photo by:dibaer
皆さん、初めましてマーケティング・コンサルタントの瀬本です。私は米国でPh.D(博士号)を取得してから今日まで30年間、ほぼ全業種500社の事業再構築を指導してきました。指導した会社は大きく伸び、私も今では最も稼ぐコンサルタントの一人と言われています。そして最近増えているのが弁護士事務所のコンサルティング。その多くがマーケティングのイロハを知らない人たちばかり。
増える弁護士、減り続ける仕事、限られた市場での奪い合い。まさに弁護士業も成熟の時代。弁護士業もビジネスです。商品を開発し、それを求める個人や法人に提供して収益を上げなければなりません。判例や六法を昼も夜も勉強して「さあ、お客さんいらっしゃい」と言っても誰も来ません。なぜならそれは素材を集めているだけで商品になっていないから。そしてそれを売る方法も知らない。
でも、「マーケティングを知らない、やっていない業界」だということは「逆にチャンスがある」ということ。私の指導を受けた弁護士事務所(その多くは小規模事務所)は多くの依頼者を獲得しています。特に法人顧客が画期的に増加しています。
本講座は、私が弁護士事務所で指導している内容を開示し、資格を取ったばかりの新進気鋭の弁護士さんが資格をビジネスで活かす為のヒントをお教えします。
知人の弁護士達から「日本一のビジネス弁護士ではないか」と良く名前が挙がるのが日比谷パーク法律事務所の久保利英明氏。今では弁護士会の重鎮となった氏は駆け出しの頃から弁護士業会のイノベーターでした。それまで誰もやっていなかった吉田拓郎、井上陽水といったミュージシャン向けのリーガルサービスを開始。そのつながりで芸能系上場会社からの暴力団排除をスタートし、成果を上げていきました。そして後に多くの弁護士が取り入れた株主総会運営ノウハウである「久保利方式」を開発し、日本から総会屋を一掃する先鞭をつけたのです。現在、多くの上場企業の顧問をしている久保利氏ですが、現状に満足せず、今も新しい分野を「発見」し「開拓」し続けています。氏は「これからの弁護士に必要なのは、潜在顧客が潜在的なニーズを読み取り提示すること」だと言っています。つまり、法律論で終始するのではなく、プロデューサー的な視点が必要だということ。
これは私が指導する弁護士さん達に最初に話している内容と全く同じ。弁護士業会も成熟産業です。日本の産業の90%は成熟産業。そのような業界はすでにレッドオーシャン(競争相手が乱立し、価格競争に入っている状態)となっています。このような状態から抜け出す方法はただひとつ。ニッチ分野を発見、開拓すること。すなわちブルーオーシャン(競争相手がおらず、高価格でビジネスができる領域)へと乗り出した者だけが生き残り成長できるのです。
生き残り、ビジネスとして成り立つ為の方向性は提示しました。あとは皆さんが実践するだけ…と言っても「具体的にどうすれば良いの?」と思っているのではないですか?「ブルーオーシャンか!良しやろう」と動ける人だらけであれば成熟産業にはなっていないわけですから。だからチャンスがある。安心して下さい。本講座では連載を通してその為の考え方やヒント、実践方法を開示していきます。皆さんがビジネスの上でも一流弁護士になれるよう応援していきます。では、これからの連載を楽しみに。
米国PWU大学院でPh.D(経営学博士号)を取得。
1957年生まれ
米国系コンサルティング会社主任コンサルタントを経て
㈱CESを設立。代表取締役。
2000年に弁護士、税理士等の全国組織「NPO法人PRENET21」を設立し、
事業再生の第一人者として中小企業の競争力UPを指導。300社にのぼる会社を優良企業に成長させた実績を持つ。
近年は弁護士事務所や税理士事務所のビジネスモデル改革を指導し、収益力UPを実現。
15社の社外取締役等も務める。
著書に「御社だけのビジネスモデルを創りなさい」「CLマネジメントの時代」「事業承継の考え方と実務」他多数。経済誌「コロンブス」にて事業再生ノウハウを連載中。
2015年11月6日
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