ご質問ありがとうございます。
国賠法1条1項の「違法」については、職務上通常尽くすべき注意義務を尽くしたか否かという点から判断します(職務行為基準説)。
これは、公務員の行為が結果として特定の規範に反することがあったとしても、行為当時の状況を基準として当該公務員がなすべきことをしていたかという観点から違法性が否定される場合があり得るという考え方を前提にしています(櫻井・橋本『行政法』365頁)。
そのため、処分の手続的・実体的違法があれば、直ちに1条1項の「違法」となるわけではなく、その手続的・実体的違法について職務上尽くすべき注意義務を尽くしていない場合に1条1項の「違法」となります。
したがって、「違法」の意義として職務行為基準説を最初に明示し、手続的・実体的違法を認定したうえで、その手続的・実体的違法に注意義務違反があることを述べるという流れで検討するのがおススメです。