社会人受験生です。ロースクールに進学する時間とお金がありません。ですので、予備試験を考えています。これは本当に効率的でしょうか。最短合格を目指したいです。
社会人の場合、予備試験一本でまずはチャレンジしてみるとよいでしょうが、上位LSの既修コースに合格できれば、そのタイミングで進学する方がいいと思います。上位LSであれば合格率が高いですから。
予備試験が効率的かどうかは、その受験生の気質や頑張りによるところが大きいので、一義的な回答をしにくいところがあります。
しかし、質問者さんが覚悟を持って、限られた時間で主体的・集中的に学習に取り組み、ご自身が合格するために何が必要なのかを自律的に考えられるのであれば、効率的に合格することは十分可能です。
まず、社会人受験生の場合は、可処分時間に限りがあることから、集中して学習に取り組むことが必須です。だらだらやってしまうと、これは社会人・専業受験生を問わず伸びません。そこで、使うべき教材を限定することで、習得すべき知識を大胆に絞り、その部分をまずは集中的に学ぶことが必要です。これについては、中村充講師の4S基礎講座を受講していただくと、重要基本事項を効率的に学習できます。
また、同じ問題や教材・本試験過去問を、答え等を忘れたフリして何度も何度も解くことが必要です。資格試験の学習においては、10冊の教材をそれぞれ1回解くよりも、1~2冊の教材を10回解いた方が受かりやすいです。
これは、資格試験で出題される知識は、日常生活ではまず触れないような小難しいものが多いので、1~2冊の教材に絞って何度も繰り返した方が小難しい知識や議論を頭に入れやすいのです。そのため、手を広げず、これだと思った教材と過去問を浴びるように何度も何度も解くことが必要です。
ちなみに、私は73期司法修習に行った人間なのですが、社会人出身の予備試験合格者に何名か会ったことがあります。その人たちから話を伺った限りでは、集中して学習できれば2~4年程度で合格できる人が多いようです。その人たちの中には、無名高校・大学の出身者も普通にいましたが、しっかりと学習すれば、今までの学歴・経歴をあまり問わず合格できると私は思いました。
もちろん、予備試験合格者の多数派は一流大学や上位ロースクールに通っている人たちなので、簡単な試験ではありませんし、中途半端な勉強量では返り討ちに遭うのが関の山です。しかし一方で、自分と真摯に向き合い、限られた時間を有効活用して主体的に学習に取り組める人であれば、学歴・経歴をあまり問わず合格できるのも真実です。
そのため、質問者さんが強い覚悟と決意を持って、2~3年ほど主体的に学習に取り組めるのであれば、十分に勝機はありますし、効率的に合格することも可能です。