本番で参考答案のように完璧な答案が書ける気がしない 刑法で答案が伸びない原因は、必ずしも知識不足ではありません。
多くの受験生は、問題文を読み、答案を書き進める中で、いま何を検討し、どこまで書けばよいのかという答案の現在地を見失ってるのです。
まず、最も雄弁な数字から見ていきましょう。法務省が公表している令和7年の数字を、合否判定の式にそのまま当てはめてみます。
司法試験の総合点は、短答式(175 点満点)の得点に、論文式(800 点満点)の得点を1400/800倍した値を足して算出します(満点 1575 点)。そして令和7年の最終合格ライン(ボーダー)は、総合点 770 点でした。では、平均的な受験生は何点になるか。法務省公表の令和 7 年の平均点 ― 短答式の合格者平均 110.6 点、論文式の平均 390.26 点 ―を、この式に入れてみます。
注目すべきは、論文の平均 390 点の中身です。390 点を論文 8 科目で割れば、1 科目あたり約48.75 点。論文は1科目100 点満点ですから、1科目あたり半分に満たない得点で十分だということになります。どこか一科目で大きく沈まず、各科目で半分弱を平均的に確保できれば、合格ラインに届く。ずば抜けた答案も、満点も、要りません。
実際に、論文平均が「半分弱」なのは、10年間ずっと変わりません。
採点実感は、出題者・採点者が「こう書いてほしかった」と教えてくれるものだと思われがちで、そのレベルの高さに受験生は気後れしてしまいます。しかし、受験生にとって本当に重要なのは、そこではありません。試験委員がどういう答案をダメ(D 答案)と見て問題視しているか― そこを読むことです。
採点実感は、低評価の答案に対して、毎年ほぼ同じ叱責を繰り返しています。論点を羅列するだけ。事実を抜き出すだけで法的意味を論じない。論証パターンを書き写すだけ。設問の指示に正面から答えない。これらが「低い評価にとどまった」「著しく低い評価となった」と、はっきり書かれています。下の表は、R4〜R7 の採点実感から、低評価とされた答案の特徴を要約したものです。
20 年分の過去問を論点単位で数えると、延べ 129 の論点が問われていました。しかし、複数年で繰り返された同一論点の重複を 1 つにまとめると 74 論点に減り、さらに同種の論点をグループにまとめると、わずか 19 の論点群に集約されます。
このとおり、司法試験刑法は同じ論点を繰り返し出題しています。
20年分を見渡して初めて、どの論点が・どの事案類型で・どれくらいの頻度で問われるかという全体像(知識の地図)が描けます。だから論点は20年分を地図にします。
なぜ解説は4年なのか。法的思考のスキル(ゴール 2)は、論点の知識とは違い、数をこなせば身につくものではありません。直近4年(R4〜R7)の問題を、規範定立から当てはめまで徹底的に深く解説すれば、思考の型は十分に体得できます。古い年度まで同じ密度で解説する必要はありません。
20年分の論点知識は地図で押さえ、思考の型は直近4年の精密な解説で叩き込む ― これが、限られた時間で『合格に届く最短ルート』です。
いよいよその地図を歩き始めます。崩れない答案を書くための旅を、ここから始めましょう!
司法試験刑法では、知識があるだけでは合格答案になりません。
何を書くべきかが分かっていても、問題文の読み違い、人物関係の混同、論点の書きすぎ、時間切れによって答案は簡単に崩れます。
答案に必要な知識と、答案を崩さないスキルを、二つの地図で合格答案が書けるようになるのです
司法試験刑法の過去問20年分・129論点を、一枚の論点マップとして整理しました。横断的なマップで、どの論点が繰り返し問われ、どのような形で出題されているのかを、短時間で把握できます。
さらに、各論点について、合格ラインを超えるために最低限書くべき内容を「リアルB必須ライン」として明示します。
本番で問題を見たときに、
不合格答案には、共通する崩れ方があります。
それは採点実感で毎年繰り返し試験委員が言及しています。
本講座では、そこをもとに次の6類型に整理しました。
問題文から離れて一般論を書き続けてしまう。人物が多くなると、誰の何罪を検討しているのか分からなくなる。知っている論点を拾いすぎて、中心論点の当てはめが薄くなる。
こうした答案の崩れを、書いた後に反省するのではなく、書く前に察知し、回避するためのスキルを身につけましょう。
司法試験刑法の過去問20年分・129論点を横断的に整理し、年度ごとにばらばらだった知識を一枚の「地図」として体系化します。
繰り返し問われている論点について出題形式を意識して、解説しています。
出題趣旨・採点実感・実際の受験生の答案をもとに、各論点について「どこまで書けばB答案に届くのか」を明示します。
知っていることをすべて書くのではなく、合格答案に必要な規範・事実・当てはめができるスキルを身につけます。
採点実感で試験委員が繰り返し指摘している低評価答案の原因を、6つの地雷として整理しています。
本件喪失/設問逸脱/知識過多/人物混同/作り話/時間切れ
また、その論点で踏みやすい地雷を明示しています。その結果、自分が陥りやすい失敗を把握し、問題を読んだ段階から察知して回避できるスキルが身につきます。
合格ラインに届いたB答案と、不合格となったD・E答案を比較し、合否の分かれ目を可視化します。
どこまで書けば得点になるのか、どの事実を評価すべきか、なぜ答案が崩れたのかを、実際の答案から具体的に学べます。
論点の全体像は20年分から押さえ、答案作成の思考過程は令和4年から令和7年までの直近4年で重点的に学びます。
重要度の低い論点や過剰な一般論を切り、設問に正面から答えるための時間・紙幅の使い方まで身につけます。
「論点は20年、思考は直近4年」の設計により、過去問全年度を短時間で総まくりしながら、崩れない「リアルB答案」を安定的に書くスキルがマスターできます。
直近4年、令和4年から令和7年までの司法試験刑法過去問を1講ずつ精読し、最後に過去問20年分・129論点を横断的に整理します。
各講義は共通の手順で進むため、回を追うごとに、個別論点の知識だけでなく、答案の作り方そのものが身につきます。
講座の全体像と、合格答案とは何か、答案はなぜ崩れるか、過去問でなにを学ぶのかをお話します。
文書偽造、詐欺、共同正犯などを題材に、設問の要求を捉え、複数の犯罪を整理する方法を学びます。
反抗抑圧後の領得意思、2項強盗、不能犯、共犯と正当防衛などを扱います。
実行の着手、強盗致傷の因果関係、共謀の射程と錯誤、業務妨害と公務などを扱います。
横領罪における委託の要保護性・横領行為、急迫性、誤想過剰防衛、故意、自招危難などを扱います。
司法試験刑法の過去問20年分・129論点を一枚の地図として整理。
直近4年分ではカバーできなかった頻出論点も解説し、年度ごとに学んだ知識を論点別の体系へつなげます。
時間切れや設問逸脱を防ぎ、本番で答案を最後まで書ききるための思考原則をまとめています。
各講義は、次の順序で進みます。
本講座は、刑法の基本知識をひととおり学び、これから司法試験過去問を通じて答案作成力を固めたい方におすすめです。
刑法は、知識の量ではなく、理解を問われる科目です。
満点や理想的なA答案を目指して、知っていることをすべて書こうとすると、かえって答案のメリハリがなくなり、時間切れや設問逸脱につながります。
目指すのは、D答案を避けて、崩れないB答案を最後まで書ききること。その一点に絞れば、合格はぐっと現実的になります。授業や仕事で時間がなくても大丈夫。一緒に、あなたの答案の“地図”を描きましょう。
― 加藤洋一
24,800円(税込)

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