今回は「パートナーコンサル契約」が取れる方法を紹介します。
その前に、本講座の第6回で「パートナーになれる人の条件」を紹介しましたがご覧になりましたか?見ていない人の為に復習すると。
多様な業種に詳しく 幅広い人脈を持ち
多数の企業指導実績を持つ経営戦略 事業戦略のプロで
内部の人間には言えないこと、あるいは気付かない問題を指摘してくれる
自分の話をじっくり聞いて
自分が考えた事業戦略や会社の方向性について相談できて
新しいビジネスモデルを提案したり
自社と他社(他業種)とのコラボを推進したり
事業拡大の方向性を示してくれる
そして、いざという時には社長の代行ができる人
ということでした。このような「経営者にモノを言える外部No2」を経営者は欲しがっているのです。
「社長が死んだらこの会社どうなります?」。これは先月、ある国際物流会社のオーナー経営者に言ったことばです。危惧はしていても社内の人間には言えない言葉ですし、もし言われたら社長は怒ると思います。でも、それはその経営者が持っている大きな不安のひとつです。だから、それを言える外部No2の価値があるんです。実際、この会社とは月40万で社外取締役を受けることで契約をしました。今は経営者と二人三脚で5年間の事業継承戦略構築を始めています。
それを他のコンサルに話すと「そんなことは口が裂けても言えない」「瀬本さんはよほどいい顧客を持っているんですね」「よほど長い年月をかけて信頼関係を結んで来られたんですね」と言っていました。でも、この経営者に会ったのは冒頭の言葉を出した時が初めてだったんです。でも、これが言えない士業が多い。なぜなら、「そんなことを言ったら顧問をクビになるんじゃないか」とビビっている人がほとんどだからです。
もちろん、その言葉だけで契約がとれたわけではありません。実は私には契約を取る為の秘策があるんです。今回は思い切って皆さんに公開しますね。
それは顧問料を「士業ではなく新入社員と比較する」ということです。意味わかりますか?多くの士業には相場というものがあります。「この規模の企業であれば月々の顧問料はいくら」という相場です。それは弁護士だろうと税理士だろうと変わらない。もし、弁護士として顧問料を提示すると中小企業であればせいぜい5万から10万。それ以上であれば「毎月何をしてくれるの?」という話になります
でも私の場合は違います。冒頭に紹介した「社長の代役ができる人材をキープするならいくら出しますか?」という話をします。大事なことですが、これを本人が言っては逆効果です。私の場合はこの会社を紹介してくれた税理士など、第三者に話してもらいます。
「それなら50万くらいかなあ…」という回答がでたら「その人材を新入社員の賃金で雇えるならいいですよね」と返し、「20万円で顧問になってくれるようですよ」と、その紹介者に話してもらうのです。するとほとんどの経営者は喜んで顧問契約をしてくれます。事例の会社の場合は社外取締役になって欲しいとの要望があったので40万円になりましたが、月1回2~3時間の訪問契約の場合はだいたい20万です
どうですか?「第三者に契約交渉をさせる」「士業ではなく社内の人間の給料と比較させる」。この2つのポイントを押さえれば、ほぼパートナー型の顧問契約をとることができますよ。今回は私の契約を勝ち取る秘策を公開してしまいました。ぜひ、皆さんも試して下さい。次回は8月8日です。
米国PWU大学院でPh.D(経営学博士号)を取得。
1957年生まれ
米国系コンサルティング会社主任コンサルタントを経て
㈱CESを設立。代表取締役。
2000年に弁護士、税理士等の全国組織「NPO法人PRENET21」を設立し、
事業再生の第一人者として中小企業の競争力UPを指導。300社にのぼる会社を優良企業に成長させた実績を持つ。
近年は弁護士事務所や税理士事務所のビジネスモデル改革を指導し、収益力UPを実現。
15社の社外取締役等も務める。
著書に「御社だけのビジネスモデルを創りなさい」「CLマネジメントの時代」「事業承継の考え方と実務」他多数。経済誌「コロンブス」にて事業再生ノウハウを連載中。
2016年7月20日
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