この場合は、まずは併合罪(45条前段)を検討するのが一手です。
併合罪は、2つ以上の犯罪を特にかかわりなく連続で犯した場合なので、まずはこのシンプルな形態である併合罪に当たるかを検討するのが無難です。
次に、観念的競合(54条1項前段)にならないかを検討するのが一手です。これは、1つの行為で2個以上の犯罪を実現した場合なので、その行為で被害を受けた人や物をカウントします。
それから、牽連犯(54条1項後段)を検討します。ここでは、罪質上通例的にそれらの犯罪が手段・結果になっているかが重要なので、牽連犯に当たるケースを短答対策を通じてある程度覚えてしまった方が得策です。
また、あまり出題されませんが、包括一罪も検討します。これは、複数の犯罪をまとめて一罪とするものであり、例としては街頭での募金詐欺があります。
以上のように、まずは併合罪で考えてみて、その中で1つの行為で2個以上の同時攻撃となった観念的競合がないか、実は併合罪ではなく罪質上通例手段・結果の牽連犯とならないか、はたまた包括一罪でまとめて処理かと考えるのが一手です。