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司法・予備ともに、短答は知識量も大事になってくるので、知識量を増やすことで対応可能になる側面は大きいです。
しかし、知識量を増やすためのやり方を間違えると、知識を覚えにくく忘れやすいという状態になるので、注意が必要です。また、短答についても論文と同様、日本語感覚や論理的思考力といった知識量以外のアビリティも必要です。
まず、予備試験の短答を確実に合格する上では基礎の一歩先に短答プロパー知識まで必要になることや、司法試験の短答は最終合否判定に組み込まれることからできる限り高得点を取る要請があるので、知識量をそれなりに増やす必要はあります。しかし、闇雲に覚えても本番で使えません。
知識の増やし方としては、①まずは論文対策で論文用の基本問題を解き、その科目の幹となる知識を使えるようにする、②論文と並行して短答過去問のうち、正答率の高い問題(上3法なら60%以上・下4法なら50%以上)だけを集中的に解く、③正答率の高い短答過去問をある程度解けるようになってから、正答率の低い短答過去問を解く、④ある程度アウトプットが終わったら、テキストを通読するという過程を経ます。
ここでは、先に論文基本問題と正答率の高い短答過去問だけを集中的に解いて、基本事項をしっかり押さえます。法律の学習はメリハリが重要であり、科目ごとの重要事項を優先的に押さえないと、そもそも短答プロパー用の細かい知識を習得しにくいのです。
闇雲に知識量を増やそうとすると、丸暗記・棒暗記に陥り、知識の海に溺れます。そのため、重要基本事項→短答プロパー事項の順番で押さえた方がおススメです。
また、インプットでもアウトプットでも、常に条文を引いて読むことが必須です。司法試験系において知識があやふやな人は、条文を読んでいないことが多いです。常に条文を引いて読み、この知識はどの条文のどの文言の話かを意識することで、知識量を効率的に増やせます。逆に、条文に紐づいていない法律知識は、本番ではガラクタのポツコンになってしまうリスクがあります。
以上のように、できる限り条文に定位しながら、上記①~④の流れで学習して知識量を増やせば、短答は司法・予備ともに対応できる局面は増えます。
もっとも、知識量をいくら上げても、本番では未知の問題や論理的思考力を問う問題が必ず出ます。そのため、短答過去問を繰り返し解いて、選択肢どうしを比較してよりマシな選択肢を選ぶ訓練や、日本語のニュアンスから推論する訓練も必ず行ってください。
短答の場合は、知識量を上げることも重要ですが、日本語感覚や現場思考力も重要なので、様々な能力をバランスよく磨くことを常に意識しましょう。