予備試験に向けて勉強2ヶ月目の初学者です。「【憲法論パタ】2-1-2-1」で質問です。自習の際に、困り人2に「女性」を設定し、「参議院比例選挙区での平等を実現できていない本問改正は、14条1項に反する」旨の答案を書きました。的外れな観点・答案でしょうか?自分では判断がつかず、ご意見を頂戴できれば幸いです。
ご質問ありがとうございます。
まず困り人を「女性」と抽象的に設定するのは、やや無理筋な点があります。
困り人をおよそ女性と考えると、日本に住む全ての女性(約6400万人)が困っているのかと捉えることもできるところ、ここでは全ての女性が困っているというよりも、この男女交互の法案によって男性候補者が立候補しにくくなるという点を問題文に即して捉えるべきです。
また、この法案は女性の立候補を促進するものであるので、この法案で女性が困るということは考えにくいです。つまり、国会議員の女性割合が少ないという点では女性が困っているといえるのですが、本問は男女交互の立候補を求める法案との関係で困る人を設定する問題なので、立候補しにくくなる男性候補者を困り人と捉えるべきです。
憲法の問題では、困り人を抽象的に設定するのではなく、その問題における法案や処分によって具体的に困っている人を解像度を上げて設定する必要があり、その法案や処分によって誰がどんな風に困っているのかを具体的が考えた方が良いです。
この辺りは問題演習を積むことでできるようになってきますので、今の段階で上手くできなくても気に病む必要は全くありません。
また、14条1項に反するという解答はあり得ると思います。国会議員は全国民の代表であるので、性別に囚われるべきではないという説明も全くできなくはないからです。
ただ本問では、女性の国会議員が少なくバランスが悪いのではないかという問題意識が暗示されているので、合憲と考えた方が自然ではあります。
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8月末から4Sで勉強を始めた全くの初学者(5期生)です。
現在「【憲法論パタ】第10回 2-1-1-2:審査基準へのあてはめ」を終えた所です。
講義「【憲法論パタ】第4回 2-1-1-1:条例①審査基準調整」の中で、なぜ13条前段が、厳格度グラフで−1(緩やか方向)になるのか分かりません。どう考えればよいでしょうか?
又は、よく分からなくても一回最後まで【憲法論パタ】を進めた方が良いのでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
13条前段はパターナリズムに基づく制約という観点から、本問では緩やか方向になります。13条前段は「個人」の「尊重」を謳っていますが、未成年者は「尊重」されるべき「個人」として未成熟なので、自己加害防止のためにパターナリズムに基づく制約をなし得るのです。
そしてこの問題では、パターナリズムに基づく制約という側面があるところ、13条前段がパターナリズムとの関係で制約を許容・正当化しうる要素として機能するので、緩やか方向になります。
また論パタについては、分からなくても一回最後まで進めた方が良いです。法律は全体像を把握したうえで、全体を何度も周回することである日突然できるようになるものなので、まずは一回最後まで進め、おぼろげながらで良いので全体像をつかんだ方が得策です。
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