基本7科目とは別に法律実務基礎科目(民事・刑事)(以下「実務基礎科目」)も論文式試験では出題されます。
具体的には、民事は要件事実・事実認定や民事執行・保全、それから法曹倫理などが出題されます。刑事は刑事手続や事実認定などが出題されます。民法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法などの知識を実務の側面+αで問う問題が多いようです。
実務基礎科目は大学では学ばない科目であり、主に法科大学院で学ぶような実務的色彩が強いのが特徴です。そのため、法科大学院に通っていない大学生や社会人受験生は、対策がしづらいのが難点です。
その一方で、民事・刑事にそれぞれ50点ずつ配点(計100点)が振られており、実務基礎科目で点数が合否に大きく影響を与えるため、論文式試験突破のためには無視することができない科目になっています。
そんな実務基礎科目において、法科大学院生以外の受験はどのような対策を取っているのでしょうか。
既存の知識だけでなんとかするというパターンですが、本当になんとかなるのは一部の天才・優秀層だけではないでしょうか。そういった人はすでに実務基礎の”勘所”を感覚で押さえていて、感覚で解けてしまう可能性が高いです。
多くの受験生がこのパターンで対策を取りますが、事実認定の対策がないがしろになりがちです。特に民事実務に関しては4枚の答案用紙のうち「答案用紙1頁程度で」とわざわざ設問に記載があるくらい、配点を意識した指示があるので、「答案用紙1頁」を書き上げるテクニックを身に着けることができれば、高評価をたたき出すことが可能になります。
このように予備試験法律実務基礎においては
⇒どれだけ高評価を安定してゲットできるかが合格への近道
⇒知識面だけでなく事実認定でも点数を取ることができる選択肢を持っておくことで、高評価の可能性を高めることができる。
⇒しかし、既存の書籍・講座類では事実認定に特化した講座がない(または少ない)。
⇒事実認定対策をどれだけ効率的にできるかが、他の受験生との差を付けるポイントになる。
ということが言えそうです。
この講座は法律実務基礎の知識面を補充するための講座ではありません。知識面を補充するのであれば、他の講座や書籍が向いています。
この講座のコンセプトは、知識面はある程度自信のある方がもう一歩先の評価を勝ち取るため、または法律実務基礎対策をする時間がない方が事実認定だけでも自信を持って解答できるテクニックを習得する講座です。
事実認定を強化するにしても、漠然と合格者の答案を読んでいても合格者が何を思ってそれを書いたのがわからなければ、異なる問題に対応できない可能性があります。事実認定・事実評価も法律と同様に「規範」にあたるルールがなければ、応用することは難しいでしょう。
本講座は、民事・刑事事実認定それぞれの「規範」にあたるテクニックを可視化し、初見の問題でもその「規範」に沿って自信をもって事実認定をできるようにすることを目的とした講座です。
さらに本講座は、民事・刑事のテクニックを可視化するだけでなく、その可視化したテクニックを予備試験過去問の事実認定問題を素材に実践していく講座でもあります。
民事は平成26年~令和元年度※、刑事は平成23年~令和元年度(平成27年度除く)※の各予備試験の法律実務基礎科目の事実認定の全設問を素材に、剛力大先生(平成30年予備試験法律実務基礎A評価)が評価方法を解説します。
当然解説するだけでなく、該当設問にはすべて講師作成の答案例が付属します!
※扱わない年度は事実認定の問題がありませんでした。
この講座で事実認定のテクニックを習得できれば、実務基礎科目の事実認定で安定した事実認定ができるだけでなく、基本7科目のあてはめにも応用することが可能になります!
民事実務基礎では3つのパターンをベースに解説をします。
①認定が進むに連れて厚く・説得的に!
論述の仕方に悩んだら、自己に有利な事実と端的な評価→相手方の反論→相手方の反論を潰す再反論の順番で書けばいい。特に、最後の再反論を厚く、説得的に
②矛盾事実と争いのない事実を有効活用!
相手方の反論を潰す再反論は、相手方自身の供述との矛盾や、両当事者に争いのない事実を用いて行うと説得的な再反論になりやすい
③1事実+1評価の原則!
とても美しい日本語である必要はなく、論文は事実と評価を、「1事実+1評価」で淡々と書けばいい。
※詳細はサンプルをご覧ください。
○扱う実務基礎科目民事の問題
・平成26年度設問4
・平成27年度設問3(2)
・平成28年度設問4
・平成29年度設問3(2)
・平成30年度設問4
・令和元年度設問4
刑事実務基礎は、平成29年度~令和元年度まで、なんと3年連続で同じ分野から出題がされています。これらの設問は、根拠条文こそ違えど、全て同じ思考過程で解くことができます。
では、なぜ3年も連続で同じ分野が出題されているのでしょうか。それは、毎年出題しているけど、毎年受験生の出来が悪い分野だからです。言い換えれば、過去に出題された事実認定の分野について思考過程を確立しておけば、刑事実務基礎の論文では他の受験生と差をつけることができます。
今までの出題傾向から、令和2年度、令和3年度の刑事実務基礎の事実認定の設問も、過去に出題された分野と同様の分野からの出題がされることは大いに考えられます。
そこで、この講座は、過去に出題された事実認定の設問全てにつき、講師作成の答案例を素材に、思考過程の獲得をしていただける内容となっております。
○扱う実務基礎科目刑事の問題
・平成23年設問1:犯人性
・平成24年度設問1:犯人性
・平成25年度全問:勾留の理由・勾留の必要性
・平成26年度設問3:正犯意思、故意
・平成28年度設問1:殺意
・平成29年度設問1、2:罪証隠滅のおそれ、直接証拠・間接証拠の見分け
・平成30年度設問1:罪証隠滅のおそれ
・令和元年度設問1、2:罪証隠滅のおそれ、直接証拠・間接証拠の見分け
講義時間:
民事:2時間30分程度/刑事:3時間程度
配信状況:
全講義配信中
カリキュラムはありません。