予備試験では、短答式試験における合格者の年齢差はほとんど見られません。
むしろ社会人のほうが高い合格率を示す年もあるほどです。
ところが論文式試験では、20代全体の合格率は約33%に対し、40代以上ではわずか4%。
この大きな差こそが、論文試験の構造的なハードルを示しています。
その理由は、思考の習慣の違いにあります。
社会人が日常で磨いてきた「結論を先に出す」「端的に整理する」といった業務的な思考は、論文試験で求められる「事実を丁寧に拾い、評価し、論理的に導く」スタイルとは根本的にズレています。
一方、若年層は近年の教育で「思考過程の可視化」や「根拠づけ」を重視されて育っており、問題文に即して考え、三段論法で構成する訓練が比較的早く馴染みやすいのです。
つまり、論文で結果を出すには、“これまでの思考のクセ”を見直し、試験仕様に最適化する必要があるということです。
社会人受験生ほど、この“頭の使い方のアップデート”が合否を分けるカギになります。
加藤洋一講師は、社会人から予備試験・司法試験に合格した経験者です。
初めての論文式試験では手応えがありながら不合格に。その後、剛力大講師と出会い、論文への向き合い方そのものが根本から変わり、翌年合格を果たしました。
従来の論文講座が完成答案を示すだけだったのに対し、剛力講師は「どのように問題文を読み、どう考え、どのように答案を書いているのか」というプロセス重視の指導で、加藤講師に答案の修正・最適化方法を伝授しました。
本講座は、その指導内容を加藤講師が体系化し、“センスがいい人”がどのように論文を突破しているのかを徹底的に分析・再現。他の受験生にもその方法を共有するために制作されました。
また、本講座では、「書き出しから結論まで」を体で覚えるトレーニングを通じて、答案作成のテクニックを身につける方法を解説します。それがいわば「オートパイロット型答案作成法」です。
試験本番で難しい問題に直面しても手が止まらず、自然と合格答案が書ける状態を目指します。
本講座では、まず全体構造編として「現在の論文式試験に求められている能力」を分析し、例題をもとに全科目共通の「問題文の読み方」「考え方」「書き方」を解説します。
予備試験の過去問をもとに設問の読み方や事実の使い方、論理展開の仕方を分解し、構成シートを使って答案の組み立てを具体的にトレーニングできるようになっています。
このパートを通じて、問題文を読んだ瞬間に“使える事実”が見える力が育ち、合格答案の骨組みを自力で構築できるようになります。
問題から重要な事実を見抜き、論理的に評価する力といった答案構成の土台となる思考力が、本講座でしっかり身につきます。
本講座の最大の特徴は、「答案を書けるようになること」です。
加藤講師オリジナルの「オートパイロット型解法」を通じて、書き出しから結論までの流れを体に覚え、試験本番でも手が止まらず自然に答案が書ける状態を目指します。
「オートパイロット」とは、予備試験の過去問をもとに構成された、各科目・論点ごとの答案テンプレートです。
問題文を読み、「オートパイロット」で全体の構成を確認し、実際に書き、模範解答や配点表で自己チェック。
このプロセスを繰り返すことで、論点の組み立てや事実の使い方が型として定着し、合格答案の書き方が自然と身につきます。
また、各科目の特性を踏まえ、フローチャートや図解を使って思考の流れを可視化。
それにより、科目ごとの答案の書き方がパターンとして学習できます。
・短答には通るのに、論文で伸び悩んでいる方
・答案の書き方がわからず、論文対策の入り口でつまずいている初学者の方
・「これだけ!75」をこれから受講される方や、受けたけれどまだ書けないと感じている方
また、「オートパイロット型答案作成法」という発想の背景には、社会人としての経験があります。
日本を代表する企業でマネジメントに携わった経験をもとに、「習うより慣れろ」的な受験業界の常識に疑問を持ち、論文式試験の解法を標準化・再現可能な形に整理しています。
経営管理的な視点から、誰もが“仕組み”として再現できる論文作成法を構築するに至りました。
講義時間:
約10時間11分
配信状況:
全講義配信中
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