「知識は覚えたのに受からない…」という壁
予備試験論文に挑む多くの受験生は、基本書や演習書で知識を積み上げ、過去問も何周も解きます。
それでも合格ラインに届かない。
64歳で予備試験に合格し、その翌年に司法試験にも合格した加藤洋一講師も、かつては同じ悩みを抱えていました。
「2022年の予備試験論文では、合格ラインにあと3点。刑法D、刑訴Fでした。論証は覚えているはずなのに、何が足りないのかわからなかった。」
加藤講師は「知識をもっと積めば解決する」と考えていましたが、転機は剛力大講師との出会いでした。
剛力講師の衝撃の一言
予備短答を短期合格したBEXA人気講師・剛力大講師。
加藤講師は、ネットで見つけた剛力講師の個別指導を受けます。
初回の答案添削で、剛力講師はこう指摘しました。
「これはF答案ですね。」
「えっ…?知識は書けているつもりだったのに…。」
剛力講師が指摘したのは、事実の評価が欠けていることでした。
「“知っている”だけでは合格できません。理解したうえで、事実に意味を与え、有利か不利かを評価する力が必要です。」
事実の評価とは何か
事実の評価とは、問題文に書かれた事実を法的要件にひもづけ、それが有利か不利かを明示し、結論の理由として活用することです。
これがなければ、答案は単なる知識の羅列で終わってしまいます。
剛力講師が加藤講師に教えた、事実の評価を入れる具体的手順は次の通りです。
- 問題文から事実を正確に抜き出す
- 関連する要件にひもづける
- その事実が有利か不利かをはっきりさせる
- 評価を踏まえて結論の理由を補強する
予備論文合格のための暗黙知「コア思考」と「コア知識」
剛力講師は、予備試験論文に合格するために必要な要素は以下だと話します。
①コア思考
理解と事実の評価を伴う知識。
ただ「知っていればいい」のではなく、「理解」をした上で、自分の言葉での「評価」が必要。
事実に対する「評価」が足りてない受験生が多く、解像度が低いため、合格に繋がらない。
例:令和4年刑法「甲の正犯性・共謀の射程」
例:令和5年刑法「因果関係、利用処分意思」
例:令和4年刑訴「捜索の蓋然性要件」
→「コア思考」の習得はマストで行わなければいけない勉強。
各科目の幹になる「コア思考」が習得できていると枝葉の知識の習得も効率が良くなる。
まずは「コア思考」の習得が優先。
②コア知識
コア思考と比べ、知っていればよい知識(事実のあてはめ・「評価」までは要求されない)。
民事訴訟法や刑事訴訟法における出題でありがち。
→対策としては、演習書や演習教材を網羅的にやりこむことでOK。
「多くの受験生は“知識”ばかり重視し、“コア思考”や評価を軽視します。それでは一生受かりません。」
コア思考を身につけるための3ステップ
1. 抽出:過去問や出題趣旨からコア思考を洗い出す
2. 理解連動:短答の理解をベースに論文へ応用
3. 反復練習:答案で事実の評価を繰り返し組み込む
加藤講師の成績が変わった瞬間
この方法を取り入れた翌年、加藤講師の成績は大きく変わりました。
- 2022年:刑法D、刑訴F
- 2023年:刑法A、刑訴B
「事実の評価を答案にどう入れるかを徹底的に練習しました。それが合格の決め手だったと思います。」
実務基礎Aと科目戦略
剛力講師は、実務基礎Aの重要性も強調します。
配点比重が高く、
事実の評価力を鍛えるのにも最適な科目です。
さらに、時間が限られている受験生にはこうアドバイスします。
- 全科目の完璧化は不要
- コア思考を最優先
- 苦手科目だけ網羅的に演習
試験までの過ごし方
剛力講師のアドバイス
- 新しい教材・論点に手を広げず、これまでの内容を精度高く回す
- 「コア思考」と「事実の評価」の確認を最優先
- 苦手科目は直前でも知識抜けを潰せば得点アップ
- 実務基礎Aは直前期も取り組む価値が高い
- 解答時間を意識した答案練習を行う
加藤講師のアドバイス
- 本番に合わせて生活リズムを調整(朝型、本番時間帯で答案練習)
- 制限時間内に答案を書く練習を繰り返す
- 体調管理を優先し、詰め込みすぎない
- 過去に間違えた問題や弱点分野を集中復習
- やることをリスト化し、淡々とこなしてメンタルを安定させる
次の一手──効率的に事実の評価を身につけるなら
事実の評価やコア思考は、独学では習得に時間がかかります。
効率よく短期間で身につけるなら、体系的な講座で学ぶのが近道です。
剛力大講師「これだけ!75」
全科目のコア思考を効率整理。事実の評価を含む答案作成の土台を固める。
剛力大講師「事実の評価で差がつく!予備試験論文過去問講座」
過去問を使い、事実の評価を答案に落とし込む実践力を養う。
加藤洋一講師「これだけ!論文攻略講座」
社会人合格者の戦略で、限られた時間を最大限に活かす答案作成法を学べる。
まとめ
予備論文合格のカギは「知識量」ではなく「知識×コア思考」。
その中核にあるのが事実の評価です。
今日から暗黙知を学び、自分の答案を変えてみませんか?