遺産分割前の第三者

遺産分割前の第三者が権利保護要件として登記を要するのは解除前の第三者と同様に考えてよいのでしょうか。
2017年11月4日
民事系 - 民法
回答希望講師:久保田康介
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ベストアンサー ファーストアンサー
久保田康介の回答

解除と登記の論点につき、判例は、第三者が保護を受けるためには対抗要件としての登記の具備を必要しています。一方で、(直接効果説を採る)学説上は、権利資格保護要件としての登記の具備を必要とするものが多いです。
遺産分割と登記の論点についても、判例は、対抗要件としての登記を要求しています(最判昭和46年1月26日民集25巻1号90頁)。

質問者の採用する見解が解除と登記および遺産分割と登記の両論点において判例と同様の見解ということであれば、両論点を同じようにとらえることは可能だと思います。

ただ、遺産分割と登記の論点におきましては、遺産分割の意義(宣言主義と移転主義の対立)も絡んできますので、両論点が全く同じものであるとの認識であってはなりません。判例は、実質的に遺産分割時に他の相続人から相続人に新たな権利の変更が生じたのと異ならないととして、登記をしなければ第三者に対抗できないという命題を導いています。要するに、判例は、宣言主義からも移転主義からも正当化できる形の理由付けしかしていませんので、答案を書く際にはどちらかの立場からの一貫した論述をすべきだと思います。


2017年11月10日