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第5回:総合医と専門医、あなたはどっち?

2016年2月18日  

一般記事 - 瀬本 博一『弁護士「新時代へのマーケティング」講座』 - ビジネスモデルの神様が伝授する「儲かるしくみ」

 皆さんこんにちは。マーケティング・コンサルタントの瀬本です。
本連載は「弁護士さんが中小企業の顧問先を増やし、収益を上げる」為の講座です。

中小企業が求めているのは「総合医」

 前回、農耕型に転換する為には「+α」の武器が必要であると述べました。その「α」は法律の知識や経験ではなく、あなたの専門外のものであり、だからこそ他の弁護士との差別化ができるのだとも。

 今日、社会的ニーズが高まっている医療サービスのひとつに「総合医」というものがあります。総合医とは「問診、身体所見を重要な手がかりとしながら推理し、最短・最速で診断し、複数の専門医に繋げる」医者のことです。人間は必ずしもひとつの原因で体に不調をきたすとは限りません。例えば耳鳴りで苦しんでいる人が耳鼻科に診てもらっても原因がわからない場合は脳神経内科を紹介されることになります。そこでもわからない場合は他の専門医を紹介される。こうして病院内をたらい回しにされることが多々あるのです。

 総合医はそうした事態を防ぎ、最速で原因を探り、適切な専門医を紹介する重要な役目を担っており、社会的ニーズが高まっているのです。ところが、現時点で総合医の地位は低く、経験年数が浅い医者が総合医となっている場合が少なくありません。でも、逆に考えればその分野には権威が少ないということです。

 同じ事が弁護士の世界でも言えるかも知れません。ある分野に特化した専門弁護士が権威を持っています。確かに事案の数をこなすとある領域の経験が深まり、自然に得意分野となっていく。年配の弁護士であればそれで良いでしょうし、そうでなければならない。

 でも、中小企業が求めているのは総合医なのです。大企業であれば法務部があったりして、そこで総合医としての判断をして専門弁護士に繋ぐことができます。しかし、中小企業の場合はそうはいきません。医者で言うところの総合医が必要なのです。そして、その分野は若い弁護士であっても権威となれる可能性があるのです。

 

総合医には二つの種類がある。

 マーケティングの鉄則に「選択と集中」があります。顧客ターゲットを絞り込み、選択した顧客に対するサービス力を高める為に資金と時間をかけることで、中小企業においては事業成功の早道であり、私もクライアント企業にはこの手法を提案しています。

 しかし、弁護士の世界において、これは必ずしも成功のパターンとはなりません。確かに、パチンコホール出身の弁護士がホールに特化したリーガルサービスを行うというのであれば、これは成功するでしょう。でも、若手弁護士の多くは学卒、院卒で弁護士になっているわけですから特定の業界について詳しいわけではありません。一方、法律知識についてもほとんどの場合は中途半端でしょうし、経験も浅いはずです。そんな人が特定のターゲットや法律分野の専門医にはなれません。

 しかし、総合医にはなれます。ただ、ここで大事なことを確認しておきましょう。総合医と専門医との関係については下記の2つの種類があるのです。

① 「リーガル面での総合医と専門医」
② 「経営課題面での総合医と専門医」

①は弁護士としての役割の違いであり、経営者からすればわかりにくい区別となります。「私は法律の総合医です」と言ってもピンとこないでしょう。対して②は経営課題を解決できる外部専門家としての立ち位置です。この場合、税理士、社労士、弁護士等がそれぞれの専門医となります。経営者とすれば分かり易く、多くの弁護士はこの分野で法律の専門医になろうとしています。

 ところが、ここで大きな問題が存在します。中小企業において法律顧問は必ずしも必要とされていないのです。いざという時だけ依頼をすれば良いと考えている。「じゃあ、中小企業の顧問にはなれないではないか」と思うでしょうが、そうではありません。

 ここにこそ「総合医」の意味があります。経営者の身近にいて顧問契約をしている税理士も社労士も経営のプロではありません。実は中小企業には総合医がいないのです。そう、弁護士には経営の総合医という仕事が空いているのです。これこそ「法律+α」のサービスであり、中小企業が求めている業務分野なのです。
次回、3月1日では「経営の総合医」になる為の方法をお伝えします。

 

 

講師紹介

瀬本 博一

米国PWU大学院でPh.D(経営学博士号)を取得。

1957年生まれ

米国系コンサルティング会社主任コンサルタントを経て

㈱CESを設立。代表取締役。

2000年に弁護士、税理士等の全国組織「NPO法人PRENET21」を設立し、

事業再生の第一人者として中小企業の競争力UPを指導。300社にのぼる会社を優良企業に成長させた実績を持つ。

近年は弁護士事務所や税理士事務所のビジネスモデル改革を指導し、収益力UPを実現。

15社の社外取締役等も務める。

著書に「御社だけのビジネスモデルを創りなさい」「CLマネジメントの時代」「事業承継の考え方と実務」他多数。経済誌「コロンブス」にて事業再生ノウハウを連載中。
 

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