き方を身につける手段として、オンライン講座「王道基礎講座」もおすすめです。
論文をはじめ、予備試験や司法試験突破に必要な学習を自宅で進められる、と人気の講座を是非ご検討ください。

 

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吉野勲「王道基礎講座」

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文:名月 照恵(リベルタ)
編集:Rie.Barsanti(リベルタ)

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2023年9月4日   吉野勲 

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