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これについては、①週2回以上の頻度で1日30~45分ほどの有酸素運動をする、②答練を受講したり、過去問を時間を測って解いたりすることを繰り返して、本番慣れするのが一手です。
①について
まず、本番で過度に緊張し舞い上がってしまうのは、脳の中にあるコルチゾールというホルモンが関係しています。ヒトの脳は、ストレス刺激を受けると偏桃体が反応し、HPA軸を通じてコルチゾールが分泌され、身体が緊張反応などを起こすようです。
このときに、人によっては偏桃体が過剰反応することでHPA軸が制御しにくくなり、パニックになるようです。
しかし、有酸素運動をすることでコルチゾールの分泌バランスが整うので、結果的にストレスに対して身体が過剰反応しにくくなっていきます。そのため、質問者さんが定期的にランニングなどの有酸素運動をしていけば、徐々にコルチゾールのバランスが取れ、緊張からのパニック状態が緩和されると思います。
以上の話は、私が最近読んだ『運動脳』(アンデシュ・ハンセン著、サンマーク出版)という本に記述されているので、興味があれば読んでみて下さい。
②について
司法試験系の本番では、特に論文でアウトプットの負担が大きいことから、問題文を読みなれているか・答案を書くことに慣れているかが、思いのほか重要です。おそらく、これらに慣れていないために、パニックになりやすい面もあると思います。
これは、答練を受講する、又は図書館などで時間を測って過去問を解くという動作を積むことで徐々に緩和されます。
答練については、これを過度に否定する合格者もいますが、これは使い方次第です。
たしかに、過去問をあまり解いていない状態で答練を受けても身にならないのですが、一方で、ある程度過去問を解いており、(上位)合格答案のイメージがある程度持てているならば、受講することで得られるものも多いです。
答練では、初見の問題を時間内に解くという動作にさらされるので、これを実際に味わうことで、(個人差はあるものの)本番でパニックになりにくくなります。
また、答練を受けにくい状況であれば、図書館などで時間を測って過去問を解くという実地訓練を積んでください。その際には、制限時間を10~20分短くして解くのがおすすめです。要するに、本番よりも厳しい時間制限で演習することで、本番はある程度余裕を持って解答を作ることができるようになります。
以上のように、①有酸素運動を定期的に行う、②過去問起案や答練受講で実地訓練を積むという対策を採ってみて下さい。