ご質問ありがとうございます。
これは、Xの所有権に基づく返還請求の①自己所有・②相手方占有が認められたうえで、Y2の反論として③占有権原の抗弁をするところ、この抗弁が認められるかにおいて、612条2項の枠内で信頼関係破壊の法理を検討します。
まずXの請求は物権的請求権ですので、上記①②を満たすことを簡潔に認定します。すると、Y2の反論としては、③占有権原の抗弁が認められれば、上記①②が認められる場合でも、返還請求を封じられます。
そこでXとしては、612条2項による契約解除により賃貸借契約が終了するので、③占有権原の抗弁は否定されると主張します。これに対し、Y2から信頼関係破壊の法理を唱えて、背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるので例外的にXの解除権が制限され、なお賃借権という占有権原の抗弁が認められるとします。
以上の流れをまとめると・・・
1.Xは所有権に基づく返還請求を行い、①自己所有・②相手方占有は認められる。
↓
2.Y2は、上記①②が認められる場合でも、③占有権原の抗弁として賃借権を主張し、Xの返還請求を拒みたい。
↓
3.Xは、③占有権原の抗弁を否定するために612条2項に基づく賃貸借契約の解除を主張し、Xの解除を封じるために、Y2は信頼関係破壊の法理を反論として述べる。
というロジックになります。