ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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住居侵入罪と詐欺罪については牽連犯としない方が無難だと考えます。
牽連犯は、罪質上通例、その犯罪どうしが手段と目的・原因と結果になっている場合をいいます。「罪質上通例」とあることから、単に犯人の思惑として手段→目的・原因→結果となっているだけでは足りず、犯罪の性質上類型的に見て手段→目的・原因→結果となっていることが必要です。
すると判例上は、住居侵入罪と窃盗罪や殺人罪、偽造文書行使罪と詐欺罪は牽連犯となりますが、住居侵入罪と詐欺罪を牽連犯とする判例は私が調べたところないようですので、試験対策としては牽連犯としない方が無難と考えます。
牽連犯については、代表的な判例が牽連犯を認めたものを押さえておけば足ります(『基本刑法Ⅰ』429頁参照)。言い換えると、代表的な判例が牽連犯を認めていないものについては、試験対策上は牽連犯としない方が無難と考えます。