吉野勲先生の『予備・司法試験合格道場』では、「基礎知識380」で知識を学ぶだけでなく、短答過去問や短文事例問題を使いながら、覚えた知識を問題で使える形へつなげていきます。
前編では、論証の学び方から論文過去問へ進むタイミング、添削の必要性、『総まとめ150』の今後までを紹介しました。
後編では、短文事例問題をどのように使うのか、初学者は何を使ってアウトプットすればよいのか、日々の学習をどのように進めればよいのかを、引き続き実際に寄せられた質問に沿って整理します。
目次
従来のテキストは、作成当時の上位合格者が作成したもので、現在の講義もその答案を使って進めています。
一方、第7期で追加している完全版答案・解説PDFは、僕自身が作成しています。短文事例問題でピンポイントに問われている論点だけでなく、実際にフルスケールの問題として出題された場合に必要な記述や、具体的な当てはめまでしっかり網羅した内容に仕上げています。
はい。第7期では完全版答案・解説をPDFで順次提供し、来年度の『予備・司法試験合格道場』では紙テキストに反映する予定です。
ただし、第7期生が今すぐ完全版PDFまで全部やる必要はありません。まずは紙の短文事例問題を使い、完全版PDFは本格的に論文対策を始めてから取り組めばよいでしょう。
※紙テキストの反映については、YouTubeLIVE配信時点での予定です。
論証については、前編でもお話したとおり、必要なものは『予備・司法試験合格道場』に一通り入れています。なので、まずは講座で扱う論証をしっかり覚えることが基本になってきます。
短文事例問題は、他校のいわゆる「重要問題集」とは少し作りが違います。紙のテキストはシンプルな内容で、問題文から論点を抽出する力を身につけることを重視しているんです。
答案の詳しい書き方や当てはめは、第7期で追加された完全版答案・解説PDFで学びます。紙のテキストがシンプルなのは、まず論点を見つけることに慣れるためです。その練習をしっかりやったうえでPDFへ進んでいく、という形で学習段階に合わせて使い分けていただく教材だと考えてもらえればと思います。
勉強を始めたばかりの方は、短答は短答過去問、論文は紙の短文事例問題を使っていく形になります。
講義をすべて聞き終えてから問題演習を始めるのではなく、基礎知識380を進めながら、学習した範囲に対応する短答過去問や短文事例問題へ触れていってほしいんです。講義と問題演習を短いサイクルで繰り返していくのがコツです。
特に初年度は、短答過去問にしっかり取り組み、短答式試験に合格できる力をつけることを目標にしてください。
あと、短文事例問題では、最初から答案を最後まで書こうとしなくても大丈夫です。まずは問題を読み、「この事例で問われているのは、講義で習ったあの論点だ」と気づけるようになることを目指していきましょう。
完全版答案は本格的な論文対策を意識しているため、初学者にはかなりレベルが高い内容になっています。なので最初は読み流す程度でも構いません。まずは基礎知識380、短答過去問、紙の短文事例問題を優先し、本格的な論文対策に入った段階でもう一度じっくり取り組めば大丈夫です。
一方、「答案が全く書けない」「何を書けばよいのか分からない」という段階なら、優秀な答案を書き写す「写経」も有効です。答案を実際に書き写すことで、一度文章を頭に入れてから出力することになるので、法律答案特有の表現や文章のリズムにも慣れていくことができます。
僕自身も受験生時代、憲法や刑法の論証や答案例を書き写していました。負荷の大きい勉強ではありますが、答案が書けずに立ち止まっている場合には、良い答案のフォームを身につける方法の一つとしておすすめです。
初学者の段階では、まず紙の短文事例問題を使います。シンプルな事例に触れながら、問題の形式に慣れて、問題文から論点を取り出す練習をしていくわけです。
そのうえで、本格的な論文対策へ進む段階になったら、僕が作成した完全版答案と解説のPDFを使っていきます。こちらでは実際の本試験をしっかり意識して、合格に必要な記述や具体的な当てはめまで深掘りして学んでいく、という流れになりますね。
この2段階で活用してください。
すべての条文の趣旨を載せているわけではありません。というのも、受験対策としてそこをすべて網羅する必要はそもそもないからなんです。
条文の趣旨を学ぶ目的の一つは、論文試験で初めて見る問題が出たときに、条文や制度の趣旨から考えられるようにすることです。もう一つは、会社法や刑事訴訟法などのテクニカルな規定について、「なぜこの制度が必要なのか」を理解し、記憶しやすくすることです。
仮にすべての条文について趣旨まで載せてしまうと、それはもう受験用のテキストではなくて、分厚くて膨大な逐条解説書になっちゃうわけです。ですから『予備・司法試験合格道場』では、試験対策上必要なものを選び、メリハリをつけて学ぶことを大切にしています。
その順番で進めましょう。
行政法以外の6科目は、旧司法試験過去問→予備試験過去問の順です。旧司法試験の比較的短く抽象度の高い問題で論点抽出を学び、その後、事実関係の長い予備試験過去問で事実評価や当てはめを学んでいく形になります。
ただ行政法だけは例外で、『予備・司法試験合格道場』では旧司法試験の代わりに新司法試験の問題を扱ってます。ですので難易度を踏まえ、予備試験過去問→新司法試験過去問の順で進めてください。
最初の科目に時間がかかることを、必要以上に心配する必要はありません。法律学習そのものにまだ慣れていないですし、憲法・民法・刑法は講義のボリュームも大きく、特に最初に学ぶ憲法は抽象的でつかみにくい部分もありますから。
第6期については、第7期の配信を待つ間にやることがなくなった場合には、民法を先に聞き進めるという選択肢もあります。ただし、新しい第7期の講義が配信されているのであれば、基本的には第7期を優先して受講しましょう。
あと、社会人受験生には、移動時間や家事の時間を復習時間として使う方法も有効です。一度受講した講義を倍速で流して内容を思い出したり、スマホを使って論証のタイトルや本文を自分の声で録音して、繰り返し聞いたりする方法があります。
まとまった勉強時間を確保することだけに気を取られるのではなく、日常の中で同じ内容に触れる回数を増やしていくことも、ぜひ意識してみてください。
今回のQ&Aでは、短文事例問題や完全版答案、短答過去問、論文過去問など、さまざまな教材が登場しました。
大切なのは、すべてを最初から同時にこなそうとしないことです。基礎知識380で知識を学び、短答過去問と紙の短文事例問題でアウトプットする。力がついてきたら完全版答案や論文過去問へ進む。それぞれの教材には、取り組むべき段階があります。
『予備・司法試験合格道場』では、基礎知識のインプットから短答、短文事例、論文過去問までを一つの流れで進められるように構成されています。
「今の自分は何をやればいいのか」を迷わず、基礎から司法試験・予備試験合格まで学習を進めたい方は、ぜひ『予備・司法試験合格道場』を活用してください。
2026年10月7日 吉野勲
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