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2022年度 慶應義塾大学法科大学院入試の結果速報 ~2023年度受験生必見!! 「藤澤たてひとの主要法科大学院入試結果分析【各論編 第二弾】」

2022年3月20日   藤澤たてひと 

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2022年度 主要法科大学院入試の独自結果分析
<各論編 第二弾>

「2022年度 慶應義塾大学法科大学院入試選抜について」

1 入試制度の変更点について

法曹コース導入を除き、入試制度に大きな変更点はありません。

2 2022年度入試の競争倍率と、2023年度入試の見込みについて

(1)今年度入試の競争倍率について

 受験者数等詳細のわかる入試統計は現時点(3月16日現在)において公表されていません。
他方、出願者数と合格者数については公表されており、既修未修合計の形式競争倍率(出願者数/合格者数)は2.88倍(昨年比+0.61倍)です。
長らく実質競争倍率(=「受験者数/合格者数」で算出)が低水準で推移していました。しかし志願者数が増加に転じたことにより、今年度については志願者数の確保と、それによる受験者数の増加・形式競争倍率の改善という前提を達成しているものと思われます。
 なお、上記改善目標については、慶應義塾大学法科大学院側の中長期的な目標として、「(実質)競争倍率2.5倍確保する」という目標を文部科学省に提出していることに基づくものです。

カレンダー

低い精度で自動的に生成された説明
(文部科学省のホームページ内『法科大学院の機能強化構想について~令和3年度法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム結果~』「慶應義塾大学法科大学院」項目を引用)。

 
(2)2023年度入試の競争倍率について

 来年度以降の入試についても、上記計画に基づき、実質競争倍率2倍超~2.5倍の範囲で入試選抜が行われることが強く予想されます(私見)。

 コロナ蔓延や地元志向・地方喚起の影響もあり、近年、同校を志願・入学する受験生の数は減少傾向にありました。
 事実、2015年度入試以降は志願者数1,000名を割っており、また既修未修合計の実質競争倍率(受験者数/合格者数)についても2015年度入試以降、なんとか2倍以上を保っている状況でした(同法科大学院HP内資料『入学試験総括表』ご参照。なお2倍以上という数値は、補助金算定の評価項目の1つに「競争倍率2倍以上」という基準が存在していたことに戻づく。なお現在は補助金算定の考慮材料の1つとなっている)。

 これには、
①東大・京大・一橋大ローなど国立大トップ校に合格するレベルの受験生が、2015年以前とは異なり出身大学や地元にある国立大学法科大学院(神戸大や阪大~東北大など)を併願先として選択する傾向が強まっていること
②定員充足率確保の観点から多くの合格者輩出を余儀なくされたという背景
といった要因が考えられます(詳細については文科省公表資料項目内の「定員充足率」項目を参照されたい)。


 この状況を改善すべく、別添資料のとおり、慶應ローは2021年に文部科学省側に対し、2023年度終了までに同大学院の標準年限修了率の改善(目標値87%)と実質構想倍率の改善(21年度入試時2.02→23年度入試までの改善目標2.50倍)を実現させるための計画書を提出しています。
 2022度入試の実質競争倍率は公表されていませんが、形式競争倍率(対志願者/合格者)では2012年度入試以来の水準を確保しています(2.88倍)。
 2023年度入試については志願者数が激減する等の事態が生じない限り、実質競争倍率2.50倍を確保する水準の合格者数になるでしょう(私見)。

 なお、受験生は競争倍率という一過性の数字に一喜一憂することなく、どんな競争倍率でも同校に合格できるだけの実力を身に着けたうえで試験に臨んでください。

3 書類点(GPA・ステートメント含む)について

(2022年度版慶應義塾法科大学院入試対策記事〔筆記試験やステートメントの分析・対策〕については、以下のリンク先を参照願います。https://bexa.jp/columns/view/314

 特にステートメントについては、問題文を正確に捉えることが必要不可欠でです。慶應義塾大ローを受験するのであれば、上記寄稿記事を必ず読み、理解したうえでステートメントの作成に着手してください。

 さて、まず注意点から述べます。
毎年どのローの合格発表にもいえることでですが、たとえGPA1点台で合格している人がいても、それを一般化すべきではありません(厳密にいえばGPA1台とは「不可含む」の基準なのか含め、真実性の検証もできず、かつ疎明資料もない限り何とも言えないのだが…)。

 例えるなら、模擬試験の偏差値が極端に低いビリギャルさんが慶應義塾大学に合格したからこそ話題性を有しますが、慶應義塾大学学部生で常日頃から頑張っているGPA3の方が同ローに合格したと報告しても、ビリギャルさんと比べれば話題性は乏しくなるのと同じです。特殊な事象は単に他者との差別化に使うためツールであり、存在することをもって、その事象が一般的だという錯覚に陥らないでください。

