採点実感等で、三段論法についての指摘が頻繁にされているのですが、どのような答案が良くないとされているのでしょうか?例えば、規範の中に、具体的な登場人物(A,Bや甲,乙)が出てくるというのは、三段論法が守られていない答案としてマイナス評価を受けてしまいますか?もし、そうならば、問題の所在の部分では具体的な登場人物についても記載すると思うのですが、その部分と規範とは明確に分けて論じるべきでしょうか?
法的三段論法で答案を書くことは、司法試験と予備試験では必須の前提です。具体的事案の法的解決に至るまでの思考過程を書くことが求められているからです。
そして、法的三段論法は、
①当該事案の問題の所在(争点)の明示
②争点に関する法的一般論(規範)の定立
③規範への当該事案の事実のあてはめ
という思考過程を経て結論に至ります。
したがって、①の問題の所在では具体的事実を書いて事案の争点を明らかにしますが、②の規範はあくまで法的一般論ですから、具体的事実を書いてはいけません。
これを明確に分けないと、法的三段論法によって書けてはいないと評価されてしまいます。
ご自身の答案でチェックしてみてください。