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2022年度 法科大学院入試対策ガイド 第4回 ~何を聞かれるか分からない不安解消に役立つ!面接(口述)試験の傾向と対策を解説~

2021年7月25日   藤澤たてひと 

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一般記事 - 法科大学院・ロースクールを選ぶ - 藤澤たてひとの法科大学院受験シリーズ 2022年度版

目次(項目番号は第1回からの通し番号です)

  1. 法科大学院を受験する皆さんへ
  2. 4 何を聞かれるか分からない不安解消に役立つ!面接(口述)試験の傾向と対策を解説
  3. 分かっているようで分かりにくい面接試験の傾向と対策

法科大学院を受験する皆さんへ

 このガイドは法曹へ関心を持つ皆さんに法科大学院の紹介とその入試対策を活用してもらうという目的によるものです。
 内容は大きく分けて《法科大学院とは》《法学未修者コースとは》《法学既修者コースとは》《各校別》の4つです。そのほかにも,試験日カレンダー などの資料も随時アップします。

4 何を聞かれるか分からない不安解消に役立つ!
面接(口述)試験の傾向と対策を解説

(法学未修者コース・法学既修者コース共通です。)

  2022年度 法科大学院入試対策ガイド第4回は面接(口述)試験についてです。 ツイッターの質問箱で,受験生の皆さんから質問が多かったので予定を変更させていただきます。ご了承ください。

 (第1回「法科大学院ってどんなところ?」はこちらから。

 (第2回「入試選抜の分かりにくいところをズバッと解説!」はこちらから。

 (第3回「ロースクール受験シーズン突入。未修者にすぐ役立つ、教材と勉強方法を解説!」はこちらから。

 下記本文中、ブルー太字のQ部分が皆さんからの具体的な質問例です。

分かっているようで分かりにくい面接試験の傾向と対策

ア 面接の方法について

Q.私の受験するロースクールには,「口頭試問」や「口述試験」があると記 載されています。しかし,何を聞かれるのかわからないです。また私は法学を殆ど学んでいないので,仮に法律の知識を要する事項について質問されても何も答えられないと思います。どうすればよいのでしょうか。

A.面接には,志願者面接と口頭試問型の2種類があります。
 未修者特別選抜試験を除き,口頭試問と書いてあっても,志望動機やステートメントの内容について質問される,いわゆる志願者面接型が殆どです。

◆面接の種類について◆
 ①志願者面接
志望動機等を確認して受験生の人柄・意思疎通能力・志望度等を測るもの。
 ②口頭試問型
面接当日に課題文などが与えられ,それを指定された時間内に読み,内容を把握したうえで求められた質問に回答するもの。

 一般的には①ですが,例外的に,京都大学大阪大学の未修者特別選抜入試では,過去の慣行・傾向を見る限り,②が採用されています。
 なお,今年2022年度入学者選抜から名古屋大学でも未修者特別選抜入試が導入されましたが,国立大学における未修者特別選抜ついてはいずれも②を採用しているため, 名古屋大学についても同様の選抜形式であることが予想されます。

 そのほかについては,口頭試問という名目であっても,実質は志願者面接である法科大学院もあるので注意が必要です(例:東京都立大学法科大学院)。
 ただし,ステートメントにおいて具体的に判例名について記載した場合(例えば研究テーマとして記載したもの等)については,例外的に質問される場合があります。

イ 面接の質問事項について

Q.志願者面接についてお伺いします。ロースクール入試における面接では,受験生のどのような能力を測っているのでしょうか。また面接官にはどのような質問をされるのでしょうか。例年の傾向を教えてください。

A.上記2点(志願者面接と口頭試問型)について,別々に回答いたします。

(ア)志願者面接について(総論)
 志願者面接は,受験生自身がその法科大学院に入学するのに適切な人材であるか,究極的には受験生を入学させることにより自校にメリットがあるかという点を見ています。  質問は,大まかに以下の6つのケースに分類されます。
 ①法曹を志望した動機
 ②自分の将来像
 ③なぜ法科大学院を選んだか
 ④なぜこの法科大学院を志望したのか
 ⑤大学時代や社会人時代に関する質問
 ⑥ステートメントの記載内容について
(内容の詳細については後述。)

 近年の傾向からすると,受け答えの内容が合否に左右するのではなく,法曹としての適格性や説得力,志願書の内容に関する確認,受験生のコミュニケーション能力を測った上で,筆記試験の結果や他の書類と総合して合否を決定しているようです。もちろん,受け答えや相手の質問に答えることが出来ず,その結果面接で落とされてしまう方もいますので,相手の質疑に対し落ち着いて対処し,きちんとした受け答えができるようにしましょう。

 法学未修者コースの面接は,法学既修者コース入試と比べると,入試担当者からの質問も多く,かつ時間も長い傾向にあります(15~20分程度)。

 なお、面接当日の服装については特に指定のない法科大学院が多いです。その場合,私服着用も可能ですが,受験生の大半がスーツを着用しています。また,面接官に見られることや,選抜試験であるという特性上,スーツで受験に臨むことが無難です。

(イ)志願者面接における質問内容について(詳細)
 志願者面接では上記視点より以下に大別されます。
 ・志望動機関連
  なぜ法科大学院か,予備試験でない理由,自分が理想とする法曹像,受験する法科大学院に期待していること
 ・教育理念関連
  たとえば国際性を教育理念として掲げている学校であれば,自分は国際性のある人材であるか,または視野の広さや潜在性があるか
 ・ステートメントや志願者報告書の記載内容,あなた自身について説明を求めるもの
 ・その他特記事項(学費の捻出方法,実家から通学するか否かなど)

