説明義務違反による債務不履行に基づく損害賠償責任

最判平成23年4月22日で、説明義務違反によって債務不履行に基づく損害賠償請求をすることは背理であるとして認めていません。しかし、説明義務違反によって債務不履行があるとして解除することは認められると思います。なぜ損害賠償請求の場面では債務不履行があると言えないのでしょうか。
2018年7月8日
法律系資格 - 予備試験
回答希望講師:久保田康介
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ベストアンサー ファーストアンサー
久保田康介の回答

最判平成23年4月22日は、”契約締結前”の情報提供義務・説明義務を当該契約に基づくものとすることはできず、ゆえに債務不履行による損害賠償責任を負わない旨の判示をしております。それは、債務不履行責任全般にあてはまるものですから、損害賠償と解除を区別しているとは考えにくいです。ですので、ご質問のうち「しかし、説明義務違反によって債務不履行があるとして解除することは認められると思います。」という部分がよくわかりません。

なぜこの場合に債務不履行責任を問えないのかについては次のように説明できます。この場合、①説明義務の発生⇒②説明義務に違反⇒③契約締結というプロセスをたどっていることになります。本来、契約を締結した結果として各種債権債務が発生しますよね。しかし、この場合には、説明義務に違反したことの結果として契約を締結しているので、じゃあ①の説明義務は何によって発生したの?ということになります。それゆえ、最高裁は、③の契約締結によって①の説明義務が発生し、②の説明義務違反をもって債務不履行とするのは「一種の背理」だと表現しています。

2018年7月25日