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演習書を選ぶポイントとしては、①解説を自力で読んで理解できるか、②今の自分のレベルに合っているかという2点から選ぶのが一手です。
まず、演習書を使った学習の目的としては、基本問題の解法を習得する、予備校教材よりも一歩進んだ理解を得るというものが考えられます。
そのため、演習書の解説を自力で理解できるレベルに達していないと、誤読・曲解をしてしまい、返って合格から遠ざかるリスクがあります。そこで①として、解説を自力で読み進められるかを判断基準としてみて下さい。
もし、解説を読んでも意味が分からない部分が多いのであれば、まずは予備校教材にある程度取り組んでから演習書を使うのが無難です。
次に、①と重複しますが、②として自身の学習レベルとかけ離れた演習書を選ばないように注意しましょう。よくあるミスマッチとして、予備校教材で習うような基本事項があやふやな状態で上級者向けの演習書(『事例演習教材』シリーズ等)に手を出し、消化不良のまま丸暗記・棒暗記に陥って何も身につかないというケースがままあります。
『事例演習教材』シリーズも非常に素晴らしい教材なのですが、あれらはひと通り基本事項を習得し、過去問にもある程度習熟した段階で取り組むべき教材なので、それに至らない人が手を出しても返り討ちに遭うのが関の山です。
以上のように、①②を意識しながら演習書を選んでみて下さい。
参考までに、私個人のおススメ演習書を挙げると、民事系3科目は商事法務の『Law Practice』シリーズ(問題の網羅性と解説の分かりやすさが優れており、基本問題の解法を深めるのに役立つ)、刑事系は有斐閣の『事例演習 刑事訴訟法』(学術的に深い視座から解説がなされており、理論面の強化に役立つ)、行政法は日本評論社の『事例研究 行政法』(内容が手堅くまとまっておりバランスが良い)、上級者向けの演習書として『刑法事例演習教材』『会社法事例演習教材』等が挙げられます。
もちろん、最優先で習得すべきなのは、予備校の入門講座などで習う基本事項と短答・論文過去問なので、そのあたりのバランスを考えて演習書をうまく活用することを考えてみて下さい。