体験動画
●パブリックフォーラム論はどこで書くのが正しいと思いますか?
憲法の超重要判例、泉佐野市民会館事件。そこで出てくる理論としてパブリックフォーラム論があります。
この理論は、論文試験の「保護領域の設定」「権利の重要性の根拠付け」「審査基準の設定」のどこで使えるのでしょうか?
答えは「ほぼどこでも使える」です。
憲法論文は三者間(違憲・合憲・私見)で議論を構築させるという自由度の高い出題形式が採用されています。そのため、判例の理解を示しながら説得的な議論を積み上げることができれば、三者間のどこで判例理論を使おうが間違いではないのです。
●自由度の高い出題形式こそが憲法論文の難しさ
裏を返せば、判例の事実・根拠・理論・ロジックを十分に理解していても、説得的な議論構築ができなければ点数をとることができないのが憲法論文の難しさです。
「答えがない」問題を解かせるということは、「答えを導く説得力」「議論を組み立てる能力」が評価軸であり、この点を無視して学習することは憲法論文の出題傾向を無視することに等しいのです。
●憲法は現場思考で勝負!という甘い罠
司法試験の論文試験は、どの科目でも現場思考が必要です。もっとも、憲法は前述のような難しさがあることから、「現場思考」が「判例をそれっぽく書いて熟そう」という希望的観測に拡大解釈される傾向にあります。
しかし、残念ながら判例を理解しているだけの受験生が、突然それっぽい答案を書けるようにはなりません。
●憲法論文は事前準備できる!
実は憲法論文で題材にされる可能性の高い判例は、百選掲載のものから厳選することが可能です。
現に本試験の出題趣旨や採点実感では、必ずと言っていいほど参考にすべき判例が記載されており、往々にしてその判例は百選掲載判例です。
その判例で扱われた論点・理論・ロジックを、自身の答案で使えるまで議論構築を練り上げれば、解答パターンに近い処理手順まで落とし込むことが可能です。
この事前準備をするかしないかで、本番で大きな差を生み出すのです。
理念・コンセプト
本講座は、令和5年度司法試験本試験で公法系上位1%(150点超え)で合格された大谷大地先生が、百選掲載判例から「理解しておかないと合格できない判例」「理解しておかないと書けない問題がある判例」の計23個を厳選し、各判例の理論・ロジックを解説しつつ三者間形式にパーツとしてあてはめ、議論での使い方を解説する講座です。
担当する大谷大地先生は大学生時代の4年間憲法ゼミに所属しており、担当教授から憲法の考え方を叩き込まれ、法科大学院を経て令和5年司法試験本試験に1発合格された先生です。
下記動画にもある通り、上位合格者は憲法の問題を読んだとき、ベースになる判例に気付けると同時に「判例のあのロジックが使えそう」「あの理論が反論で使えそう」と、判例をパーツとして組み立てる思考をしています。
本講座は、公法系上位層のこういった思考を一般受験生にも「戦術」として提供するコンセプトで制作されています。
憲法論文において「判例で書く」「議論を構築する」という点にフォーカスしていますので、ただの判例解説講座ではありません。
大谷大地先生×伊藤たける先生との令和5年試験での対談動画はこちら↓
講座の特徴
●準備する判例は23個!判例ロジックをパーツとして、議論構築の想定ができる!