 本番当日に知らない質問が来ても,上記のように大別して考えておけば焦る必要はありません。また面接官は,「あなたのこと」を知ろうとしているのであって,あえて落そうとしているのではありません。
 聞かれていることを正確に把握し,回答に困ったときは上記の視点から,素直に回答しましょう。
 面接の回答に正解はありません。ただし、質問の趣旨とは全く異なる回答を連発することや,相手を不快にさせるような言動を発した場合,面接官に基本的な意思疎通能力不足と評価されかねません。(万が一本番でそのような事態が生じた場合は,素直に謝りましょう)。
 常に,あなた自身が面接官だったらどう感じるか,という視点で物事を考えていきましょう。落ち着いて対処すれば,皆さんならきっとできるはずです。

ウ 口頭試問型の面接について

Q.ずばり,口頭試問型の面接ってなんですか。

A.面接の場で課題を与えられ,2~3分程度の短時間で課題文を読み取り,その上で面 接官より課題文について質問される形式のものです。

 ◆例として◆
京都大学未修特別選抜入試(2021年度入試)
 試験時間30分のうち,ステートメントに関する質疑応答(志願者面接)が5分程度,25分程度が口頭試問型面接。口頭試問型面接では2分30秒程度でA4用紙1枚~1枚半程度の課題文を読解した後,22分程度でその記載事項に関する質疑応答がなされます。

早稲田大学人材発掘入試(2022年度入試より廃止。口頭試問の参考として)
 冒頭に志願者面接あり。それを経た後,与えられた課題文を読解後,質疑応答をするもの。題材は面接時に話題となっている時事問題が採用されている(参考:2020年度入試:受精卵のゲノム編集問題を題材とした課題文)

大阪大学未修特別選抜入試(2020年度入試)
志願者面接なし(人にもよる)。入室し着席直後にA4用紙2枚程度の課題を与えられ,8分程度で読解する。その後文章の内容について問われた後,課題についての意見を述べ,それにつき問題点などを踏まえて面接官と意見交換するもの。

 このように,口頭試問型でも志願者面接型とのハイブリッド型で面接が行われる場合が多いです。ただし,メインはあくまでも口頭試問です。

 口頭試問型についても解答は1つではなく,また唯一絶対の正解というものは存在しません。与えられた課題文の内容を適切に把握し,意見を述べることに集中しましょう。

エ 口頭試問型の面接対策について

Q.口頭試問型の面接では,突然面接で課題が与えられると聞いています。そのような場合,事前に準備は不可能だと思います。また口頭試問対策のための市販参考書などはないと思いますが,どのように対策すれば良いでしょうか。

A.口頭試問型の面接試験(京都大学大阪大学特別選抜入試など。かつての早稲田大学人材発掘入試も同様)では,与えられた課題を読み,それに対する解決策を述べよという題材が殆どです。

 その課題とは,①最近問題となっている社会問題に対する意見,②与えられた架空の事例に対する自分の意見を最初に述べ,それに対する面接官からの反論を踏まえてどのような妥当な結論を導くことが出来るか問われる傾向にあります。

  これらの対策については,『【第3回連載】エ.お薦めの勉強方法はありますか?』項目で述べたのと同じことをすれば,対策として非常に有益です。  小論文と同様の対策をすることで,口頭試問型の面接試験の対応は可能です。日々の生活の中で,問題となってる事柄を適切に把握し,表現する訓練をしていきましょう。

オ 口頭試問型の課題予想・重要点について

Q.今年度の口頭試問型で狙われてもおかしくない・重要な時事問題について,教えてください。

A.ワクチン接種問題,自然災害に対する対応,オリンピック問題等多々挙げられます。

 正確な解答筋の小論文(上記法科大学院が公開している解答解説)であれば,配点や公式解答例が記載されているので,自分の解答がそれに沿って記載されているか,各自で小問ご とに確認しましょう。

 たとえばワクチン接種問題であれば,疫病拡大を防ぐためにワクチン接種を全員強制とすることの適否(架空事例)といった課題について質疑応答を図ることは容易です。実際に昨年度も法学既修者入試(筑波大学や慶應義塾大学)や法学未修者入試の課題としてコロナ問題について考えることを求められています。これについては他にも,なんらかの疫病対策として,特定の業種・特定の行為のみを対象として国が一律禁止とすることの合理性について検討する課題も考えられるでしょう。特定の事業者に対し給付金を支給する施策・一律一定額とすることの合理性についても同様です。

 また,土砂災害など自然災害が生じた際の緊急時の対応と,その規制や諸問題など,法知識がなくともどのような問題があったか抑えておくと良いと思います。

 ほかにも,出社せず自宅からオンラインで勤務することの是非(情報管理等問題の観点),夫婦別姓についての是非(法律知識は不要),オリンピックに関する諸問題など,今年度の時事問題は豊富です。

 いずれにせよ,これらの問題についても『【第3回連載】エ お薦めの勉強方法はありますか?』項目記載の方法で対応は可能です。 少しずつ知見を広げていきましょう。

 今回も,BEXA記事「2022年度 法科大学院入試対策ガイド」をご講読くださり,誠にありがとうございます。
 今回は前回の小論文試験対策と関連する面接対策についてご案内いたしました。
 次回,お待たせの「ステートメント対策」について解説する予定です。
 ご期待ください。
 また,「【更新版】2022年度 法科大学院入試 試験日カレンダー 6月~12月分」もご活用頂ければ幸いです。

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