ご質問ありがとうございます。
スケジュールについては、試験当日までに絶対身につけたい教材と過去問をセレクトし、それを試験の1か月前までに終わらせられるように立てるのが一手です。
まず司法試験の場合であれば、平成18年~令和4年度までの全短答過去問、平成25年~令和4年度までの論文過去問、お手持ちの論文式問題集(例としては、中村充講師の4S論パタ問題集など)をセレクトします。これらの素材が、試験当日までに絶対身につけるべきものであることが多いです。
今の司法試験では、短答で高得点が取れるとアドバンテージが大きくなるので、短答過去問は平成18年からの問題をすべて解きます。一方で論文は、ひとまずは平成25年度までの10年分をセレクトします。これは、論文過去問の分量が増えてきているので、まずは直近10年分をしっかり取り組もうという意図です。もちろん時間があれば、より古い年度の問題もしっかりと解きます。
そのうえで、まずはすべての素材を1ヵ月で1周回せるように、大まかに日割りしていきます。ここはあまり厳密に決めすぎると、少しのペース乱れで一気に総崩れになるので、敢えて大雑把に決めた方が学習を進めやすいです。
そのため、まずは1ヵ月で1周するという目標を決めて、1日の間にできる限り進めるというルーティーンを約30日分繰り返した方が、無理なく学習を進められる場合が多いです。
おそらく、1ヵ月に1周という目標を立てても守れない場合がとても多いのですが(これは多くの合格者に共通するのですが、スケジュール通りに学習を進めて受かる人間は、私も含めてほとんどいません。大多数がスケジュール通りに進まないまま試験に突入します)、その場合でも、「自分が決めた範囲を何度も周回する」という意識を持って、1ヵ月の間に過去問と問題集をできるだけ進めるという発想の方が安全です。
質問者さんがそうだという訳では全くないのですが、スケジュールにこだわる受験生は、実現不可能な緻密な計画を立てようとした挙句、少しのペース配分ミスで総崩れになるというケースが非常に多いのです。
そこで逆説的ですが、敢えて細かいスケジュールを立てず、試験当日に絶対に身につけるべき学習素材を先に選択し、それらを1ヵ月で1周することを努力目標にして、1日ごとに最善を尽くしながら臨機応変に取り組んだ方が、挫折しにくく学習を継続しやすいです。最終的に、上記の素材を何度もしっかりと周回できれば、合格が見えてきます。
そのうえで、試験の1ヵ月前までにひと通り終わらせるつもりで周回し、直前1ヵ月はやり残した部分のフォローなどに充てるのが一手です。