 そのうえで、あくまでも大学側の公表する資料によれば、特に既修者試験では筆記試験8割:書類点2割となっています。そしてその書類点の内訳としては、ステートメントや学部成績が評価の対象となります。

 かつて慶應義塾が配点割合を公開していた際には、学部成績にも配点が振られていました。そのことから、恐らく今日の入試においても、書類点のうち学部成績には一定程度の配点が振られているでしょう。

 では、学部成績が低いからといって合格できないかというと、そうではありません。あくまでも学部成績項目の評価が低くなるだけであり、説得力のあるステートメントを作成することや、外国語能力を証明する資格を提出することで(例として『TOEIC900点以上』)、書類点はいかようにも変わるし、それだけで合格可能性は飛躍的に上がることでしょう。

 書類点2割ということは、既修者コース入試の場合、主要法律科目1科目分の配点に相当することになります。
慶應側も提出された書類を総合的に勘案し、客観的に評価したうえで書類点をつけることを説明会で述べています。そのため、皆さんの学部成績が仮に高くても・低くても、それだけで一喜一憂しないでください。

 そして特に「ステートメント」については、きちんと課題文を読み取ったうえで、説得力のある・論理的な文章を作成して欲しいものです。

4 優れた入試成績を残した合格者を対象とする授業料全額免除制度について

(1)総論:授業料全額免除制度について

 慶應義塾法科大学院は、優れた入試成績を残した対象者に授業料全額免除制度を用意しています。なお2022年度については未修者・既修者合わせて16名程度の枠を設定しています(https://www.ls.keio.ac.jp/gaiyou/tuition.html参照)。
 そして2022年度入試については、一般入試・法曹コース課程いずれも授業料全額免除合格者を輩出しているようです(注:授業料全額免除対象者へのヒアリングに基づく)。
 慶應義塾大学法科大学院の授業料全額免除対象者については、難関外国語資格試験のみならず、慶應義塾大学法科大学院よりも上位の合格率を誇る法科大学院(東京大や一橋大など)にも合格する傾向にあります。

(2)授業料全額免除合格者の実力について

 さて、2023年度受験生にとって気になるのは、全額免除を得るための凡その実力の程度でしょう。
 前提として、慶應義塾法科大学院は合格者に対し入試得点の開示を行っていません。そこで、以下の項目では授業料全額免除対象となった受験生が後に受験した東京大学法科大学院(一橋大学法科大学院は開示をしていない)の得点開示資料を基に、授業料免除相当の実力を分析します。
 先に結論から述べると一般入試の場合と法曹コース(5年一貫型)で、測られる学力基準は大きく異なります。

 法曹コース(5年一貫型)の場合、一般入試と異なり法律科目筆記試験(要は一般入試)を課さず、出願時に提出した書類を総合して合否が決されます。そのため、法曹コースを利用して全額免除対象となっても、開放型ないし早期卒業制度を利用して上記トップ校を受験しても、合格点にすら及ばないという事例が散見されました。
 「法曹コースにおいて成績優秀である・GPAが高い、ならば、一般入試においても合格する」とは必ずしもいえないということでしょう。そして、このことは、特に東大ローなどでは外部の早期卒業者に対する優遇措置はなく、一定以上のGPAを取得したならば、後は筆記試験の点数が合否を左右することからもわかります。

 もっとも、法曹コースの場合は、現時点の学力というよりも、3年間という短い期間に集中して学問に取り組んできた姿勢や学業成績、法曹となりうる可能性(潜在性)を考慮したうえで決されます。そのため、ある意味で実力差があることは当然です。
 もちろん、法曹コースの優秀者で慶応義塾以上のトップ校の一般入試に合格・通過したいというのであれば、(学業成績など書類点で多少は有利であろうが、)慶應義塾法科大学院の一般入試までに、一般受験組(学部4年生または4回生の合格者相当)と概ね同程度の実力を身に着ける必要があります。

ア.一般入試における全額免除対象者について(各論)

 まず、一般入試の場合については、GPAについては3程度・TOEICについては書類点満点加算要件である900点に満たないスコアでした(800点前半台)。もちろん、ステートメントの点数次第であるものの、サンプルとした合格者は書類点が他者より優位に立つという状況ではありませんでした(もちろん、TOEIC等のスコアは高い(900以上)に越したことないということを、ここで付記しておきます)。

 次に筆記試験について検討します。
​ まず、慶應義塾大学法科大学院については、合格者による入試得点開示制度は整備されていません。そのことから、全額免除合格者が合格・進学することとなった東京大学法科大学院の得点開示結果を基に、実力の程度を検証します。
 全額免除対象者の上記筆記試験の得点は190点程度でした。そしてこの点数は、東京大学法科大学院合格者のうち上位10%~15%程度で合格する水準にあたります(東京大学法科大学院の分析については藤澤がBEXAに寄稿した記事 https://bexa.jp/columns/view/367 を参照願いたい)。

