ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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履行補助者の場合でも、報償責任の法理を指摘することは可能と考えます。
野澤正充先生の『債権総論 セカンドステージ債権法Ⅱ〔第4版〕』60頁によれば、履行補助者について「今日の判例(大判昭和4・3・30民集8巻363頁)及び学説では、債務者の責任が認められることに争いはない。というのも、今日の経済社会においては、企業が取引の主体の中心であり、債務者(企業)は、履行補助者を用いることによってその活動領域を広げて利益を得るものであるため、履行補助者の行為についても、債務者の責任を認める必要があるからである(平井・債権総論83頁)。このような理解は、被用者の不法行為について使用者が責任を負う(715条)根拠(報償責任・危険責任)と同様である。」とあります。
この記述によれば、履行補助者の行為について債務者の責任を認める根拠が被用者の不法行為について使用者が責任を負う根拠(報償責任・危険責任)と同様であると読めますので、同書の立場に依るならば報償責任の法理を履行補助者の場合でも指摘可能と考えます。