伝聞法則は刑事訴訟法の中でも難しく、苦手意識を感じてしまいがちです。
他人の供述が証拠としてどのように機能するか、その価値を判断するためには、「要証事実」や「立証趣旨」といった構造的な理解が必要です。この複雑さゆえに、単なる暗記だけでは不十分で、理論的な思考を具体的なケースに当てはめる力が必要とされるため、「どう答案を書けばいいのか」と悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。
また、捜索差押えや逮捕と異なり、伝聞法則は実務でも一般的に目にしづらく、ドラマやニュースでも取り上げられる機会が少ないため、イメージが持ちにくいことも苦手意識の原因の1つです。
多くの受験生の答案添削を行う藤澤潤講師も「正しく理解している受験生は多くない」と感じており、具体的なイメージを掴むことが理解のカギとなります。
合格者は「考える力」を重視しており、採点者が何を求めているかを正確に理解していることが挙げられます。「原則→例外→具体的事例への当てはめ→結論」という論理の流れを維持し、答案に説得力を持たせることを徹底しています。一方、伝聞法則が苦手な受験生は、知識量はあっても、原則や条文趣旨を省略したり、具体的事例への当てはめが曖昧になる傾向があります。
そのため、苦手な人が克服するには「考える力」を鍛えることが重要です。単なる暗記に留まらず、伝聞法則の概念をイメージし、事例をもとに具体的に考える訓練が必要です。本講座では、こうした合格者の思考法を学び、「イメージ化」と「論述力」の融合を通じて、採点者の期待に応える答案作成力を身につけられるサポートをします。つまり、伝聞法則の克服は知識だけではなく、合格者の思考法を模倣し、論理を磨くことが鍵なのです。
1.伝聞法則をイメージしやすくする
「知覚・記憶・表現の過程」や「言語それ自体が要証事実」といった概念を、具体例や司法試験の過去問を使って分かりやすく解説しています。特に、2016年司法試験の刑事訴訟法問題を使用し、抽象的な伝聞法則の理論をイメージできるよう工夫しています。これにより、受験生が頭の中で伝聞法則を想像しやすくなり、試験で使える実践的な理解が深まります。
2.答案の書き方を徹底指導
伝聞法則に関する過去の答案を多数添削してきた講師が、受験生が間違いやすいポイントや説明不足に陥りやすい箇所を中心に解説します。過去問を使いながら実際の答案をイメージできるよう指導し、受験生が伝聞法則の構造を理解しながら、説得力のある論述ができる力を養成します。
3.伝聞法則の理解と答案作成力を一体化
伝聞法則の基礎理論を深く理解させるだけでなく、答案作成の練習としての講義を通じて、「イメージ化」と「論述力」の両方を強化します。答案作成の過程が具体的にイメージできるようになるため、受験生は理解した内容をスムーズに論述に落とし込む力を身につけられます。
本講座は、伝聞法則を体系的に理解しながら、答案の書き方を学び、説得力のある論述力を育成するためのトレーニングに特化した講座です。
伝聞法則の趣旨や意義を説明し、実際の過去問を使って「伝聞とは何か」を具体化します。
受験生が誤って理解しやすいポイントについて、書き方を解説し、得点力を高めます。
伝聞例外についても学び、条文・論点について言及し、網羅的にカバーします。
1.はじめに
2.総論
(1)伝聞法則の法的位置づけ
(2)処理方法
3.伝聞証拠
(1)趣旨・規範
(2)非伝聞の類型
(3)共謀メモ
(4)録音・録画
(5)再伝聞
4.伝聞例外
(1)はじめに
(2)考え方
(3)321条1項柱書
(4)裁面調書(JS,321条1項1号)
(5)検面調書(PS,321条1項2号)
(6)員面調書等(KSなど,321条1項3号)
(7)検証調書(321条3項)
(8)鑑定書(321条4項)
(9)被告人調書等(AS,322条1項)
(10)特信文書(323条)
(11)弾劾証拠(328条)
5,200円(税込)
講義時間:
約1時間30分
配信状況:
全講義配信中
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