ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
-----
これについては、櫻井先生・橋本先生の『行政法〔第6版〕』(弘文堂)6頁に以下の記述があります。
「公法・私法二元論は、ドイツ型の立憲君主制を採用する明治憲法下において登場し、私法に対する関係で公法の特徴を強調することで国家権力を正当化し、これを擁護する機能を有していたということができる(官のための行政法)」
この記述によれば、我が国が明治時代に欧米列強に対抗できるだけの強い国づくりをする一環として、国家権力の正当化と擁護のために公法・私法二元論という議論がなされたものと考えられます。
もっとも、戦争終結後はアメリカ型の憲法が導入されたため、戦後の行政法学は公法・私法二元論を克服することに強い関心が払われたとのことです。