予備試験は法科大学院卒業相当といえる者を選抜する試験です。もちろん突破レベルは高いですが、突破レベルにかかわらず試験委員は「法科大学院を卒業する段階で受験生が持っているべき能力」という側面から作問しています。
そして、実は法科大学院を卒業する段階で受験生が求められる能力というのは、本試験の採点実感に毎回書かれているのです。しかも、毎年同じ内容です(特に令和5年~令和7年は同じ記載)。
予備試験突破レベルは法科大学院卒業レベル→求められるレベルは実は本試験の採点実感で記載されているのです。
※採点実感とは
採点実感とは、毎年本試験が終了し、さらに論文試験の採点が終了した後に公表される本試験の試験委員の採点の講評のことをいいます(法務省HPで毎年度分公開されています)。
○本試験採点実感より抜粋
赤字部分が試験委員の考える法科大学院で求められる学習レベルです。これを大きく分けると次の3つに分類できます。
①重要判例の読み込み
②個別法の法解釈理解
③答案の表現
①と③については、市販の判例集や演習書で訓練することは可能です。もっとも、②について独学で学ぶということは困難です。何百、何千とある行政法系の法律を読み込むなんてナンセンスでしょう。
しかし、行政法の合否は結局、個別法解釈によって左右されると言っても過言ではありません。②個別法の法解釈理解の学習は予備試験論文試験を突破するために避けて通れない道なのです。
そこでおすすめなのが「基本行政法」という基本書です。
基本行政法が他の市販基本書と異なる点は「解釈方法入門」に重点を置いているという点です。ここでいう「解釈」というのが、まさに個別法の法「解釈」を指しています。
他の市販基本書は行政法を主に学問の側面から解説し、判例もその傾向が強いのに対し、基本行政法は、判例で扱われた事案だけでなく、問題となった個別法の解釈方法まで解説してくれています。
本書内では問題となる個別法の具体的な条文まで記載されており、どういう制度設計・仕組みになっているのかを適宜図を交えながら解説されています。
たとえば、令和5年予備試験行政法の論文試験では、基本行政法の解説がそのまま役に立ちます。
令和5年予備試験行政法では、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」といいます。)をベースにした新規参入者に対する許可処分の取消訴訟の原告適格や許可処分に関する市町村長の裁量などが出題されました。
令和5年予備試験行政法論文では、上記のような条文が掲載され、ここから原告適格や裁量の解釈が求められましたが、基本行政法にはほとんど同じ条文が記載され、そこでの原告適格や裁量の解釈方法が解説されています。
すべての年度の予備試験論文がこのように役立つというわけではありませんが、個別法の解釈を訓練するきっかけとしては試験に完全にフィットしています。
令和5年のように基本行政法がそのまま役に立つのは実は必然ではありません。
というのも、予備試験行政法は過去の重要判例をベースに問題が作問される傾向が多く、重要判例の事案が少しだけ変更して出題されやすいという特徴があります。
令和8年の予備試験でも、小田急線高架化判決(最大判平成17年12月7日)を基にした事例が出題されています。
したがって、行政法を初学者が短期で論文突破レベルまで駆け上がるためには、判例の事案や規範を理解する学習と同時に、判例で扱われた個別法にも目を通し、具体的な条文のどの文言から結論を導いたのかという思考プロセスを理解する訓練が必要になるのです。
基本行政法は、このような訓練をするためには最適の基本書と言えるでしょう。
「基本書のどこを重視すればよいか分からない」「条文や判例の説明を、答案でどう使うのか知りたい」。そんなあなたの学習を支えたいと思い作ったのが、基本書マスター基礎講座『基本行政法』です。
基礎知識を理解するところから、論文で必要となる考え方まで、丁寧に解説していきます。
講義では、基本書に掲載された条文や判例を手がかりに、個別法の読み方や論点同士の関係を一つずつ整理していきます。また、論証集には、処分性・原告適格・行政裁量について、当てはめを含む論述例を収録しました。規範を覚えるだけで終わらず、「答案で何を、どう書くのか」まで理解していただきたいと考えています。問題演習へ進むための土台づくりに、ぜひ活用してください。
| 講師 | 荒井たかふみ |
|---|---|
| 講義時間・配信状況 | 約39時間45分/全講義配信中 |
| 視聴期間 | 24か月 |
| 使用書籍 | 『基本行政法[第4版]』 ※講座には付属しません。別途購入が必要です。 |
| 配布教材 | 書き込み指示のガイドライン、補助レジュメ、論証集、短答過去問対応表、補講レジュメ(PDF) |
講座ページのカリキュラムから、序章・第1講の一部、第20講「原告適格」、第22講「違法性の承継」の対象講義を無料でご覧いただけます。まずは気になる講義から、解説を聞いてみてください。
講義では基本書を丁寧に読み解いていくので、できれば『基本行政法[第4版]』をお手元に用意してご覧ください。まずは解説や講義のテンポが、ご自身の学習に合うかを確かめていただければと思います。
判例と個別法をつなげて理解し、答案に表現する力を育てていきましょう。
2026年10月9日 荒井たかふみ
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