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民事系の勉強方法としては、①常に条文に定位して基礎的な論文問題集と短答過去問を繰り返し演習し、基本事項に関する知識量・演習量をたゆまずに積み重ねる、②科目ごとの処理手順を意識するという2点を念頭に置いて、問題集と過去問を繰り返し解き、テキストを通読するのが最大公約数的な方法と考えます。
まず、民事系は、公法系・刑事系に比べると、問われる知識量・演習量が多いです。
そのため、事前に準備すべき知識や解法のストックをたゆまずに習得していくことが求められます。これについては、常に条文を引きながら基礎的な論文問題を解いて解法をストックしながら、短答過去問で知識を補充、予備論文過去問を解いて独特の難しさに慣れることが必要です。
もしBEXAの講座を受講できるのであれば、中村充先生の4S基礎講座がおススメです。 この講座では、重要な基本問題を条文・問題文に基づいて解いていくので、基礎的な論文問題の解法を効率よく習得できます。
他方、市販の書籍で学習するのであれば、解説が比較的詳しい問題数を使って基本問題の解法をストックしましょう。おススメの本としては、工藤北斗先生の『工藤北斗の実況論文講義』と伊藤真塾長の『伊藤塾試験対策問題集 論文』の2冊があります。この2冊は解説が比較的詳しいので、両方を解くことで基本問題の解法をストックできます。
そのため、4Sのような論文用講座を受講する、あるいは市販の解説が詳しめの問題集をしっかり解くことで、基本問題の解法を正確に押さえましょう。
おそらく論点がぼんやり見えるのは、基本問題の解法のストックが不足しているか、論点の元ネタの条文やその論点が問題となる典型例を押さえられていないことが原因と考えられますので、まずは基本問題をしっかりと丁寧に習得してみてください。
次に、闇雲に問題を解くのではなく、処理手順をできる限り意識して1問1問を大切に解いてください。民事系は知識量・演習量も大事ですが、処理手順も同じくらい大事であり、闇雲に問題を解き散らかしても実力が早晩頭打ちになります。
処理手順については、可能であれば上記の4S基礎講座を受講していただくのがベストですが、それが難しい場合は、上記で挙げた2冊をできる限り「なぜ、そのように考えるのか」という処理手順を強く意識して解いてみて下さい。
また、ある程度問題演習をしたら、テキストを通読するのも重要です。民事系はいろんな知識が雑多に問われるので、通読によって知識をつなげることも大事です。そのため、予備校テキストでも基本書でもよいので、定期的に通読して総復習を行い、知識を整理して理解・記憶を深めましょう。
以上のように、民事系の学習には近道があまりなく、地道な修練が求められます。
ここは腹をくくって、常に条文に定位して問題を浴びるように解きながら、「なぜ、そのように考えるのか」という処理手順を強く意識して知識や解法を習得し、過去問で思考訓練を行い、定期的に総復習をするという地道な動作を繰り返すことが大事です。