本講座は、平成30年~令和6年の予備試験民法論文試験を題材に、民法論文対策において最重要課題である要件事実の思考プロセスを可視化・解説する講座になります。
初版の『要件事実思考の極意』は予備試験民法の平成30年~令和2年の3年分のみを題材としていましたが、第2版では、令和3年~令和6年の予備試験民法も追加します(平成30年~令和2年も追加で差替え予定です)。
論点抽出や構成ができたとしても、それを”民法”答案として実際に落とし込むことに苦手意識を持つ受験生が多いことから、第2版では「起案」という3段階目をご用意しました。
「起案」では、要件事実的に思考した構成をどのように答案に落とし込むのか、書き方のテクニックを問われ方のパターン別に解説します。
過去問を書き方の訓練の素材としても提供し、苦手意識のある受験生の自学自習に役立つ講座構成を採用します。
※初版購入者向けアップデートプランについて
リニューアルにあたり、初版を購入された方向けにアップデートプランをご用意しております。
『京大生の思考を追体験!要件事実思考の極意(初版)』受講ページの「オプションプラン」欄から購入いただけます。ぜひご検討ください。
民法の答案は要件事実っぽく書けばいいと思ってませんか?
次のように、伊藤たける先生と吉野勲先生が、予備試験合格者について話しています。
この動画の通り、予備試験の答案においては、法的思考ができているか否かが大きな鍵になります(司法試験本試験においても根幹は同じでしょう)。
特に民法においては法的思考=要件事実的な思考ができているか否かが分水嶺になると言っても過言ではでしょう。
そのため民法においては、「要件事実っぽい答案を書けば法的思考を示している」と勘違している受験生が一定数います。
しかし、単に「要件事実を答案に落とし込めば良い」「答案を主張反論形式で書けば良い」というわけではないのです。
要件事実的な答案を書くことを試した受験生であればわかるように、答案を要件事実のように書くと、どうしても紙面または時間が足らなくなってしまいます。
実は民法の答案は、答案構成段階で要件事実的な分析をするだけでは足りず、さらに一歩進んでこれらの分析の結果を答案に落とし込むという作業をしなければならないのです。
つまり、答案構成を100とすれば、そこから論じなければならない事項・より点数が振られているであろう事項の50を選択しなければならないのです。これが情報量の多さ、出題範囲の広さとは異なった民法論文の難しさであるといえるでしょう。
民法論文対策の際には、この答案の裏に隠された①要件事実的思考と②思考に基づいた取捨選択、そして③思考を表現する起案の3つを意識しなければなりません。
①が欠ければ②でいきなり論点を書き出す答案になりかねませんし(ex.1行目に錯誤の論点を出す答案)、②を意識して①の思考をしなければただ要件を覚えているだけになってしまいます。①②両方が自転車の両輪のような関係なのです。さらに、①②ができても③で試験委員に自身の思考を伝えなければ当然点数は入ってきません。
残念ながら民法論文の法的思考なるものは、基本書や演習書には書いてありません。いわば暗黙知のようなものなのです。
一部の人はそれに気づき、あるいは自然と身につけていきますが、そうでない人はただ闇雲に民法の知識をインプットするだけになってしまうのです。
しかし、この暗黙知を意識的に学んでいるロースクールがあるんです。
それが京都大学のロースクールです。同大学のロースクールは民法の試験委員を務めていらっしゃる強力な教授陣の元、真の民法の思考プロセスを叩きこまれています。現在(令和3年時点)はどうか不明ですが『民法総合・事例演習 第2版』を講義で用いて、常に要件事実的に考え、どう答案に落とし込むのかという訓練を課せられます。
本講座担当の汐山先生も、この思考訓練を叩きこまれた1人です。
本講座は『民法総合・事例演習 第2版』は使用しません。同教材は同ロースクールで学ぶからこそ、意味があるからです。
代わりに、本講座では平成30年~令和6年の7年分の予備試験の過去問を題材として、暗黙知である民法の法的思考のプロセスを解説します。
本講座は、①問題文から検討事項の抽出(論点抽出)、②抽出した検討事項からアウトプット(構成)をした後に、③構成した思考をコンパクトに起案する方法を解説します(起案)。
①~③の各段階で「いかに思考プロセスを受験生がトレース(模倣)できるか」を意識した工夫が施されています。
予備校などの解説講義では、問題文を一読あるいは事前に読んだ状態で受けることが多いと思います。その上で講義では「○○の請求を書こう」であったり「××が問題になる」といった解説から始まることが多いと思います。
過去問を解説する講義ですからこういった方式は誤りではありません。
しかし、本講義はあくまで「過去問を通して思考プロセスを学ぶ」ということがコンセプトです。
したがって論点抽出の段階では、あえて2回問題文を通読します。
1回目は紛争の要点把握、2回目は要点を把握した上で再度法的構成の検討のために行います。
2回問題文を通読することで、合格者がどのような流れで問題文→論点抽出を行うかを詳細に理解することが可能になります。
構成の段階では受験生であれば学んでいるはずであろう要件事実と①で抽出した論点との照らし合わせを行います。
照らし合わせることにより、知識としての法律論から当該事案に対応する具体的法律論を導くためのプロセスを詳細に解説します。
起案段階では、汐山先生オリジナルの「コンパクト答案」を用いて、②で構成した具体的法律論を上手にまとめ、表現するための方法・ヒントを解説します。
予備試験民事系は3科目同時に一気に解答することが求められており、民法はおよそ1時間10分で答案を形づくらなければなりません。そのため、厚く書く部分とそうでない部分の取捨選択、書く順序の構成などの答案総合力が求められています。
本講座では、民法における答案総合力を鍛えるために、汐山先生が取捨選択をした「コンパクト答案」を提供し、答案作成までのポイントと汎用性のある訓練方法を解説します。
18,900円(税込)
・第0回(ガイダンス)
・第1回(総論と各論の解説)
・第2回(令和6年)
・第3回(令和5年)
・第4回(令和4年)
・第5回(令和3年)
・第6回(令和2年)
・第7回(令和元年)
・第8回(平成30年)
講義時間:
約6時間32分
配信状況:
一部配信中
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