曽祖父が裁判官だったこともあり、小学生の頃から法曹の世界に興味を抱いていました。進路を決めるときもその思いは変わらず、迷わず法学部を志望。しかし、大学入学後はサークル活動や友人との時間に夢中になり、1・2年生の頃は勉強からすっかり遠ざかってしまいました。
そんな中、周囲が就職活動を始める時期になると、次第に焦りを感じるように。自分がこれまで勉強に真剣に向き合ってこなかったことへの後悔や、就職活動に忙しくなる友人たちの姿を目の当たりにし、「このままではいけない」と強く思うようになりました。そこで、一念発起して本格的な勉強を開始することを決意しました。
大学3年生から4年生の7月にかけては、予備校の基礎講座を受講しました。ほぼ初学者としてのスタートでしたが、早い段階でアウトプットの重要性を認識し、論文対策の個別指導を積極的に活用。最初は答案の書き方さえ分からず苦戦したものの、「答案の型」を意識できるようになるにつれ、徐々に論述のコツが掴めるようになりました。特に3段論法をしっかりと身につけることができたのは大きな収穫でした。科目別としては、刑法における構成要件該当性・違法性・責任の流れや、行政法における処分性・訴えの利益・原告適格などの基本的な論点をこの段階で理解できたことが、その後の学習に大いに役立ちました。
苦手意識があった憲法は、BEXAの伊藤たける先生による『憲法の流儀(基礎編)』を受講しました。判例の読み方がわかったことで、答案にどのように判例を落とし込めばよいかが理解できるようになり、憲法への苦手意識も和らぎました。応用編には手をつける余裕がなかったものの、基礎編をしっかりと学んだことで、憲法の基礎力を固めることができました。
大学4年生で予備試験に初挑戦するも、論文式試験であと10点及ばず不合格に。大学の授業と試験対策の両立が難しく、悔しい結果となりました。結果を受け、「予備試験浪人は避けたい」と思い、ロースクールへの進学を決意。最終的に東京大学のロースクールに進むことを選びました。
東大のロースクールへ入学し、初めての一人暮らしを始めると、生活は大きく変化。前期は生活習慣に慣れるだけで精一杯で、勉強に集中する余裕はほとんどありませんでした。さらに、民事訴訟法や商法、会社法のソクラテス式授業にも苦戦。膨大な予習量に対応するため、友人と分担して取り組み、情報を共有しながら何とか授業に臨む日々でした。
また、ロースクールのテスト対策に追われ、司法試験対策に十分な時間を割くことが難しい時期でした。
ロースクールの生活に慣れてきた頃、2年目の4月に病を患い、寝たきりの状態になってしまいました。その状況は7月の司法試験まで続きました。椅子に座ることすらできなかったため、文字を書くこともままならず、このまま試験を受けられるのかという大きな不安に襲われました。
それでも、司法試験への夢を諦めることはできませんでした。
オンライン授業を受けながら、過去問や論証の復習を徹底し、できる限りの学習を続けました。座ることはできませんでしたが、寝たままiPadとApple Pencilを使用することは可能だったため、それらを活用しながら学習を進めました。
体調のことを考えると、司法試験の受験を何度も諦めようかと悩みました。しかし、これまで積み重ねてきた努力を無駄にしたくないという思いが勝り、受験できる方法を模索しました。その結果、特別措置を利用すれば受験が可能であることがわかり、なんとか試験へのモチベーションを保つことができました。
そして迎えた試験本番も完治には至らず、特別措置を受けながらの受験となりました。
こうした厳しい状況で改めて痛感したのは、早期に論文の「答案の型」を習得していたことの重要性でした。学部時代に予備試験であと10点まで迫った経験があったため、答案構成の基本的な型は既に身についていました。司法試験対策では、各科目の出題の誘導を意識しながら、より正確に論述できるようブラッシュアップすることを心がけました。
苦手としていた憲法については、司法試験対策として『憲法の流儀』の基礎編を復習するとともに、応用編の学習にも取り組みました。学部時代よりも論文を書く力が向上していたため、解説を聞く中で「何を書くべきか」を自分で導き出せる感覚が芽生えていました。単なる知識の詰め込みではなく、答案の「解き方」を身につけることの大切さを改めて実感し、見えてくる景色が変わるほど自分自身の成長を感じることができました。
試験直前の半年間をほぼ寝たきりの状態で過ごしましたが、結果は合格。周囲の受験生に比べて不利な状況も多々ありましたが、これまでの自分を信じ、最後まで諦めずに受験して本当に良かったと思います。何よりも、早期に論文答案の型を身につけておいたことが、病気と戦いながらでも合格できた要因の一つだと感じています。何が起こるか分からない中でも、早めの対策とできる範囲での復習を積み重ねることが、合格への大きな鍵になると思います。
繰り返しになりますが、「論文答案の型はできるだけ早く身につける」ことを強くおすすめします。早い段階から手を動かして書き始めることで、後のステップアップが格段にスムーズになります。自分に合った勉強スタイルと学習計画を見つけ、ぜひ最後まで諦めずに取り組んでください。
正直後悔していますが、選んだ理由としては音楽やマンガなどが好きだったため選びました。著作権法は勉強していて楽しかったのですが、特許法は人によって合う合わないが別れると思います。
選ぶ際は注意してほしいと思います。
3〜4年時:1日約8時間勉強
平日:予習復習に4時間、司法試験の勉強は1時間
土日:司法試験過去問、短答対策 8時間
1年目夏休み:就活(インターンシップ)
1年目春休み:一日約8時間勉強 TKC模試
科目 | 教材 |
---|---|
憲法 | 短答対策 『2024年版 司法試験&予備試験 完全整理択一六法 憲法』LEC東京リーガルマインド編著著(東京リーガルマインド 2023年 論文対策 『憲法の流儀』BEXA 伊藤たける 『憲法ガール』大島義則(法律文化社) 『合格思考憲法』玄唯真著(辰巳法律事務所) 『新伊藤塾試験対策問題集』伊藤塾(弘文堂) |
民法 | 短答対策 『2024年版 司法試験&予備試験 完全整理択一六法 民法』LEC東京リーガルマインド編著著(東京リーガルマインド 2023年) アガルート重要問題集 |
刑法 | 短答対策 『2024年版 司法試験&予備試験 完全整理択一六法 刑法』LEC東京リーガルマインド編著著(東京リーガルマインド 2023年) アガルート重要問題集 『基本書攻略本 基本刑法1総論』斎藤翔平 BEXA 『刑法事例演習教材攻略講座』第3版 斎藤翔平 BEXA 論文対策 『司法試験〈刑法〉全過去問から導く合格答案の道しるべ~理論と実践の1から100まで~』大塚 裕史 |
行政法 | 論文対策 『行政法ガール』大島義則(法律文化社) 『行政法解釈の技法』伊藤たけるほか(弘文堂) 『事例研究行政法[第4版] (事例研究シリーズ)』曽和俊文, 野呂充,北村和生(著) 新伊藤塾試験対策問題集 |
商法・会社法 | 論文対策 アガルート重要問題集 新伊藤塾試験対策問題集 |
民事訴訟法 | 論文対策 『民事系1位が作った民事訴訟法百選基本講義』第6版対応 大瀧瑞樹 BEXA 新伊藤塾試験対策問題集 |
刑事訴訟法 | 論文対策 新伊藤塾試験対策問題集 |
2025年3月9日 BEXA事務局
役に立った:2