「当てはめが薄い」「判例を踏まえろ」──そう言われても、何をどう書けばいいのか分からない。
論点も知っている。判例も覚えた。なのに、答案になると手が止まる。
教材も学習法も一通り試した。けれど、憲法だけは手応えがない。
高得点でなくていい。ただ、合格ラインに届くための具体的な方法が知りたい。
この悩みに、はっきりとした道筋を示すのがこの講座の役目です。
憲法は、事例が独特で判例との類似性が薄く、覚えた知識をそのまま使えない科目です。
だから、多くの受験生が「知識はあるのに書けない」という壁にぶつかります。
この講座では、その壁を超えるために──
知識を答案に落とし込む“3ステップアプローチ”を提供します。
これは──
・答案の型(構成・分量の整った書き方)
・覚えるべき知識(論点・判例)
・その引き出し方と使い方(論点想起シートと着眼点)
をすべて一体化した、憲法論文の総合フレームワークです。
これに沿って、“当たり前のこと”を丁寧に積み上げればいい。応用力やセンスは不要。
苦手なままでも、合格ラインに届く答案が書けるようになります。
憲法は、知識だけでなく、その使い方や論述にも配点が大きく、問題によって点数のブレが出やすい科目です。
だからこそ、憲法は上位答案ではなく、安定して合格ラインを超える、いわゆる「沈まない答案」を目指すのが最も合理的です。
基本論点を押さえ、当てはめを丁寧に書ければ、合格ラインには安定して届く。
他の受験生が書けるところを落とさない──それだけで戦えます。
だからこの講座では──
・過去問で重要論点だけを対策
・判例・学説も、答案で使う部分だけ
・マイナー論点は深入りせず、短答知識で対応
やるべきことを絞るから、誰でも再現できる。
それが「沈まない答案」という、憲法における最も合理的な戦略です。
この講座では、憲法論文に必要な「書き方」と「重要問題」の両方を一つにまとめています。
知識を答案に落とし込むためのフレームワーク──型、論点、判例の使い方を整理した3ステップアプローチ。
それを実践的に身につけるため、予備試験の過去問を中心に、司法試験から重要論点を補った16問を厳選しました。
書き方と問題の両面から、合格ラインに達するための最短ルートを提示する──それが本講座の設計思想です。
憲法論文の具体的なつまずきは、主に次の2つです。
・覚えた判例や学説の知識が使えない
・当てはめが具体的に書けない
この2つの“つまずき”を克服するために──
論文の型・知識・思考の視点をすべて組み込んだ、総合フレームワークとして3ステップアプローチを提示します。
「どこで、何を、どう書くか」が明確になり、迷わず答案を書けるようになります。
この3ステップアプローチは、以下の4つのポイントから成り立っています:
1. 分量と構成を整える「3ステップ答案」
2.「判断枠組みとしての判例」の使い方
3.「パーツとしての判例」の使い方
4. 書き方に迷わなくなる「着眼点」
3ステップアプローチの出発点は、「どんな問題でも同じ型で書ける」ようにすること。
そのために、まずは答案全体の構成を3つのステップに整理します。
ステップ | 概要 |
---|---|
ステップ1 憲法問題との抵触 | どの権利がどのように制約されているのか? |
ステップ2 基準の設定 | どの基準で判断すればよいか? |
ステップ3 当てはめ | 事案に即して具体的に評価し、結論へと導く。 |
これは、一般的な三段階審査(保護領域 → 制約 → 正当化)を論文用に再配置したものです(下図参照)。
基準ばかり長く、当てはめが短い──あるいはその逆。そんなバランスの崩れは、正しく書けていないことのサインです。
3ステップに沿って書けば、どこにどれだけ書くかが明確になり、構成が安定します。
そしてこの3ステップは、単なる構成のための枠組みにとどまりません。
このあと説明する判例の使い方や着眼点も、すべてこのステップに紐づいています。
憲法判例の知識を正しく使うには、「2つの使い方」を区別することが大切です。
1つ目は、ステップ2(基準設定)で使う判例です。
いわゆる「判断枠組みとして使う判例」で、基準を立てる場面で、そのまま引用できる形式になっています。
ただし、憲法判例の多くは比較衡量型で、こうした使い方ができる判例はごく一部に限られます(下図参照)。
本講座では、過去問で実際に使われてきた判例のうち、“判断枠組み”として機能するものだけを厳選して解説しています。これを落とさなければ、合格答案に必要な水準は十分に満たせます。
2つ目の使い方は、ステップごとの論証パーツとして判例を使う方法です。
目的手段審査では、判例の判示部分のうち、目的手段審査に関係のある部分(パーツ)を抜き出して使う必要があります。たとえば、取材の自由が保障されているかは、判例(博多駅事件)のうち、取材の自由について判示している部分を抜き出して答案に書くことになります。
パーツとして判例を使う場面は、特定の権利とステップごとに、ある程度決まっています。
例えば、信教の自由なら、ステップ1で「保障の範囲」「宗教団体の定義」、ステップ2で「間接的制約の評価」「保障の主旨」「政教分離違反の判断枠組み」といった具合に、どのステップで、どの知識を使うかが見えてきます。
