まずは論文に進めるとのことで何よりです。
そのうえで、論文向けに点数を伸ばしやすい科目について助言しますね。
①実務基礎科目
予備論文に当たっては、実務基礎科目が点数を伸ばしやすく、合格するうえでも実務基礎科目は外せません。
実務基礎科目は配点が大きい一方で、過去問類似の事項が出やすいです。そのため、実務基礎科目の論文過去問を優先的に解き、民事の要件事実・刑事の事実認定に関する知識を押さえていきましょう。
実務基礎科目でB以上の評価を取れれば、合格に大きく近づけます。そのため実務基礎科目は、配点の大きさと出題範囲の狭さから、点数が伸ばしやすく、かつ、点数を最優先で伸ばすべき科目です。
②刑事系2科目
次は、刑法・刑事訴訟法の2科目が点数を伸ばしやすいです。この2科目は、公法系・民事系に比べると解きやすい問題が出やすく、処理手順も分かりやすいからです。
そこで、実務基礎科目を最優先にしながらも、刑事系2科目については、しっかりと論文過去問・網羅的な論文問題集を解き、A評価を狙っていきましょう。
③行政法・会社法・民事訴訟法
①②に次いで、この3科目(特に行政法・商法)も伸びやすいです。行政法・会社法は、出題事項がある程度限定されており、基本問題の解法をストックすることで十分に戦えます。
他方、民事訴訟法はかなり難しい問題も出ますが、大半の受験生が対応できないので、ごく基本的な事項をしっかり書ければ、相対評価で勝てます。
そのため、行政法・会社法をしっかりと対策しておきましょう。
④憲法・民法
この2科目は、率直に申し上げれば水物です。そのため、上記①②③の科目に比べると、得点が安定しにくいです。
憲法は難しい問題も多く、判例を使いこなすのもあまり現実的ではないことから、人権パターンなどの処理手順だけしっかり押さえて、あとは他の科目の知識量・演習量を積んだ方が報われやすいです。
民法も、深くて広い難問が出題され、対応が難しいです。そのため、基本問題の解法をストックし、論文過去問で演習を積んだ後は、現場で素直に開き直って考えた方がいいでしょう。
⑤選択科目
これは、可能であれば、広く浅くで良いので勉強しておいてほしいです。おそらく、選択科目は多数の受験生が捨ててくる可能性が高いので、基礎事項を一通り見ておくだけでも点数につながりやすいと思います。
時間が無ければ選択科目を捨てることもアリですが、可能であれば、ある程度取り組むことで他の受験生に差をつけられます。
以上をまとめると、伸びていく可能性のある科目としては、
実務基礎科目>刑法・刑事訴訟法>行政法・会社法>民事訴訟法≒選択科目>憲法・民法
という順番になると考えます。