これについては、①条文の全体像の把握と、②典型事案と条文・解釈論をセットで頭に刷り込むのが一手です。
①について
会社法は、他科目に比べると条文がごちゃっとしていますが、実は条文の並びが会社の一生を意識したものになっています。
最初に総論から始まり、会社が誕生する設立→会社の所有者の地位たる株式・オプションとして新株予約権→会社を操縦するパイロットたる機関(会社がエヴァンゲリオンで、機関はシンジ君やレイちゃんというイメージ)→会社の血液ともいえるお金に関する計算等→会社の終焉に関わる事情譲渡や解散という、会社の一生を意識した条文構造になっているのです。そしてさらに、持分会社・組織再編・訴訟関係と続きます。
このように、会社の一生を意識して条文を把握していくと、目の前の問題が会社の一生の中でどこをやっているのかが意識できるので、条文を操作しやすくなります。
②について
会社法の論文式試験の問題は、典型的な事案が出やすいです。もちろん、未知の難しい問題も出ますが、典型事案を頭に入れておけば、そこからの距離を考えることであり得なくはない解答を導くことができ、A評価が取れます。
そこで、論パタテキスト掲載の問題を、毎回答えを忘れたフリをして何度も解き、「この事案であれば、〇〇という理由で、◇◇条や××という解釈論が問題になる」という思考プロセスを何度も経ながら、事案と条文・解釈論の関係を頭に刷り込みます。
これはどの科目もそうですが、論パタのような「黄色チャートレベルの基本問題集」に掲載されている典型事案を理解して頭に刷り込むことで、条文や解釈論を想起するスピードが上がり、未知の問題への対応力も上がります。
以上をまとめると・・・
1.まずは、会社の一生を意識しながら、条文の全体像を追っていきましょう。
これについては、テキストを読むたび・問題を解くたびに六法を引いて条文をチェックしたり、条解テキストを使って、論パタ講義で触れた重要条文をさらって素読みしたりすることで、できるようになります。
2.次に、論パタ掲載の問題を繰り返し解いて、事案と条文・解釈論を理解しながらセットで頭に叩き込みます。
ここでは、「問題文のどこに着目すれば、正しい条文や解釈論に気づけるのか」を意識しながら、演習と記憶を繰り返します。丸暗記に陥ると力が伸びないので、なぜそうなるのかを常に意識して、典型事案と条文・解釈論の対応関係を理解・記憶していきます。典型事案を理解して頭に刷り込むことで、瞬発力が向上していきます。