ご質問ありがとうございます。
これはお考えのように、修正された客観的危険説と捉えても差し支えないと思います。
純粋な客観的危険説は科学法則を基準に判断することから、事後的・科学的に危険性を判断すると、結果が発生しなかったのには必ず原因があり、結果不発生のすべてが不能犯になるという問題点があると説明されます(『応用刑法Ⅰ』314頁)。
そのうえで、『応用刑法Ⅰ』の323頁に「判例の考え方を最も忠実に説明できるのが修正された客観的危険説である」とあることから、おそらく中村先生の方でも「社会通念」という言葉を使うことで修正された客観的危険説をデフォルメし、同説に依拠した考えを採用しているものと思われます。