ご質問ありがとうございます。
基本的に、教材は科目・分野ごとに1~2冊に絞って何度も反復練習した方が受かりやすいです。司法試験系で出題される問題は、基本事項をどんな角度から聞かれても答えられるか・未知の事案に対して基本から考えて筋の通った議論が組めるかを試してくるので、これだと決めた教材に絞って知識・理解を深めた方が対応しやすいのです。
もっともこのことは、絞った教材以外を使ってはいけないということではありません。よくある誤解として、①「教材は手を広げるべきではないから、他の教材を一切使ってはいけない」とか、②「教材を絞りさえすればよいから、反復練習しなくてよい」というものがあります。
①の誤解は、「予備校に通っているから基本書は一切読まない」という形で顕現するケースが多いですが、メインの予備校教材を何度も反復しながら、分からない箇所は適宜基本書で調べた方が受かりやすいです。
そのため、絞った教材をメインウェポンとして何度も取り組みながら、補完的に他の教材を使用することは何ら否定されず、むしろ望ましいことなのです。
②の誤解は、教材を絞ること自体が目的化しており、反復練習という視点が抜けています。教材を絞る理由は、冒頭で述べた司法試験系の問題の性質故に、絞った教材を何度も反復練習して深い知識・理解を身につけるためであり、反復練習をしなかったら教材を絞った意味がありません。
そのため、絞った教材に対しては、「自分が一番その教材を使い込んだ」と思えるレベルに至るまで繰り返し繰り返しその教材に取り組むことが必須です。単に使用する教材を絞っただけで反復練習をしないのは、むしろ有害となります。
以上のように、司法試験系で出題される問題に対応するための深い知識・理解を得るために教材を絞ることは必要・有益ですが、①絞ったメイン教材を補完する過程で他の教材を適宜使った方が受かりやすい、②絞った教材を浴びるほど反復練習しないと実力が伸びないという注意点があるので、この2点を踏まえて、質問者さん自身で使うべき教材をセレクトしてみて下さい。