ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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本問で政教分離原則(20条1項後段・3項、89条前段)のみの記述ですと、学生A・Bの言い分(20条1項前段)を論じ落とすことになるので、Aらの信教の自由と絡めて政教分離原則を処理するのが理想的です。
まず本問では、学生Aらの主張としては、単位を認定しないことや授業への出席を認めないことが信教の自由を侵害し違憲だとなります。これは、20条1項前段の話です。
これに対し学校の主張としては、Aらについて宗教上の理由で代替措置などを採ると、特定の宗教故に優遇しているとして政教分離原則(201条項後段・3項、89条前段)に違反するので、Aらを特別扱いできないとなります。これは、20条3項の「宗教的活動」の話です。
つまり、Aらとしては学校から代替措置がないことを信教の自由(20条1項前段)への侵害で違憲と構成するのに対し、学校としてはAらへの代替措置が20条3項の「宗教的活動」に当たり政教分離原則違反となるので、代替措置を採らなくても合憲という構成になります。
このように両者の主張を支える条文が20条1項前段・20条3項と異なるので、政教分離原則の話だけですと、Aらの20条1項前段を論じ落とすことになります。
そして本問は、学校が代替措置を採っても政教分離原則に違反しないのであれば、学校はその代替措置を採るべきであり、採らなかったのであればAらの信教の自由を侵害し違憲となります。
言い換えると、代替措置を採ることが政教分離原則に違反するのであれば、学校は代替措置を採ってはならず、Aらに配慮する必要はない。よって、Aらが代替措置なしで不利益を受けても合憲となります。
このように、代替措置が20条3項で禁止される「宗教的活動」に当たらない(政教分離原則に反しない)のであれば代替措置を採ることができるので、代替措置を学校は講じるべきとなります。にもかかわらず措置を採らないのであれば、Aらの信教の自由を侵害しているとして違憲となります。
逆に、代替措置が20条3項で禁止される「宗教的活動」に当たるのであれば(政教分離原則に反する)、学校は代替措置を採ることはできません。したがって、代替措置等を採らずにAらが不利益を受けても合憲となります。
この信教の自由と政教分離原則が表裏一体となる問題は難問の部類に入りますので、ゆっくりと理解を進めていければ大丈夫です。