法曹の世界に興味を持ったきっかけは、小学生の時に観たドラマでした。
高校3年生の頃、弁護士になりたいという気持ちが明確になり、進路を考える中で、法学部への進学を決意しました。
大学の授業は、法学の基礎を学ぶ場でしたがとても難しく感じました。
そのため、大学2年生から予備校に通い、LECの田中正人先生のもと、論文対策講座をスタートしました。
論証暗記を中心に、基本問題を確実に解けるようにすることから始め、応用力を養うために答案練習も積極的に行いました。また、合格者の答案と見比べ、改善点を把握するようにしました。
予備校では、合格に直結する効率的な授業を提供してくれたため、必要な知識を効率よく学ぶことができました。
はじめての予備試験の受験は大学3年生。
もともと論文は勉強していましたが、短答対策は、予備試験の半年前から講座を受け始めました。
特に、苦労した科目が商法でした。身近ではない分野ということもありますが、細かな部分も問われるため、手形法など全体の概要を把握することに苦労しました。また、概要を把握しても、個別の仕組みや手続きを覚えることがさらに難解でした。そのため、赤白本を活用した頻出問題の反復学習で、基礎固めを行いました。頻出問題を理解することで、未知の問題でも検討をたて、知っている知識を応用しながら理解するよう努めました。すると、仕組みも少しづつ理解できるようになりました。
初めて受けた予備試験。まずは、短答突破を目指しましたが、ギリギリで不合格でした。しかし、短答についてはこのまま過去問で知識を補完していけば、合格できる手応えを感じました。対策として、平成23年から予備試験・司法試験の過去問を2周し、難しかった行政法を重点的に、学習を進め知識を増やしていきました。
大学4年生で2度目の予備試験。短答は突破しましたが、書かなければいけない内容を思い出せなかったり、実力不足を痛感しました。答練なども活用していましたが、結果として論文は不合格でした。その後、3度目の受験までは論証暗記や答練を中心に学習を進めました。
そして、3度目の予備試験。手応えは感じましたが、順位は前年よりも下がってしまいました。3度目の敗因は、応用問題に対応できなかったことです。自分の知識が不足している問題に対応できず、現場思考力が備わっていませんでした。当日、スラスラと知識が出てこず、時間内に答案に反映ができなかったことも、敗因の一つだと思います。
3度目の不合格後、絶望の中、予備校の先生に相談をしました。すると、問題を見た瞬間、答案構成が頭に浮かび、9割方はすらすら書ける状況じゃないと、応用問題が出た時に戦えないと言われました。また、同じ時期に友人から、「論証を覚えきらないと論文は突破できない」とアドバイスを受けました。振り返ると、これまでずっと論証暗記には取り組んでいたものの、本気でやりきれていない、「弱い自分」がいたことに気がつきました。
周囲からのアドバイスで、本気で論証暗記に取り組む覚悟を決め、対策をスタート。基本の論証を徹底的に暗記し、答練を通じて実践力を鍛えました。
その結果、4回目の試験を受ける頃には、未知の問題にも対応できるようになりました。その頃には、「どこで点を取るべきか」「ここは解けなくても仕方がない」という相場観も身につきました。
また、現場思考型の未知の問題に直面した際、「ここはみんなが解けない問題」「ここは少しでも点数をとらなければいけない問題」とメリハリをつけて解けるようにもなりました。
問題を見て、相場感がわかるようになったことが、合格に近づいた要因の一つだと思います。
また、4回目予備試験短答合格直後、民事訴訟法の論文対策に不安があったため、BEXAの判例百選基本講義を受講。評判がよく、民事系1位の思考過程を学ぶために受講しました。短答合格から、論文までの貴重な期間に費やすかどうかは迷いましたが、覚えるべきポイントがメリハリよく解説され、効率的に知識を整理できました。学習の早い段階から受講してもいいですが、直前期、重要ポイントをおさえるために利用するのにも、適切な講座だと感じました。
結果、この年に予備試験に合格。同年、司法試験にも無事に合格できました。
合格の鍵は、徹底的な論証暗記から得た「現場思考」と、問題の取捨選択ができる「相場観」を身につけたことです。試験では未知の問題への対応力が合否を分けます。そのため、基礎知識を確実に固め、過去問や答練を通じ、現場での思考力を鍛えることが重要だと実感しました。最終的には、未知の問題でも、自分の知識をもとに適切な条文や論点に結びつけて考える力が合格への大きな武器となりました。試験を通じて得た経験と努力の積み重ねが、私を合格へ導いたと思います。
昨今、現場思考の問題が増えていますが、結局は、論証を覚えないことには、それ以上の問題を解くこともできません。後にも先にもそこを克服しないと、次に進めないし、合格も見えてこないと思います。論証暗記は、私自身が苦しかったことでもあり、合格に直結したことでもあります。地味なアドバイスかとは思いますが、受験生の皆さんには、ぜひお伝えしたいと思います。
2025年2月4日 BEXA事務局
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