令和3年司法試験合格 P.N イツキ様
大学は法学部で、勉強サークルに所属をしていました。サークルの先輩たちは司法試験を目指し勉強していて、私も小さい頃から弁護士に憧れていたので、司法試験を目指すようになりました。
そして、大学2・3年生の時に大手予備校の基礎講座を受講しましたが、カリキュラムをこなすどころか、入門者には量が多すぎて、あまり勉強が進まず、どんどん溜め込んでしまいました。
そのまま不安はありましたが、無事地元の法科大学院の既修コースに進むことができました。
いざ入学すると、大学院の講義についていけず、自分のペースがつかめなくなり苦戦しました。
正直、入学した時は勉強ができないことや劣等感を隠しながら、自力で頑張っていました。
しかし、月日が経つにつれ、隠していてもしょうがないと割り切れるようになり、周りの先輩や同期にわからないところが聞けるようになりました。そこで、先生にもわからないところを質問ができるようになり、授業の予習・復習をしっかり行うようになってから、自分のペースで勉強ができるようになってきました。
自分のペースがつかめるようになると、期末試験や課題の提出期日に向けて勉強ができるようになりました。そのような明確な目標設定ができるようになるにつれて、自然と先延ばしにしなくなってきました。
つまりタスクを分解し、細かいゴールを設定してあげることで、先延ばしグセがいつの間にか改善されていました。
昔からインプットが得意でした。しかし、司法試験の勉強はアウトプットが大事だという話を聞くことが多く、不安を感じました。
しかし、どうしてもアウトプット中心の勉強ができないため、できないことはできないと割り切ることにしました。
なぜなら、できないものを追いかけても時間がもったいないし、アウトプットができないことで、司法試験を諦めてしまうのはもったいないと考えたからです。
司法試験の勉強がうまくいかない時期も、短答だけはやるようにしていました。法科大学院では、短答模試を受け、過去問を回していました。そして、順位は上位にいました。そのため、司法試験2回目の直前には時間をかけなくてもよくなっていました。
問題は、基本的には多肢選択式で解いていました。
まず、1回目は肢ごとに解説を読み、正誤の判定ができるようにしていました。しかし、試験本番は早めに問題を切った方が良いので、最後まで肢別のやり方はおすすめしません。
また、私自身は憲法が課題だったので、伊藤先生の『判例百選出題ランキング講義』を受けてから克服ができました。そして、短答は、条文知識に時間をかけず解くことができると、他の問題に時間をかけることができます。そこで、条文の素読が役に立ちました。
覚えた知識はカゴに放り込むイメージです。そこから、タンスに整理し、どこの引き出しを開けたら何があるかをわかるようにし、試験のときに取り出せるように意識しました。
まとめノートを作成するのは時間の無駄だと思い、市販の教材にちょくちょく書き込むことにしました。すると、問題を解いた時に、補足を書き込むことが整理に繋がりました。また、法科大学院の友人と話しをしているうちに、自然と頭が整理されていきました。
論文の答案作成は、初見の問題にどう向き合い、どこから手をつければいいのかわかりません。そのまま手が止まってしまう所がとっかかりにくく、苦手でした。
そこで、まずは答案作成に向き合う時間を決めて、書かなくてもいいから机に向かうことから始めました。
そして、BEXAを受講したのは、法科大学院2年目のときでした。
きっかけは、先輩に選択科目の相談したときに、選択科目をやるならBEXAが良いと教えてもらったことでした。
そして、BEXAについて調べてみると、科目ごとに選択して受講できるので、自分に合っていると思い、受講をはじめました。それから、大学院の講義と並行しながら、BEXAの講座を章ごとにとにかく聞いてインプットし、予習・復習をしていきました。
特に、川﨑先生や伊藤先生の講座は、先生方が当事者ごとに主張を整理し、事例を切り分け、分析をしていました。
そして、講座の受講後に、自力で先生方と同じような思考過程をもう一度辿れるか復習を重ねていくと、初見の長文問題をどう解いていいか全くわからない所から、問題を整理、分析して取り組み、答案におこせるようになっていきました。
先生たちの考え方は、他の科目にも活かすことができました。
また、愛川先生の「司法試験合格答案作成ノート」講座は、インプット型の私に合っていて、参考になりました。良い書き方の具体例が多く、そこをインプットしていきました。
司法試験を受験するときは、もちろん論文の答案を書くことから、逃げられません。
しかし、全科目の論文を最後まで書き切って提出することで、自分は書けるんだという感覚をつかむことができました。そこで、気持ちが楽になり、自信に繋がっていきました。自信がなく受け控えをしようと思っている人もいるかもしれませんが、とにかく一度受けてみた方がいいです。
そして、司法試験を受験し、アウトプットの大切さが身にしみましたが、私の性格からアウトプット中心の勉強はできないことはわかっていました。
そこで、二つの対策をしました。
まず、写経をしました。もちろん、この時期にやることではないとわかっていましたが、表現方法を暗記することで、自分が使えるストックを増やしたいと考えました。これは、司法試験1回目の不合格後、伊藤先生と中村先生の「あと4ヶ月で合格するための“受かる勉強法”」のyoutubeで、論文が書けないと相談をすると、伊藤先生より「写経だ」とアドバイスをいただいたのが、きっかけでした。
他には、講座を受講するときは、これは他科目でも使えると常に考えながら、汎用性の高いものを暗記することで論文に引用していきました。
おもに、自主ゼミをやることでアウトプットする機会を作りました。
自主ゼミで検討するために、事前に答案を出さなければならないので、先延ばしにせず答案を書くことができました。
司法試験1回目から2回目の間は、1年もないことは、わかっていました。
しかし、私は先延ばしにしてしまう性格のため、時間を有効的に使いたいと考えました。
そこで、まず机に向かうことを徹底し、勉強から逃げられない環境作りをするため、すぐに法科大学院の自習室にこもりました。
そして、「負荷が低い勉強から始めること」にしました。なぜなら、勉強をやる気になれなかったり、集中ができない状態でも、絶対できる勉強から始めてしまえば、なんだかんだいって、その流れでしっかり勉強をしなければならなくなると考えたからです。
わたしはインプット型のため、アウトプットがどうしても苦手でした。
そこで、アウトプットを勉強するときは、机に向かうことを意識しました。何を書いていいかわからなくても、机に向かうことで逃げられない環境を作りたかったからです。いざ机に向かうと勉強せざるを得なくなります。
できないことを追ってもできないし、かけ離れていると諦めてしまうので、自分に合ったやり方で環境づくりをすることが大切だと思います。
実際、私も司法試験はアウトプットだと言われてきましたが、どうしてもできませんでした。そこで、インプット中心の勉強でも、その強みを活かし、そこをアウトプットへ活かすことができました。このように自分に合うやり方を見つけることが大切だと思います。
司法試験は1人で学習をすることが多いですが、答案をみてくれる人を見つけられたらいいと思います。
私の場合は、法科大学院の先生やゼミの仲間でした。
その他にも、複数の先輩合格者や弁護士の方からの指導やチェックを受ける機会が多々あったので、そのたびに指摘もらった部分の改善を重ねていくと、気がついたら合格ラインに到達していました。
また、友人と一緒に決まった時間に条文を一文ずつ交互に読み合わせをしたり、インプットした情報を友人と話すことで、情報整理をすることができました。
2021年11月11日 BEXA事務局
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