全49回
講義時間25時間程度
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一般的に民法の初学者向けの思考ポイントとして、「請求から考えよ」とよく言われます。
たとえば「その請求が認められるためには」何が必要なのかという思考です。これは法律効果の方から考え始めるので、目的論的な思考であり、ボトムアップ型の思考と言うことができますが、事例問題の解決にあたり最初はこの思考から入る人が多いように思います。
しかし、「効果から考える」ボトムアップ型思考は、大切な思考モードはでありますが、実務家の思考の一側面に過ぎず、実際のところは、問題を解く際の補助的な役割を果たすものです。実務家や合格者は、問題文を読みながらすでに法律状況や問われていることの分析を行っており、具体的な請求を考えるのは当該問題を解析する際の最終段階であることも少なくありません。
事案の分析にあたり検討を要すべき請求権(訴訟物)が忽然と天から降ってくる訳ではない以上、「請求が先にある」というような説明はおかしいのではないでしょうか。
問題自体が請求権を特定している場合でない限り、それは、問題の解析をする途中で明らかになってくるものと言うべきです。その解析のプロセスもまた法的な思考なのです。
この解析のプロセスで非常に重要な働きをしているのが、要件(を充足する事実とも言えます)の側から考えるトップダウン型の思考です。これは概念駆動型の思考になるのですが、法律実務家の思考の中心をなすのが、このトップダウン型の思考です。実は、これは誰もがやっていることなのですが、それがほとんど無意識下で行われるという特質があるせいか、このことが明確に説明されることはあまりなかったのではないでしょうか。法的な思考は、以上の2つのモードで成り立っています。実務法曹を目指す以上は、この当たり前の事実を直視するべきです。
本講座では、従来、語られることがなかった解析プロセスについても明快に説明します。訴訟物が天から降ってくるような説明は一切しません。
答練の解説や演習系講座などで、講師から「この○○という論点には気づくべきです」と言われ、「どうやって気づけばいいのさ」と考えた経験ありませんか?
これは、問題発見力の有無に関わることです。ここでもトップダウン型の思考が非常に重要な役割を果たしています。もっとも、すでにトップダウン型中心の思考が身についている人は、なぜ気づけるのかを自覚していない可能性があります。これは教える側も例外ではありません。
教える側と教わる側のこの乖離を埋めなければ、効果的なトップダウン型中心の思考トレーニングは難しいでしょう。
しかし、教わる側が独学でトップダウン型中心の思考をトレーニングしようとすると、
・身に付いたか否かの成果が見えづらい→成果が見えづらいから敬遠しがち
・トレーニングを積もうと思っても方法論がわからない→模索しようにも方法論が正しいかがわからないからただの苦行になる
といった負の連鎖が起きがちです。
これでは、いつまでたってもこの乖離を埋めることができないままになってしまいます。
本講座は、一通り知識を押さえた既修者を念頭に置き、問題文を読みながら法律状況を把握するトップダウン型中心の思考を鍛えるための講座です。、学習効率を高めることを目的とした講座です。
民法の予備試験・新司法試験・旧司法試験の過去問、全46問を用いて、問題文を読みながら何を想起しなければならないのか、事案の把握の方法、そして答案構成から答案の表現まで一気に解説します。
担当講師は実務家の谷雅文先生です。谷先生は現役実務家であると同時に、中央大学法科大学院客員教授として教鞭をとられていらっしゃる先生です。
講義は板書とレジュメ・答案例(講師作成)を参照しながら行いますので、口頭だけでは理解しづらい部分も視覚的に理解することが可能になります。
本講座を受講すれば、一通りの民法演習問題は網羅できるため、初見の問題であってもどのように問題文を読み→法律状況を把握し→答案構成をし→答案表現するのかという実務家の思考=合格者の思考を習得することが可能です。
本講座を受講すれば、講師や合格者がいう「この論点に気づくべき」に気づくこと可能になります。
本講座は、予備試験・新司法試験・旧司法試験の過去問、全46問を谷先生が解析しますが、あえて分野別にわけていません。というよりも、過去問は常に横断的な理解が問われますから分野別に分けてしまうとその分野だけに集中してしまい、学習効果が落ちてしまうからです。本講座は、全分野を横断的に理解できるようあえて、同時並行型の学習方法を採用し、横断的な視点を鍛え上げます。
また、基本的な知識を応用可能な状態で定着させるための工夫も必要になります。これを可能にするのがインターリーブ学習法です。この手法が有用であることは、実証済みと言えるものですが(ベネディクト・キャリー著、脳が認める勉強法、ダイヤモンド社)、本講座では意識してこの手法を取り入れていますから、受講者は自ずと事案分析力が向上するのを実感できるはずです。
インターネット環境下でのストリーミング動画配信にてご受講いただけます。
テキストは製本の上、お手元に配送いたします。PDFダウンロードはできません。
2021年2月24日(金)よりテキスト発送を開始いたします。
2月24日以降の配送は、以下のスケジュールで配送いたします。
○月曜~水曜に決済:その週の金曜に発送
○木曜~日曜に決済:翌火曜に発送
第1講~第20講 配信中
第21講~第30講 2021年3月1日配信開始予定
第31講~第40講 2021年3月15日配信開始予定
第41講~第49講 2021年3月29日配信開始予定
講義時間:
25時間程度
配信状況:
一部配信中
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