司法試験・予備試験の勉強を始めると、「論証はどこまで覚えればいい?」「論文過去問はいつから始める?」「添削は早めに受けた方がいい?」など、学習が進むにつれて疑問も増えていきます。
『予備・司法試験合格道場』は、基礎知識を学ぶ「王道基礎講座」を軸に、短答過去問、短文事例問題、論文過去問へと段階的に進む講座です。初学者のうちは目の前の講義を進めるだけでも精一杯になりがちですが、この先どんな学習が待っているのかを知っておけば、今やるべきことも見えやすくなります。
今回のYouTubeLIVEでは、受講生や受講を検討している方から寄せられた質問をもとに、具体的な学習の進め方や教材の使い方を取り上げました。
前編では、王道基礎講座で身につける論証から、論文講義・過去問へ進むタイミング、添削や追加講座の必要性についてご紹介します!
目次
司法試験・予備試験で必要になる論証は、一通り王道基礎講座に入れており、第7期では論証パターンや論証例についてかなり追加しています。中心になるのは、問題提起をして、自分の立場や理由付けを書き、規範を立てるという一般的な論証です。それだけではなく、一部の論点には、立てた規範に具体的な事実をどう当てはめるのかを示す「当てはめ論例」も入れています。
また、憲法や行政法では、規範だけを覚えても足りず、重要判例の判断枠組みや処理手順そのものを答案で使う場面があります。そこで、公法系については、重要判例の枠組みまで論証形式で整理しました。会社法についても、法改正で新しく生じた制度や論点まで目配りしています。
旧司法試験と予備試験では、過去問を使う目的が少し異なります。旧司法試験は問題文が短く、抽象度も高めです。ここで身につけてほしいのは、問題文から論点を拾う「論点抽出力」です。その後、予備試験過去問へ進むと、事実関係が長く具体的になるので、今度は事実の評価や当てはめが中心になってきます。
しかし、行政法だけは順番が逆です。旧司法試験の行政法は現在の試験対策にそのまま使える問題ではないため、『予備・司法試験合格道場』では新司法試験の問題を扱っています。こちらの方が難しいので、行政法は「予備試験→新司法試験」、それ以外の6科目は「旧司法試験→予備試験」の順で進めていきましょう。
答案を最初から最後まで書く必要はありません。旧司法試験なら15〜20分程度、予備試験なら学習初期は25〜30分程度かけても大丈夫。適当に済ませるくらいなら、最初は少し時間をかけて、自分の頭で答案構成を考えてみましょう!
もちろん、最初から正しい答案構成ができる必要はありません。大事なのは、そのあと講義を聞いたときに出てくる自分の答案構成と正解筋との「ズレ」です。
「この論点は書かなくていいと思ったのに、実際には検討が必要だった」「そもそも考えていた筋が違っていた」。こうしたズレが出たら、なぜそう考えたのかを振り返ります。次に同じズレを起こさないために、どこを直せばよいのかまで考えることが大切です。
基礎段階では、予習はしなくて構いません。まず講義を聞き、その分、復習をしっかりやりましょう。一方、論文段階では、必ず一度自分の頭で考えてから講義にのぞみましょう!
最初のステップとして想定しているのは、王道基礎講座のテキスト・短文事例問題・短答過去問の3つです。個人差はありますが、ここには1年半〜2年くらいかかると考えています。まずはこの3つをしっかりやって、「ある程度クリアできたかな」という手応えが出てきたら、その次の段階として本格的な論文過去問に進みましょう。ただし、それまで過去問をとっておく必要はありません。問題文を読むだけなら、かなり早い段階からやって構いません。
自分が論文式試験で最終的に何をやらされるのか。そのイメージを持たないまま勉強を続けると、今覚えている知識が何のためにあるのかも見えにくくなります。最初は過去問が解けなくて当然なので、「こんな問題が出るのか」と読むだけで十分です。
復習でも、答案例そのものを覚える必要は基本的にありません。旧司法試験は抽象度が高いので、「この論証は書きやすい」「この表現の方が自分には使いやすい」と思うものを自分のストックに入れていきましょう。
一方、予備試験で見てほしいのは当てはめです。同じ問題がもう一度出るわけではないので、答案そのものを覚えても使う機会はほとんどありません。「この事実をどう拾ったのか」「その事実をどう評価したのか」を捉えて、次の問題につなげていきましょう。
基本的には、法律実務基礎科目と選択科目を除けば、別の講座を追加で取る必要はないと考えています。もちろん、学習が進んで「もう少し問題を解きたい」となれば、市販の問題集を足してもいいと思います。条文を自分で読むのが負担なら、条文マーキング講義を使ってもいいと思います。ただ、どちらもあくまでオプションです。
添削についても最初から必須ではありません。お金もかかりますし、まだ知識や論証が入っていない段階で受けても、「この論点を覚えましょう」「ここは知識が抜けています」と言われることが中心になります。それなら、先に知識を入れた上で必要であればその後に追加する方がいいと思います。
そこまで来ると、知識の有無だけではなく、答案全体の筋や流れ、主語と述語がきちんとつながっているか、読みやすい日本語になっているか、事実の評価がおかしくないかといった細かい「フォーム」を見てもらう意味が出てきます。ですから、まずはある程度答案を書ける状態まで持っていく。そのあと答練などを受けて、それでも点が取れない、成績が安定しないとなったところで、添削や個別指導を考えれば十分です。
今回のQ&Aでは、論証から論文過去問、添削まで、かなり先の学習についても触れました。ただ、最初から全部を一緒にやる必要はありません。
まずは王道基礎講座で知識と論証を入れ、短文事例問題と短答過去問で基礎を固める。本格的な論文過去問はそのあとで、添削はさらに先です。
『予備・司法試験合格道場』は、その順番に沿って基礎から短答、論文過去問まで進められるように作られています。教材を次々に増やすのではなく、合格まで一つの流れで勉強したい方は、ぜひ活用してください。
2026年9月11日 吉野勲
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