 このことから、授業料全額免除で合格するためには、特に①論述式試験の実力(刑法については短答知識を含む)、続いて②書類点(特にステートメントの論理的構成力・説得力のある文章、補完として満点加算されうる外国語能力資格のスコア等取得)となります。なお提出書類については全額免除か否かだけでなく、少しでも自身の合格可能性を上げるためにもきちんとしたものを仕上げて欲しいものです。

イ.法曹コース(五年一貫型)における全額免除対象者について(各論)

 東京大学法科大学院の分析(https://bexa.jp/columns/view/367参照)に記載したとおり、同大学院の今年度の筆記試験合格者最低点は154.6点である蓋然性が高いです。
 それに対し、慶應ロー全額免除対象者の筆記試験の点数は142~146点程度の点数(偏差値換算点)でした。概ね一科目あたり偏差値48程度と、全受験者の平均より若干劣る結果となっています。
 もっとも、法曹コース(5年一貫型)入試選抜の場合、出願書類に基づく書類選考となっており、評価基準が全く異なります。

 2022年度募集要項によると、法曹コース(5年一貫型)選抜における配点割合は 
   提出書類(法律専門科目の学部成績や担当者所見)が8割
   提出書類(志願者報告書・学部成績など)が2割
となっています(https://www.ls.keio.ac.jp/nyugakushikenyoko.pdfの10頁目を参照)。

 ①の担当者所見が要求されている科目は、法務演習Ⅲ(憲法・民法・刑法・会社法)の4科目であり、成績順位(上位5%以内など)や受験者の定性面(洞察力・応用力・問題解決能力)を担当教員が適切に評価をするというものです。これに、法律専門科目の成績が評価対象となります。
 そのうえで、上記①と②を加えて合否が決定されます。

 昨年度の慶應義塾大ローの学内説明会によると、法曹コース合格に求められる成績水準は、学部法律専門科目(法曹コースに開設される科目を含む)のGPA(不可込み)3.0以上が、出願・合格に際する一応の水準となってきます。
 なお、5年一貫型に出願するためには、上記以外にも、学部2年次終了段階において早期卒業候補生(法律学科内で上位30%以内)となる必要があります。
(入試制度については詳しくは2022年3月25日から同法科大学院主催の「法曹コースおよび法務研究科(法科大学院)ガイダンス」や説明を参照されたい。)

 そのうえで、法曹コース全額免除の場合は、GPAは勿論のこと、担当者所見項目(要は法務演習Ⅲ)の評価が非常に重要となってくるものと思われる。
実際に全額免除対象者(Aさん)とそうでない方(Bさん)にヒアリングしました。

 まず提出書類等を分析したところ、GPAやTOEIC等点数についてはBさんのほうが好成績でした。そしてステートメントについては、両者ともそこまで差がありません(Aさんの文章のほうが三段論法を意識した明快かつ読みやすい文章ではあった)。

 他方、Aさんについては担当者所見該当科目(法務演習Ⅲ)については、1科目を除きS評価であり、トップレベルの成績評価を得ていました。なお法務演習Ⅲについて、Bさんについては、これほどの成績評価を得ていません。

 そのため、全額免除を得るためには、合格水準にあることは当然のこと、その上で法務演習Ⅲ科目、可能であればその他の専門科目や外国語能力等の評価が、相対的に優れていることが望まれます。
 いずれにせよ、まずは法曹コースで合格することが前提となります。大変な道のりかと思われるが、1年次から少しずつコツコツと勉強し、まずは2年生終了までにGPA3以上の好成績を得て欲しいです。

5 入試対策について

 入試対策や同大学入試の傾向と対策(2022年度入試版)については、既にBEXAに寄稿した通りです(https://bexa.jp/columns/view/314)。
 2023年度入試版については、7~8月頃を目途に、若干の加筆・補訂を行う予定であるが、ベースはそれほど変わらないと思われます。今年度版をリリースするまでは、上記2022年度版資料を参照願います。

 

今回もBEXA記事「法科大学院入試対策ガイド」をご講読くださり、誠にありがとうございます。
今回は「2022年度 慶應義塾大学法科大学院入試選抜について」をご案内いたしました。
次回以降も、上位・人気校の22年度入試の分析・傾向について解説させていただきます。

ご期待ください。

独自の【2022年度 主要法科大学院入試総括表】(別添付図表)も合わせてご活用ください。

「主要法科大学院入試総括表」をご覧いただくにはログイン又は無料登録が必要です。

 

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