論文で点数が獲れない、これから勉強をはじめる人必見!
大谷大地
・法科大学院資格で令和5年司法試験本試験現役合格
・公法系の成績150点超(合格者の上位1%)
いえ、私は高校までは完全体育会系で、自慢ではないですが雑誌に載るくらい注目選手でした。小学校・中学校・高校と運動しかしておらず、宿題とかまったく出さないタイプの生徒でした。勉強とは一番離れたタイプの人間だったかもしれません。
高校の時その運動を諦めざるを得ない状況になり、人生ではじめて必死で勉強して、なんとかギリギリ志望していた大学に滑り込むことができました。
完全に暗記です。気合で知識を詰め込んでいました。
勉強方法はそれしか知らなかったので、大学に入学してからの法律学習も初期は暗記から入っていました。
最初は法曹を目指そうとは思っていませんでした。単に法律が面白そうだったからはじめました。
入学後にすぐに知り合った大学3年生・4年生の先輩がちょうど自主ゼミをしていたので、大学1年生でしたが参加させてもらうことになったのが最初です。
その自主ゼミというのが、偶然、司法試験や予備試験の論文を解くゼミで、図らずも論文試験を解くことになったわけです。
当時司法試験のことはよく知りませんでしたが、私にとっては初めての法律学習=司法試験の論文対策になったわけです。
基礎知識がないので当然書けないですよ(笑)。
どうしようか考えた挙句思いついたのが、「既存の答案を丸暗記する」という方法でした。
当時私にとって勉強=知識の詰め込みだったので、とにかく暗記、パワーで押し込もうと考えました。
当時はそんなことは考えていませんでしたが、気合で答案を覚えて吐き出すことしか思いつきませんでした。
スタンダード100などの市販の演習書の答案を丸暗記して、自主ゼミでは問題を吐き出す。
これを繰り返していました。
書けるようになるまで3か月〜4か月くらいはひたすら答案を読んだり声に出したりしていました。
8月〜9月頃にはなんとか書けるという状態になりました。一応何かは書ける、といった程度ですが。
答案を100個・200個と読んでいくと、全く違う問題の答案であっても「何か似てないか?」という部分が出てくるんですよ。
そういった似ていると感じる部分を自分のストックとして貯めていって、それをゼミで吐き出すということを繰り返していきました。
権利の重要性のストック、制約の態様のストック、審査基準のストック、当てはめのストックetc.、色々暗記していました。
全然間違えてましたよ(笑)。
ただ、内容的には間違えていても答案はほとんど書き切っていましたね。
他のメンバーが途中答案になる中で自分だけ最後の「以上」を書き終えるということもありました。
これが後の勉強に活きてきます。
8月・9月時点、つまり答案の丸暗記を始めて約半年経った頃には、自分なりの答案の型、書き方のパターンというのは形がほぼ出来上がっていました。それしかやっていませんでしたから(笑)。
その後、自主ゼミの先輩に誘われて、その後は教授主催のゼミに入れてもらったのですが、そこで本格的に憲法の学習が始まりました。
そのゼミでは、憲法判例や理論を議論や課題を通して学ぶというスタイルだったのですが、判例や理論の知識を学びながら「その知識を答案でどう使う」のかのイメージを持ちながら学ぶことができました。
というよりも、この判例や理論って答案ではここで書けるんじゃないかという訓練ができたという感じです。
自主ゼミも同時平行で実施していましたので、先週学んだこの判例知識をここで書いてみようといったテストもできました。
答案の型を明確に持っていないとインプットした知識をどう使うのか、どう書くのかという問題に直面しますが、私の場合逆で、先に答案の型があったので、後に学んだ知識をどこにあてがうのかもスムーズにできました。
伝えたいことは、暗記は悪ではなく必要になる場面があるということです。
よく論文は「自分の言葉で書け」といわれますが、最初は自分の言葉で書くなんて当然無理です。
無理なので誰かが書いたことを真似てそれを繰り返すことが必要になると思います。
「論文は100%思考力や表現力なんだ、インプットとは別物なんだ」とイメージされている人もいると思いますが、答案を書くのにも書き方の知識やパターンがあり、それらを真似て繰り返す中には暗記の要素も当然入ってきます。
繰り返すことで自然と覚える、感覚的に書けるようになるという人も中にはいるでしょうが、それだって型やパターンを暗記していることと同じだと思います。
暗記は悪ではありません。あなたの答案の型を作り出すのに必要なパーツなので覚えることから逃げないでください。
逆に逃げなければ学んだ知識を答案のどこで使うのかを連想しながら学習でき、インプットしながらアウトプットの訓練もできるようになります。
最後に、全員が全員、この勉強法が正解というわけではありません。10聞いて10理解できる優秀な方は答案は後回しでもよいかもしれません。
暗記することが得意な人や、暗記する能力を論文で生かせないかと考えている人であれば試してみる価値はあるのではないでしょうか。
2026年4月21日 大谷大地
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