答案練習や模試のあと、「今回は結構書けた」と感じたのに、返ってきたのはC評価以下…そんな経験はありませんか? 実はそこに、本番で伸び悩む人が陥りがちな落とし穴があります。「書けてる感」に満足してしまうと、最後の詰めが甘くなり、評価される答案には届きません。では、A評価を取る受験生は何が違うのか?
本記事では、自分の「書けてる感」ではなく、「評価される答案」を書くための準備と考え方のポイントを4つご紹介します!!
直前期こそ重要なのが、「定義・規範を確実にアウトプットできるか」の確認です。
『趣旨規範ハンドブック』や答練の出題論点をもとに、キーワードで白紙再現を繰り返すなどで、答案の精度とスピードは一気に向上します。また、Aランクの論証や答案への落とし込み方は、上位合格者による講座で「答案の型」を実践的に学ぶのが効果的です。
直前期にこそ取り組むべきは、「やってきた論点」ではなく「やってこなかった論点」の確認です。論証集や基本書の目次を使って、「触れていない論点」「記憶があいまいな分野」に印をつけ、重点復習リストを作成しましょう。時間のない方は、まとめノートなどの活用も効果的です。
司法試験・予備試験は「狭く深く」より「広く浅く」が問われる試験です。
完璧主義は一旦置いておき、「穴を可視化して潰す」スピード重視で戦いましょう。
本番で「頭が真っ白」になった経験はありませんか?
その原因は、単なる知識不足ではなく、論点の認識ミス・構成の迷走・事案把握の遅れなど、事前に分析可能なものがほとんどです。
合格者は、答練などで「どんな場面で思考が止まるか」を分析し、対処パターンをあらかじめ準備しています。
このような場面では、
自分の思考が停止するパターンに合わせて対処法をあらかじめ決めておきましょう。
上位合格者の講座は、ただ「苦手を補う」ものではありません。合格者はむしろ、以下のような目的で戦略的に使い倒しています。
令和5年度司法試験本試験で公法系上位1%(150点超え)で合格された大谷大地先生が、百選掲載判例から「理解しておかないと合格できない判例」「理解しておかないと書けない問題がある判例」の計23個を厳選!各判例の理論・ロジックを解説しつつ三者間形式にパーツとしてあてはめ、議論での使い方を解説する講座です。
民法は知識量が他の科目に比べて非常に多く、覚えるだけでもかなりの時間を要してしまいます。条文量もさることながら、判例百選に掲載されている判例だけでも最大300個もある科目です。
この講座には、論文・短答それぞれ、葵千秋講師オリジナルの出題予想ランクが付いています。
全判例通してポイントを覚えるも良し!ランク表から選別するも良し!あなたの学習進捗、学習時間に合った学習方法にマッチさせることが可能です。
多くの受験生が「得意だと思っていた刑事系科目」で、答案を書く段階でつまずいてしまうことが少なくありません。
特に、インプットを終えた後のアウトプットに移行する際に、具体的な「答案の型」や「思考の流れを答案上で表現する方法」がわからず、挫折してしまうケースもあります。
この講座の最大の強みは、国木講師自身も「理想に近い」というほどの緻密なあてはめです。
刑事系答案は「事実の評価」次第で点数が大きく異なる科目です。
しかも、予備試験では司法試験と異なり、無駄な事実はほとんどなく事実を使い切ることが理想像になります。
この講座で、「事実の適示方法」「評価の仕方」「表現のフレームワーク」を身に付ければ、「あてはめ」で困るということがなくなります。
近年の司法試験や予備試験では、訴訟選択、固有の訴訟要件のほか、個別の論点も出題されていますが、合格者は「現場思考で乗り切れた!」というため、対策は必要ないと思いがちです。
しかし、合格者が未知の論点を現場思考で乗り切れたのは、処分性、原告適格、本案上の主張といった基本的な論点で、他の不合格者をごぼう抜きにするほど、いい答案が書けていたからです。
この講座は、行政法の定番教科書「サクハシ」の著者・慶應義塾大学名誉教授の橋本博之先生、司法試験過去問対策の定番「行政法ガール」の著者・弁護士の大島義則先生、「行政法の流儀」でおなじみの弁護士の伊藤たける先生の共著「行政法解釈の技法」(弘文堂、2023年)を用いた講座です。
この講座を受けると、行政法事例問題を解くにあたってコアとなるフレームワークがマスターできます。
講師自身で作成した答案例をもとに解説。なぜその問題からその答案が生まれるのか、問題から答案例までの思考プロセスを解説で埋める講座となっています。
論点の確認も当然のこと、問題文のどの事実に着目し答案を作り上げるのかの思考プロセスや答案の表現まで学ぶことが可能です。
民事訴訟法といえば、本格的に勉強するのであれば、分厚い基本書・テキストのイメージですが、大瀧先生は民事手続・民事裁判の大まかな流れを把握するために、薄い基本書を読み、その後すぐに判例百選をベースとした学習に移行しました。
この講座は、そんな司法試験民事系1位の大瀧先生の学習経験を元に作られました。民事訴訟法=理論から学習するという思い込みを壊すために、判例百選をベースに事案+民事訴訟法の重要知識の解説をする講座です。
「あてはめ勝負だから、事実を提示されないと準備できない」なんて考えていませんか?
あてはめ勝負=現場でどれだけ食らいつけるかの勝負、という図式はたしかに正しいでしょう。しかし勘違いしてはいけないのが、あてはめ勝負=自分の感覚で勝負ではないのです。
司法試験・予備試験は「法曹としての法的素養を判断する試験」です。そして、先に述べたように、刑事訴訟法の分野は事例判断が多いものの、それは決してフリーハンドの判断ではありません。過去の判例・裁判例との差分を意識しつつ緻密な理論があります。
この講座は、刑事系TOP合格者の国木正講師が『刑事訴訟法判例百選 第11版』に掲載されている判例をベースに各判例の解説をしていく講座。この講座を受講すれば、試験で想定外の利益や事実が提示されたとしても、その場で食らいつくことができる力が身につきます。
直前期は不安や焦りが強まる時期。そんな時こそ、やるべきことは明確です。
上位合格者の思考を学び、「答案の型」を身につけることは、 合格を狙うための「戦略的ツール」になります。「得意科目で爆発的に得点し、他をカバーする」ことが合格への近道になるのです。
また、本番でA評価を取るには、「何が書けるか」ではなく、「どう書けば評価されるか」に軸足を置いた準備が必要。今回ご紹介した講座は、自分の得意科目を徹底的に磨き上げ、合格を勝ち取るための「戦略的ツール」につながる講座です。
直前期の今こそ、上位合格者の思考プロセスを学び、A評価を目指しましょう!
2025年6月3日 愛川拓巳 葵千秋 伊藤たける 大瀧瑞樹 大谷大地 国木正
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