論文試験で出題される可能性が高い百選掲載判例23個を大谷先生が厳選し、各判例の理論・ロジックを違憲側または合憲側ならこういう主張の仕方がある、どのレベルでの議論として使える、といった使い方を解説します。
たとえば、冒頭のパブリックフォーラム論を違憲側で主張するのであれば、どのレベルで主張することができるのかを解説します。
また、私見で書くというパターンも想定して、その前段である違憲・合憲の組み立て方も判例によっては解説します。
◆理解しておかないと合格できない判例10選
1.薬事法違憲判決 職業選択の自由処理手順
2.国籍法違憲判決 平等原則処理手順
3.泉佐野市民会館事件 集会の自由処理手順
4.猿払事件 表現の自由処理手順
5.津地鎮祭事件 政教分離処理手順
6.京都府学連事件 プライバシー権処理手順
7.堀木訴訟 生存権処理手順
8.森林法違憲判決 財産権処理手順
9.在外国民選挙権訴訟 選挙権処理手順
10.エホバの証人剣道不受講事件 裁量統制処理手順
◆理解しておかないと書けない問題がある判例13選
11.博多駅事件 取材の自由処理手順
12.群馬司法書士会事件 団体の行為と内部構成員の人権処理手順
13.君が代起立斉唱事件 思想良心の自由処理手順
14.徳島市公安条例事件 法律と条例、明確性の原則処理手順
15.北方ジャーナル事件 名誉毀損・事前規制処理手順
16.岐阜県青少年保護育成条例事件 低価値的表現・パターナリスティックな規制処理手順
17.東大ポポロ事件 学問の自由処理手順
18.河川付近地制限令自県 損失補償の処理手順
19.第三者所有物没収事件 第三者の権利主張適格処理手順
20.オウム真理教解散命令事件 信教の自由・間接的規制処理手順
21.富山大学単位不認定事件 部分社会の法理処理手順
22.マクリーン事件 外国人の人権享有主体性処理手順
23.三菱樹脂事件 憲法の私人間への適用処理手順
※23個すべての判例を解説しますが、解説の便宜上、一部順番が前後します。ご了承ください。
●判断枠組みだけじゃない!あてはめも判例で書く!
「判例で書く」は何も保護領域や権利性、審査基準だけの話だけではありません。
実はあてはめ段階においても判例を参考にした事実認定が可能です。
たとえば、泉佐野市民会館事件の事実認定では、上尾市福祉会館事件の「敵意ある聴衆の理論」や東京都公安条例事件の「集団暴徒化論」が意識されていたことを知っていますか?
これらの理論をあてはめの際に意識して書くだけで、あてはめも「判例を理解している」と試験委員に伝えることが可能です。
本講座では、一部の判例解説であてはめにおいても使える判例理論を解説し、どの段階でも判例を意識した議論を構築できるようなる工夫がされています。
●1つだけでもいい!光るものを試験委員に伝えられれば点数は跳ね上がる!
ご存じのとおり論文試験では、想定されているすべての論点に答えることはほぼ不可能です。
特に憲法では、議論の組み立て方は十人十色であるため、すべて判例に沿って主張反論を組み立てる必要はありません(むしろそんな問題は出題されないと思います。)。
1つでも光るものがあれば点数が跳ねるのが論文試験ですから、本講座を受講し、使えそうな理論や判例の枠組みを武器としていくつか用意しておく、その武器を1つでも本番でアピールできれば、相対的に点数が跳ね上がることでしょう。
講師インタビュー
Q1:今回厳選された判例23個があれば合格答案レベルまで積み上げることができますか?
A1:極論を言わせていただければ、憲法論文において合格に必要な判例は8個くらいで十分だと思います(笑)。最初の10選に含めていますが、薬事法違憲判決・国籍法違憲判決・泉佐野市民会館事件・猿払事件・津地鎮祭事件・堀木訴訟・森林法違憲判決・在外国民選挙権訴訟の8つがあれば、最低限合格レベルの答案が書けます。
というのも、憲法の論文って特殊で、人によっては作文が上手ってだけで高得点が取れてしまう科目です。なぜかというと議論の組み立てが評価軸だからです(憲法に限りませんが)。
じゃあ議論をその場で組み立てる即興でいいじゃないかとも思えるんですが、それだとギャンブルになってしまうので、議論を組み立てる上で使える判例のロジックなどをパーツとして学ぶのであれば、選んだ23個の判例で十分合格レベルに達すると思います。
Q2:「判例で書く」という点で憲法の流儀と共通していますが、違いはなんですか?
A2:「憲法の流儀」は伊藤たける先生が憲法判例を体系的に整理して解説をすすめてくれる講座だと感じています。クオリティがかなり高く深い議論が前提になっていますから、A評価を獲りに行きたい受験生向きなのかなと感じています。
私の講座は、憲法を学習している方であれば聞いたことがある基礎的な判例理論を議論のパーツとして組み込むことを意識した講座です。
「憲法の流儀」がオーバースペックだと感じる方、A評価ではないにしろ合格答案を書きたい方、そして何より憲法に時間をあまり避けない方向けになっています。
憲法以外にも本試験では7科目、予備試験では9科目あるので、憲法は最低限の時間で事前準備したい受験生に是非受けていただきたいです。
受講条件
講座形式