一般論としては、そのような押さえ方の方が効率的です。
論文式試験では、司法・予備ともにその科目で重要といわれる条文・解釈論を題材にした問題が出題されやすいですが、これは重要基本事項を繰り返し出題することで受験生の理解度を正確に測定したり、真面目に学習した人を受かりやすくしたりするという狙いがあるものと考えます。
そのため、日頃の学習では、論文で出題される重要な条文と解釈論を優先して押さえるのが得策です。また、短答用の細かい事項は、論文用の重要事項を押さえたうえで学習しないと根無し草になりかねません。
司法試験系の学習はメリハリが重要であり、論文で頻出の重要事項(木に例えると幹)と短答用の細かい知識(木に例えると枝葉)があるところ、先に論文頻出の事項を押さえないと枝葉の知識も身につかず、論文も短答も中途半端という状態になりがちです。逆に、優先して論文頻出の事項をしっかりと学べば、論文式試験ではある程度戦えるようになり、短答も幹の知識からある程度正解できるようになります。
もっとも、直前期だけで短答用の細かい事項を押さえようとすると上手く習得できない恐れがあるので、日頃の学習で論文用の頻出事項を学びながら、定期的に短答用の細かい事項の記憶・演習も併せて行う方が望ましいと思います。