ご質問をいただきありがとうございます。
以下、講師からの回答をお伝えします。
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時効完成後の債務承認は152条1項の「権利の承認(=時効更新)」の問題ではなく、146条の「時効の利益の放棄」の成否として整理すべき論点です。
時効更新(152条)は「時効完成前」を前提とする制度であり、完成後には観念的に成立しないと考えられるからです。他方で、消滅時効が完成した後であっても、債務の承認行為が時効完成の事実を知りつつ、あえて利益を放棄したと評価できる場合には、146条の反対解釈により時効援用は許されません。
判例はこの場面を「信義則により援用が許されない」と表現しますが、実質は放棄の黙示的認定です。
したがって、時効の更新と時効利益の放棄は概念上明確に別物であり、その理解自体は正しいです。
ただし、司法試験対策との兼ね合いでは、最高裁判例の示した判断枠組みに沿って当てはめて結論を出せるよう準備を進めるようにしてください。