本講座では、それらを一覧化した論証集=論点想起シートを用意しています。
このシートは、各ステップ・各権利で問われる「クエスチョン」を提示し、講義の中でその「答え」と「引き出し方」を丁寧に解説します。
さらにその答えも、“沈まない答案”に必要な範囲だけに絞って、現実的に覚え切れる量に抑えています。
復習でもこのシートを使えば、知識の整理も引き出し方の訓練も、すべてここで完結します。
憲法の論文試験では、「何を書けばいいのか」が見えずに手が止まる場面が少なくありません。
そんなときに役立つのが、各ステップで使う思考の枠組み=着眼点です。
実は、司法試験や予備試験は年度や分野が違っても、共通する思考の枠組みや注意点があります。この講座では、講師・荒井誉史が過去問を徹底的に分析し、
実際に使える思考の枠組みや注意点だけを厳選して、着眼点として提供しています。
例えば、手段の必要性の検討の際、「より制限的でない手段」が思いつかず、当てはめが具体的に書けないと悩んでいる人が多いと思います。「より制限的でない手段」は、以下の5つの着眼点を使えば、思いつくことができます。
(1).規制の期間を短くできないか
(2).規制の対象を限定できないか
(3).予防的な規制ではなく、事後的な罰則で足りないか
(4).現状の法制度では対応できないか
(5).類似の問題が現実社会でどう扱われているか
こうした着眼点があることで、ゼロから考え込まずに済み、当てはめが具体的に書けるようになります。
できる人が無意識にやっている思考を、誰でも使える形で示したのがこの“着眼点”です。
「沈まない答案」を書く。
──それは、誰もが解ける問題で、ミスなく確実に点を取るということです。
予備試験・司法試験は相対評価。
つまり、みんなが解ける問題を取りこぼさないことこそ、最優先の戦略になります。
逆に、「誰も書けないようなマイナー論点」に時間を使うのはコスパが悪い。
点差はつかないうえに、対策にかかる手間は重い。
だからこの講座では、合格に本当に必要な問題だけを、絞って対策します。
・予備試験の過去問を中心に構成。出題傾向や形式に慣れながら、重要論点を網羅。
・予備試験未出題の重要論点も、司法試験過去問や補論(第17回)でフォロー。憲法論文に必要な知識をこの講義だけでマスターできる。
・マイナー論点は深入りしない。R4予備試験の回で、短答知識を使った処理方法を習得。
回数 | 年度 | 表題 |
---|---|---|
1 | R2予 | 答案作成の基本/取材の自由 |
2 | R3予 | 表現の自由 |
3 | R1予 | 処分違憲/信教の自由 |
4 | H28予 | 表現の自由(応用1) |
5 | H23予 | 平等権 |
6 | H26予 | 消極的結社の自由 |
7 | H25予 | 結社の自由/立候補の自由 |
8 | H30予 | 司法権の範囲/名誉毀損表現 |
9 | H29予 | 財産権 |
10 | R4予 | 最近の予備試験/マイナー論点解説 |
11 | H24本 | 政教分離 |
12 | H30本 | 知る権利(抜粋) |
13 | R1本 | 表現の自由(応用2) |
14 | R4本 | 学問の自由(抜粋) |
15 | R5本 | 生存権・平等権 |
16 | R6本 | 職業選択の自由/営利表現 |
17 | - | 補論/過去問講義で扱っていない論点解説 (プライバシー権、集会の自由、外国人の権利など) |
教科書的な理想解ではなく、本番で実際に書ける「沈まない答案」をモデルにしているので、自分の答案と比べるだけで、何を直せばいいかが明確になります。
3ステップアプローチで、論文の型・知識・使い方を整理し、16問の過去問で、合格に必要な重要論点を実践的に押さえる。
憲法だけが書けない──その状態を、ここで終わらせるための講座です。
社会人から法律を学び始め、未経験から予備試験・司法試験に短期合格。
合格者が無意識にやっている思考の“型”を言語化し、誰でも再現できるように整理。
単なる知識を「書ける力」に変えることで、努力が確実に成果に結びつく講義づくりを大切にしている。
テキスト | 受講者様にはテキストをPDFで配布します。 ※製本配送はありませんのでご注意ください。 |
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動画講義 | 動画講義 本講座はストリーミング再生による動画講義です。 ※DVD販売は実施いたしません。 |
講義テキスト | 答案作成のプロセスを丁寧に解説したメイン教材 |
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講師答案 | 本番を想定し、現実的に書けることを重視したオリジナル答案 |
論点想起シート (論証集) | 必要な知識と引き出すタイミングを一体化した論証集 |
講義時間:
約19時間6分
配信状況:
全講義配信中
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